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「私はいつもこうだ」と断言してしまうことの危険性

「私はおっちょこちょいで、ミスばかりする」
例えばこんなふうに自分のことを表現したとする。もちろんこの表現には様々な歴史が加担している。例えば、人からの評価。自分での性格診断など。そして「あなたはしっかりしている」という評価をした人が、私がミスをしたり勘違いしたりした時に「意外とおっちょこちょいなんだね」と評価するという順番だったりもする。

もちろん直すべきものは直した方がいい。また、恋人とか親友とか、関わりが深い人の評価の場合は、検討する必要があるけれど、所詮、他人の評価なので、トラブルに発展しない限り、基本、深刻に考えない方がいいと私は思っている。おっちょこちょいに限らずだ。
特に親が子どもに「あなたはいつもそう」という呪いの言葉をかけることはとても危険なので、やめてほしい。

問題なのは、こういう評価を自ら口に出して、相手に話すこと。
「初めてで、分からないことばかりで不安です。よろしくご指導ください」というような一般的な社交辞令も危険。自分を卑下している言葉は、相手も自分もよく聞いているから。
他にも、何かちょっとミスをした時に「私、実はかなりおっちょこちょいなんですよ」と宣言してしまうことは、相手が気づいていない自分の短所を予告してしまうことになるので、やめたほうがいい。相手は、まだそういう評価に至るほどの感想を持っていない可能性が高いからだ。
ミスなんて誰でもする。だから1回ミスをして、それほど気にしていない状態の時に「私、おちょこちょいなんです」なんて言ってしまうと、言い訳以上に、イメージの固定化につながってしまう。

このイメージの固定化。自分に対しても行われることが大問題だ。言葉って本当に魂があると思うよ。「私はこういう人なんだ」という話を、一番多く聞いてる人は、誰か。いつもいつも聞かされてる人は、誰か。それは友達でも家族でも仕事相手でもない。自分自身だ。

もちろん改善点を意識し、直すために言語化するのは必須だ。でも何度も何度も聞いている人の身になってほしい。変えられる可能性すら、潰していないか。何かあった時に「ほらやっぱりね」「私はいつもこうだ」と言っていると、それがネガティブなことだとなおさら、自分の心を何度も何度も傷つけることにならないか。

何かミスをした時に反省は必要だけど、何度も何度もネガティブな言葉を自分に吐きかけて、傷口を何度もえぐってしまっては、治る傷も治らないし、直そうという気分も起きなくなってしまう。とことんまで自分をいじめてはいけないよね。

人間の細胞は皮膚は1か月、筋肉は1年で全て入れ替わる。自分は、この前ミスをした時の自分とは、ある意味違う人間。
「私はいつもこうだ」と何年も言い続けているのは、自分にかけている言葉の呪いのせいかもね。

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