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文章のプロが気づいた動画編集と文章編集の共通点

文章力養成コーチの松嶋です。動画編集もできます(笑)
私のような職業の人間が、動画編集を通じて悟ったことをお話ししますね。

小中学生向けに、作文の講座をお願いされることがあるんですが、そこで良く話に出す悪い作文の例があるんです。

悪い例 運動会の作文
今年の運動会は、前の日から雨が心配でてるてる坊主を作りました。当日の朝は晴れていて安心しました。登校すると、みんな準備をしていました。私も教室から椅子を運びました。いよいよ開会式です。校長先生が「今までの練習の集大成です。がんばりましょう」とおっしゃいました。午前中は、徒競走と長縄とびの種目に出ました。徒競走では、4人一緒に走るのですが、私は2位でした。1位ではなくて残念でした。長縄とびでは、記録に挑戦し、今までの記録より1回多く飛べました。良かったです。お昼は……

このように、時系列に起きたできごとと、その時の気持ちをただただ連ねたもの。長いものだと、その日の夕食を家族で食べた話まで続きます。まるで議事録のようですね。誰のための文章なのか分かりません。読んでいる方も疲れます。素人ブログもこういうのが多いですよね。

で、良い例として、対照的に、1点に絞って書いた作文を紹介しています。ここでは文章は割愛しますが、その作文は、リレーのバトンを受け取るまでの10秒ほどの気持ちの変化を800字に書いたもの。前の作文と比べて段違いにスリリングでエキサイティングです。

要は、今回の運動会で感じたことで、何を伝えたいのかがハッキリしているんです。

実は、来月、息子の結婚式があるんですが「母さん、動画編集できたよね」と結婚式で流す動画の制作を依頼されました。

私も、そのようなジャンルの動画編集は初めてだったので、ざっとネットで調べたところ、二人の小さい頃からの様子を交互に表示するのが標準的ということでした。で、私もそうするつもりでした。

ところが、ちょっと事情があって、お嫁さんの方のビデオがVHSの状態で2本しかないということでした。しかも2本とも3,4歳の時のもの。
そこで、そのビデオを見て、息子と似ているシーンを並べてみることにしました。

息子はロンドン生まれ、東京育ち、お嫁さんは生まれも育ちも鹿児島。こんなに離れたところでも、二人の可愛さ、親から見たかわいらしさは一緒だなと、そういう視点で動画も切り取りました。これだと、すべての年齢を年表のように網羅することはできませんが、テーマが決まっているので、逆にストーリーがくっきりしてきたのです。

伝えたいテーマを決めて、素材をそろえて、ストーリーを持たせる。テーマに合わないものは、思い切ってカットする。

その時、ああ、ビデオの編集も、文章の編集と同じなんだ!と気づきました。

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