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学校から課題が出たとたん、子どもたちが失ったもの

どーもー。ゆか先生です。簡単にいきさつを説明しつつ、本題へ。リンクはすっ飛ばしてOKです。
まず、東京都で休校措置があってすぐ、1年生から6年生までの授業をオンラインでしました。3月2日から3週間。

何しろ、東京都の休校発表があってから2日間で準備したので、新しく教材を作ることができなかったのですが、オリジナル教材は7学年分あるので、あとは授業次第でなんとかなるかと始めてみました。

その時、感じたことを簡単に言うと

休校1週目 私の授業以外は、ゲーム三昧。
休校2週目 授業中、疑問に思ったことを自分で調べ始める。
休校3週目 調べたことを発表する欲求が高くなる。

子どもたちは、分からないことを自分で調べたり、とにかく試してみようとやってみたり。そう「自ら学ぶ力」が付いてきました。

子どもって、放っておいたら学ぶんだな

と感じた3週間でした。

さて、4週目からはなぜできなくなったかというと、学童が始まるからだったのです。東京学芸大学のEXPLAYGROUND事業の一つ。

この「学童」もリアルではできなくなり、なんとオンラインでやってます!

「なぬ!?オンラインで学童だと???」ということで注目されました。

学童というためには「生活」がカリキュラムに入っていることが必須。普段できない、というかオンラインならではの「生活」をしています。

長い休校生活で分かった子どもたちのリスク

さて、東京では3月2日から休校が始まりました。もう7週間がたちました。長いです。その中で気づいたことで、これは子どもの成長過程で、かなり大きな影響を残すのではないかと思った2つを共有します。

①親もリモートワークになり、家族全員で生活リズムが崩れている
②子供が、親以外の大人とコミュニケーションを取っていない

朝、学校に間に合うように動かなくて良いというとなると、人間だらけますね。たまの休みならいいでしょうが、この状態が長く続くと、将来に影響する可能性があります。非常事態が日常へと緩やかに変わる時、体にストレスがかかるでしょう。また、親以外の大人と話していないということは、世の中には多様な意見があるという実体験が阻害されていることになります。特に、今、テレビなどではコロナの話しか出ていませんので、もう少し子どもの実生活への声かけ、例えば、「塗り絵上手になったね」とか「どんな本を読んでいるの?」というような会話が必要です。しかも親以外で。

これは、やばい!と思った私は、とりあえず、自分の生徒だけでもなんとかしようと、「6時半にラジオ体操しましょう!」と80人の生徒にメールしました。
プライバシーの関係で、共有する写真も撮影できませんが、なかなか楽しく続けています。

具体的な方法
zoomで、画面を共有します。
その時に音声も共有します。
これでOK

ラジオをパソコンで聴けるアプリや、YouTubeのラジオ体操動画を共有し、みなでその音に合わせて体操します。
動画圧縮の関係で音声と動画は若干ずれますが、そういうものだと子どもたちにしくみを教えるチャンスにもなります。
最初は動画を共有していなかったのですが、子どもたちが私の動きをお手本にしているのかもしれないと焦り、正しく綺麗な動きのNHKのお姉さんたちの動画に切り替えました。芸能人もラジオ体操をアップしているので、来週からはそういうものも使おうと思っています。

ポケモンのラジオ体操は音が秀逸!あの音です。イシツブテに足があるけど!

https://www.youtube.com/watch?v=f1T5rUipf2M

他に、マインクラフト、ドラえもんなどなど。動きを覚えてきたら、子どもたちも楽しめそうです。

学校から課題が出たとたん、子どもたちが失ったもの

さあ、ここからが本題。オンライン授業、オンライン学童、オンラインラジオ体操をし、子どもたちはどうなったかというと、授業の中で自分なりに課題やテーマを見つけ、主体的に学ぶようになったのです。宿題がない分、自分の世界、読書や料理や虫など、そういう世界に没頭していました。自分の決めた課題については、次の授業までにめっちゃ調べていましたし、自分が1日をこうすると決めたことは、監視などしなくてもきちんとしていました。加えて親以外の大人とzoomで顔を突き合わせ、コミュニケーション能力をアップしていました。さらに、オンラインラジオ体操で、生活のリズムを取り戻しつつあります。

そこに、そこにですよ。学校から教科書がどさーっと届き、宿題も、どさーっと届いたのです。さらに先生が一方的に話をする動画なども届いたとか!

一瞬にして、コロナ前の状態、いやそれ以上にひどい状態に引き戻されたのです! 学校や塾など、今までオフラインでやってきたところは、同じことをオンラインでしようとすると、必ず劣化します。オンラインならではの利点を無視し、欠点があからさまになるからです。

学校は成績が付きますから、当然親は学校の課題を優先しますよね。子どもたちは、学校の宿題がたくさんあるのでと、自分が決めたテーマの調べ物は後回しにするようになりました。中には両方がんばっている子もいますが、明らかに大変そうです。

おいおい、ちょっと待ってよ!という気分です。学校が休んでいるあいだに、学びをとめなかった子どもたち、指導をとめなかった私のようなおせっかいな教師が取り組んだことが、一瞬にして吹き飛んでしまいました。

オンデマンド授業?

一部の大学などでも、休校中の措置として「オンデマンド授業」が行われています。先生が授業の様子を録画し、それをテキストと一緒に配布。これがオフラインのオンラインによる劣化版です。もともと配信型の授業はありました。スタサプなんかもそうですよね?でも彼らはオンラインの強みをしっかり持っているんです。

教材は教師ありき

そして、教材各社から無料で配布される教材。自力で学習できる子にはいいかもしれません。しかし、教材というのは、教師あってなんぼですから、親がこれらをダウンロードし、印刷して、勝手にやらせるのはあまり歓迎しません。市販のドリルを買うのと同じことです。無料になっただけ。また、小学生の教材なんだから、親がそれを使って指導できると思うのは幻想です。せいぜい丸付けと答え合わせくらいでしょうか。そうですね、たとえて言うなら、教材は料理の材料。専門家が使うのと、一般人が使うのとでは、素材の活かされ方が違うわけです。また、これは私がずっとお話していることですが、親が教えるのは、子どもたちにとって害しかないんです。生活を支えてくれる人と、教科の能力を測る人が同じ人なのは、子どもにとって大きなストレスなのです。

まとめ

今まで、主体的に学びを求めていた子どもたちが、学校が教科書と宿題を配布したとたん、急に主体性を失いました。学校も何もないよりはという措置なのでしょうが、学校の先生には、もっと、オンラインでは別の関わり方もあるのです。東京都小金井市で一緒に「公教育をよくする会」で学んでいる蓑手くん、みのさんの取り組みを最後に紹介します。

決意

私はこれからも、オンライン授業、オンライン学童などで、子どもたちに積極的に関わっていきたいと思います。

オンラインまほらboのnoteもできましたよ!


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