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年末年始に読んだ7冊と、考えたこと

※これは私が2021年年末〜2022年年始にかけて読んだ本とそれを元に考えたこと、2022年は何を大切にする1年にしたいのか、を乱雑に書いたnoteです。

会社のみんなには思考を共有したいので暇な時にでも是非読んでいただけたらなぁと思うし、公開することで思考整理につながるので外部にも公開をしています。

年末年始に読んだ7冊、サクッと羅列

本の内容
バブル経済に踊らされ、不良資産の山を築いた経営者は何をしていたのか。儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす。ゼロから経営の原理と会計を学んだ著者の会心作。

(本書、裏表紙から引用)

本の内容
現場で直面する問題に真剣に答える。高収益にはどのくらいの利益率が必要か?シェア拡大のためにM&Aを成功させるには?親会社に頼らず、自立の道を開くには?会社を守るために、人員削減をするべきか?経営道場・盛和塾の問答から精選。

(本書、裏表紙から引用)

本の内容
カネなし、コネなし、実績なしから東証一部上場した「北の達人」社長の処女作。利益率29%の秘訣は、会社の弱点が一発でわかる「5段階利益管理」と一度つかんだ顧客を絶対に離さない商品・人材・マーケティング戦略。史上初の4年連続上場&株価上昇率日本一超効率経営の秘密を創業社長がこれでもかとすべて語る!

(ダイヤモンド社webサイトから引用)

本の内容
資本主義の本質を見抜き、日本実業界の礎となった渋沢栄一。経営・労働・人材育成など、利潤と道徳を調和させる経営哲学には、今なすべき指針がつまっている。

(筑摩書房webサイトから引用)

本の内容
未来はすでに僕を侵食し始めている。
未曾有のパンデミック、加速する気候変動……人類の自己破壊的な営みとともに、「日常」は崩壊しつつある。それでも流れを止めない「生命」とその多様な賑わいを、いかに受け容れ、次世代へと繋ごうか。
史上最年少で小林秀雄賞を受賞した若き知性が2020年春からの「混沌」と「生まれ変わり」を記録した、四季折々のドキュメント・エッセイ!

(集英社webサイトから引用)

本の内容
ベストセラー『失敗の科学』に続く気鋭の英国人ジャーナリスト、マシュー・サイドの新作。致命的な失敗を未然に見つけ、生産性を高める組織改革の全てがここにある。

本の内容
相手を評価したり決めつけたりするのではなく、自分が抱いている感情と自分が必要としていることに耳を傾ける。暴力や対立、偏った物の見方を排し、対話を導く。世界中で読まれている「話し方」の教科書。

(「BOOK」データベースより)

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思ったよりも沢山の本を読むことができた最高の年末年始になりました。しかも読んだ本が全て良かった!

私にとって読書とは娯楽の意味が強いですが、読んだ本から思ったこと・考えたことを文章にすることで自分の日常に落とすことができるので、以下雑多に羅列します。

※読み返してみると本当に雑多です...すみません...

利益に対する意識が甘くなかったか?

2021年は「家庭料理のテイクアウトステーション・マチルダ」という事業を立ち上げることに必死になった1年でしたが、2022年は事業としての拡大可能性を証明しないといけません。

飲食というビジネスをよく知り「経営をする」ということから逃げてはいけない1年になる。という思いがあり、知人のススメで『稲盛和夫の実学―経営と会計』『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』を読みました。

法人を設立して1年まだ経っていないペーペー会社なので、「とにかくお客様に出してみてファンを」と動いてきた2021年の動き方は間違っていなかったと思います。

一方で、事業計画を考えるときに利益率について「飲食の利益率は大体このくらいだから、まあ数%出るところをまずは目指せば良いか」という甘えがあったことを痛感しました。
「飲食は利益率が低いから」「社会にインパクトを与える指標は売上」という思い込みがあったのは間違いありません。

PL管理への意識が弱く、その結果動き出しが年末になってしまいました。
この間山ほど発生していた、「数字をちゃんと把握していないからこそ曖昧になっていた意思決定や困難になっていたコミュニケーション」を回想するたびに、なんとも言えない、 ((((;゚Д゚))))))) という気持ちになります。

私たちが社会に生み出す価値が「利益」であり、お客様だけでなくチームメンバーや株主含め、マチルダに関わる全ての人たちに対して少しずつ幸せを生み出していきたいと思うのであれば、財務体質を軽視せず、多様な選択肢を取れる会社にすることが必要です。

私は経営管理に感してとても不勉強だったので、どのような数字をどのような観点で見ていくことが必要か、先述した本たちを読むことが、良い学びとなりました。


「中庸」で良い、「中庸」が良い

最近、自分の中で中庸という言葉が理解語彙から使用語彙になってきました。

中庸
1. かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「中庸を得た意見」「中庸な(の)精神」
2. アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。

(デジタル大辞泉より)

「極端な方が良い」

いつからそういう思考になっていったのか。
私は自分の周りの社会から常に多大な影響を受けているわけですが、少し前までどんな事柄に対しても基本的には「極端な方が良い」「極端な方が何かをやり遂げられる」と思っていた気がします。

稲盛和夫もそうですが、特に渋沢栄一はどんな事柄に対しても中庸、言い換えるとバランス感覚が大変優れていたのではないかなーと、年末年始の読書から感じました。

「バランスを取る」というとなんだか中途半端で意志が強くないような印象を持ってしまうのですが、「中庸」というと、あら不思議。そんな印象が消える気がします。(気がするだけかもしれない)

視野を広く物事の両面を理解し、信念をもとに全てのことに行き過ぎず中庸である。

しばらくは「中庸」が自分のキーワードになりそうな予感がします。


多様性とコミュニケーションへの覚悟をもっと

集団脳、集合知、心理的安全性、融合のイノベーション、ネットワーク理論。こうしたコンセプトは皆部分ではなく全体から生まれている。現代社会において非常に重要なことばかりだ。今日の我々に差し迫る問題はあまりに複雑で、個人の力だけでは到底解決できない。これからは集合知の時代だ。

『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』マシュー・サイド (著) 第7章

多様性であることの重要性は、すでに直感を超えて科学的に立証できるところまできています。
そして、多様性を大事にする組織でありたいと、私自身も思っています。

一方で、「多様性を大事にしてやっていけるのかな?同一性の強い組織の方が世の中うまくいくんじゃないの…?」とその難しさに途方に暮れる2021年でもありました。

同じ日本人で、東京に住んでいて、マチルダの事業に共感を示してくれた、たった10数名のチームの中にも多様性を強く感じていて、その多様さを受け入れられていない自分に気がつくたびに途方に暮れていました。

多様さを受け入れていくのであれば、組織全体でコミュニケーションの力を鍛えていくこと、対話癖をつけることが絶対的に必要です。

はてさて、コミュニケーションの力を鍛える、対話癖をつけると言ってもどうしたものか。と思っていた時に、『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版』を読みました。

NVCとはNon-violent Communication(非暴力コミュニケーション)の略です。NVCのプロセスは以下↓

・自分の人生の質を左右する具体的な行動の「観察」
・観察したことについて抱いている「感情」
・そうした感情を生み出している、価値、願望、「必要としていること」
・人生を豊かにするための具体的な行動の「要求」

『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版』マーシャル・B・ローゼンバーグ (著) P26

このプロセスで相手に自分の考えを伝えていく。そして相手が伝えてきたものを受け入れる。
常に上記のプロセスを意識してコミュニケーションを取ることで、価値観の違う多様な人同士であっても理解し合えるとのこと。

本で読むのと実際のコミュニケーションに取り入れるのとでは大きな差があるようにも思いますが、大いに参考になる内容でした。

少なくとも、「自分をよく理解して、相手をよく理解しようとする」という行動によって私たちのコミュニケーションの力が少しずつ向上していくのは間違いなくて、組織全体として、コミュニケーションや対話への強度をもっともっと持てる1年にしたいと思っています。


全てが「ある意味で間違っている」ことに定期的に愕然とする今、どうやって生きていけば良いのか

稲盛和夫と渋沢栄一を読んでひとつ強い違和感を持ったのは、そこに「正義」や「正しさ」という言葉が沢山出てくることです。

その精神力の強さは大いに尊敬する一方で、それだけ強く「正しい」という気持ちが持てたのは時代背景もあったのではないでしょうか。
令和に生きる私は、「行動全てがある意味で間違っている」ということに定期的に愕然としています。何が正しいのかなんて、何も分からない時代に生きています。

私たちが心血を注いでいる「家庭料理のテイクアウトステーション・マチルダ」で例をあげると、

ラストワンマイルの配送はない一方で、ステーションを運ぶために大型のトラックを使用していたり。
当日調理で作り置きではないためフードロスはないが、その分毎日大量のフードパックを使用していたり。
お客様に全力で向いてやっていたら、いつの間にかチームメンバーを置き去りにしていたり。

大小あれど「良いと思ってやっていることが、ある意味で間違っている」ことを、毎日、本当に毎日、自覚して自己矛盾として溜まっていき、定期的に愕然とするのです。

年末年始に読んだ本で、私が一番「読んでよかったな」と思う本は森田 真生氏の『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』です。

引用文章が長くなってしまいますが…ご紹介。

一見どんなに正しく思えることも、意外な仕方で間違っている可能性がある。この意味で、僕たちは常に「偽善(hypocrisy)」を免れない存在である。弱さが存在の欠陥でないように、偽善も存在の欠落ではない。何をしても間違っている可能性があるくらい、この世は生態学的に豊かなのである。

『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』森田 真生 (著) 春/STILL

いまの子どもたちは、生まれたときから、人間活動によって刻々と壊れていく環境を目の当たりにしている。
(中略)
凶暴化する気候、頻発する新興感染症、失われていく生物多様性を目の当たりにしながら彼らは、どうすれば人間であることに誇りを持って生きていけるのだろうか。
(中略)
だが、人間がいることによって、人間がいなければ考えられないような、豊かな生態系を構築できる。人間は環境から奪うだけの存在ではなく、生態系の拡張に貢献する生き物になれる。これを示す実例をいくつも作っていくことができれば、未来の子どもたちも心の底から「わたしは生きていてもいい」と思えるのではないか。

『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』森田 真生 (著) 春/STILL


上記の文章たちは、マチルダの事業に直接当てはめられるわけではないものの、心打たれるものがありました。
私もこういう心持ちで生きていきたい。

2022年に大切にしたいこと・3つ

最後に、上記のようなことをぼんやりと考えている私が2022年に大切にしたいことを明記しておきます。

  1. マチルダの事業性を追求すること
    →マチルダが大きくなることを証明して、きちんと利益を出して社会に貢献していく存在にしていくことにもっと正面から向き合って、そのためには恥ずかしながら苦手意識を持っていた会計についても学んでいきます。

  2. 多様性を受容し、コミュニケーション力を追求すること
    →上に書いた通り。ふと気を抜くと同一性を求めてエコーチェンバーの中にいたり、「もういいや」とコミュニケーションを放棄してしまう癖があるので、まず私自身が多様性の受容とコミュニケーション力の追求を大切にして、マチルダ全体に伝播させていきます。

  3. 「家族のことを考える時間」をもっと多く取ること
    →これは唐突感がありますが、去年は家族と過ごす時間はありましたが、家族のことを考える時間は極端に少なかったと思います。
    そのことに私自身が納得していないので、今年は強く意識したいところ。

特にサプライズのない3点になりましたが、全てにおいて「中庸」というキーワードを頭の片隅に、前進していきたいと思います。


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