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変化を積み重ねて女性は強くなる

「強くなりたい」と願っていた、昔の私のコンプレックス

だいぶ前の話ですが、宝塚に入団してすぐのこと。私に突然襲ってきた逆境は、怪我と病気による休演でした。

舞台に立つプロであれば、誰もが必死にこれを避けるべく、日々のトレーニングと健康管理に努めます。

ストイック。体育会系。

そんな言葉で表すのもなんだか物足りないくらい、舞台とはやり直しがきかない厳しい世界です。

一人が舞台に出られなくなってしまったら、その影響はとてつもなく大きい。

編集・後再生が効かない"生もの"を正常に動かすために、誰かが空けた穴を即リカバリーするための共同作業は、それは大変なものだからです。

けれども、私の不注意で怪我も病気による休演も起こしてしまった。

しばらくショックと自責の念から解放されずに、その後も舞台に向けて淡々と自己鍛錬を重ねる日々でした。

だからそんな私が強く願っていたのは、

「強くなりたい」

それだけ。

「舞台人としてこうなりたい」「こんな演技をできる自分になりたい」

そういったキャリアに対する夢もありながらも、何よりも、自分自身の土台の弱さを鍛えないことには、先に進めない・・・

そんな葛藤を抱えていたものです。

「どうやったら強くなれるの?」

その答えを探す事で、自分が変われるような予感さえしていました。


人は不安定な波を繰り返すもの

そんなわけで、「強くなる秘訣」を探しながら、身近にいる芯の強くて芸のすばらしい上級生たちが稽古をする姿を、えぐるように見つめ観察することが習慣となりました。

いつしか、稽古場で出番なくとも、じーっと人の動きを見るのが面白くなっていきました。

出番以外の人は、外に出てリフレッシュもOKですよ〜。っていう時も、稽古場のイスに腰をしずめていた私。笑

もはや長時間人を観察するのも苦ではなくなってしまった私は、演技と同じくらい人間観察が好きな仕事になってしまいました・・・

(もしかしたら、そういう私の得意要素が、今のキャリアコーチングという仕事にもつながっていたのかもしれませんね!?)

そんなことをしているうちに、ふと気づきます。

人間誰しも波がある。と。

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当たり前のことですが、人は生き物ですから、調子によってはコントロールしきれない感情の波があったり、いろんな出来事に感情が揺さぶられることは避けられません。

男役として稽古場や舞台で毅然とした演技をしていたって、その裏では人間関係の荒波に気持ちを落としてしまうナイーブな一女性としての自分がいたり・・・

ちょっとした失敗から立ち直りづらくて、ストレスを抱えながら必死に笑顔をつくっていたり・・・

失恋して大ショックの中、必死に仕事に夢中になることで、ショックを忘れようとしていたり・・・

いっぽうで、チャンスを掴んで、その嬉しさで冷静さを装っていても、常に笑顔でほころんでしまったり・・・

そんなことを、人間観察をとおして、敏感に気づくようになってしまったのです。


人には話したことがなかったのですが、こんなこともありました。

ある日、劇団のダンスレッスンでお見かけした上級生が、いつにないくらい美しい笑顔で、目が奪われました。そのかたわら、どこか平常心を装おうとしているような、心のざわめきが感じられました。

「この人何かあったな」とピンときたのです。

翌日、その方が娘役トップスターに昇進することが公に発表されました。

この時ばかりは、「私、エスパーになった!?」とビックリしたものです。笑

でも、日頃の観察力の成果なんだなと実感して、すごく嬉しくなったと同時に、

人間てなんだか愛しいな。

と、自分の中で新たな気持ちが湧き上がってきた瞬間でした。

そう、人間は人それぞれ大きな波があるけれども、それを必死に受け止め、自分の中の静かに漲るエネルギーに変えようとしている。

波を受け止めながら、人は大きな大きな海になろうとしているんだな・・・

そうやって強くなっていくんだな・・・

そんなふうに、ちょっとずつ気づいていくことができました。


そして、私もいつの間に強くなっていた

人間を愛しいと心底思えるようになってから、人に対する感情や、自分に対する感情が私の中で変わってきました。

その人も、私も、ありのままが愛しい。

初めて、自分を愛することってどんなことなのか、わかった気がしました。

20代の時は正直、

私ってダメだなって思ったり、
私ってなんでこんなんなんだろうって思ったり、
人みたいにできない自分を悔しく思ったり・・・

こういう思いからなかなか抜けきれなくて苦しい時期は長かったです。

でも、挫折もいっぱいいっぱい経験しつつ、再挑戦や再出発を重ねながら、自分も波を受けつつ波を流しながら変わっていくことで、

本当にありのままの自分を受け入れることができました。

そしてフラットに他人や社会も見ていくことができました。

こうして、

自分を愛せること。そして人を愛すること。それが強さなんだ。

と、ようやく知ることができたました。


だから女性は強くなる

ゆえに、人生には波がある。人が強く生きるために波がある。

・・・ということなんだと、私は思います。

ある方がおっしゃっていました。

「人の心拍は正常時、波のように打っている。

でも波がなくて一定の線になってしまうと、死んでしまうよね」

と。

ふ〜む、たしかにそのとおりですよね!

浮きも沈みもあるから、人の心に深みが出てきますし、幸福も感じることができます。

波を乗り越えて強く豊かな心になっていく自分を実感できるから、人は生きる喜びを感じ、成長を続けられるのだと思います。

特に女性は、月経などで生理的に体調の波も多い一生の中で、結婚や出産など身の回りや心身の大変化を受け止めざるを得ない機会が、たくさんあると思います。

細切れな波、大きな波、それを繰り返しながら、しなやかに生きていくことで強さを年々培っていくのです。

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「おばちゃんは強い」

なんて揶揄されることもあるじゃないですか。笑

でもそれって、歳と変化を重ねて強くなった女性に対する、賞賛の言葉でもあるかもしれないですよね!


小さな子どもでも強さを持てる

ちなみに、withコロナを通して、小学生の娘にも強さを感じる時があります。

特に彼女は、小さな頃から複数回の保育園転園や、引っ越し、母不在の中の上海渡航と現地での入学など、数々の環境変化を体験したことが要因かもしれません。

新しい人間関係に慣れていかなければならないプレッシャーや、緊張感、母と離れて過ごした寂しさなど、心の波は幼いながらにたくさん経験させてしまったなと、私自身少し悔いたこともあります。

が、それを振り返って文句を言うことさえ、まったくなしの娘です。

コロナで緊急帰国し、実家近くの小学校に転入する時も、「新しい学校楽しみ!」とばかり言ってますし、ステイホームが解けて学校再開した今も、「また新しい友達ができる!」と大人顔負けするくらい前向きです。

彼女の持ち前の好奇心旺盛な性質のせいもあるかもしれませんが、小さな頃からの変化と波をくりかえした経験が、今の彼女の強さをつくっているのかもしれない・・・

と思うほかありません。

そして、小さい弟たち二人は、相変わらず私には理解不能な行動ばかりしており、のほほんとしていますので、やっぱり男女の違いもあるかなあと・・・笑

とにかく、波を乗り越え、変化を繰り返し受け止めて女性は強くなる。

私の40年の経験から感じていることです。

だからこれからも、

「あなたはどんどん強くなれる!そしてあなた自身をますます愛することができる!」

と確信してお伝えしていきたいと思います♡

変化をして女性は強くなる!!

どうぞあなたも、自信を持って突き進んでくださいね!!



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