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子どもにネットを禁止するより必要なこと

インターネット上で知り合った知らない人に、自分の個人情報を伝えてはいけないだとか、SNSで友達になった人とリアルで会わないようにしようだとか、そういう教育的指導を学校では行っている。スマホの会社が講演会をすることすらある。私も、住んでいる市のコミュニティスクールに関わる委員なので、そのようなお知らせや、講座案内などが毎週のように届く。

でも、よくよく世の中を見てみると、インターネット上で知り合いになって、オフ会で気があってリアルに友達になったり、なんなら結婚したりする人たちもいるし、SNSで知り合ってリアルでデートをするという流れのマッチングアプリも増えてきたよね。
私の息子も、マッチングアプリで素敵な女性と巡り合って、今は幸せに過ごしている。このように、世の中の仕組み的に、インターネット上で出会ってリアルに会うという流れは普通にあるわけだ。
ビジネスでもそう。私が今、一緒に仕事をしている人は、半分くらい、実際には会ったことがない(笑)

では、何が問題かというと、大人はこう思っている。
・子供は個人情報の重要さを分かっていないから指導が必要
・SNSで子どもを騙す大人がいることが分かっていないから指導が必要

でも、問題の根本はそこじゃないんじゃないか。インターネットのルールを教えることより、インターネットに逃避する気持ちを理解しないといけないのではないか。

なぜ、身近な人ではなく、会ったこともない人に自分の悩みを相談する状態なのか。なぜ、親や学校の友人ではなく、名前も知らない人に心の内を明かすのか。

そこには第三の大人の不在が垣間見える。

インターネットやSNSには、匿名性の安心感がある。自分と同じ悩みを持っている匿名の人の話を探すこともあるし、名前を伏せて自分の悩みを打ち明けることもある。
名前を伏せることで、親や教師と違って自分のことを色々知っている人間ではない人間に、自分の悩みを聞いてほしいのだ。
その状態は、今に始まったことではない。自分と同じ悩みを雑誌で探したり、逆に悩みを投稿したりということもあった。それがインターネットに代わって、手元のスマホでできるようになっただけ。
今も昔も子供たちの悩みは変わらない。身近な人では解決できない、顔が知れてる人には相談できない、そういうこと。
もちろん、そこに付け込んで、悪いことをしでかす大人も増えているかもしれないが。

親にも先生にも相談できないことを、第三の大人が聞いてあげる必要がある。インターネットやSNSを禁止するより、つながりを求めている子どもの気持ちに気づくこと、そして、そんな子供たちの居場所づくりがますます必要になってくるのではないか。

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