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寒い朝と扁桃腺肥大(ホットココアの話)

朝に唾が飲み込めない

朝夕の冷え込みが強くなってくると、「喉が痛い」と起きてくる子がいる。長女は扁桃腺肥大で、特に痛むらしい。私も子どもの頃にそうだったから、朝のあの、何かを飲み込むときの、朝食のごはんやパンやお味噌汁どころか唾を飲み込むのもつらい、焼けるようなひどい痛みは、よくわかる。私が小学生の頃は、どうしていたんだっけ。
母が市販のみかんヨーグルトを買い置きしてくれていた。冷たくてつるんと喉を通っていくので、痛いながらも、その焼けるような痛みを覚ましてくれるような気がして、よく食べていた記憶がある。そしてもう1つ、よく覚えているのが、自分でつくるホットココアだ。ちゃんとしたホットココアをはじめてつくったのは、中学生の頃だった。

森永の「純ココア」

保育園ぐらいの時に、父に連れられて行ったどこかの喫茶店で飲んだホットココアがすごく美味しくて長らく気に入っていて、でも作り方はよく知らなかった。
小4ぐらいのある日、バレンタイン用のお菓子作りの材料に、森永の箱入り「純ココア」(チョコレートカラーに金ピカ文字の)を購入してパッケージの裏を見た時にホットココアの入れ方が書いてあるのを見つけたんじゃなかったか。そこには確か、小さな鍋にココアと砂糖、水を入れてよく混ぜたら弱火にかけてペースト状にしてから、牛乳をそろそろと注ぎながら全体を泡立て器で混ぜて沸騰しないように温める、そんな感じのことが書いてあったと思う。実はそれ以前に「牛乳を注いで混ぜるだけで美味しいココアになるよ!」という謳い文句の即席ココアを買って飲んだことがあったけど、喫茶店で飲んだあのココアと違いすぎて、ひどくがっかりした。純ココアのパッケージを読み終えた時は、ちゃんとつくるって結構な手間なんだなあと思う程度で、やり過ごした。

共働き家庭に育ったので、学校から帰宅した時は大抵誰もいなかった。両親が帰ってくる夜まで毎日自由気ままに過ごしていたから、材料さえあればホットココアをつくってみる時間はいくらでもあった。
中学1年になったその日も一人で、2月の寒々とした人の気配がない家に帰り、部活終わりで疲れていて、なにか温かいものがほしかった。その時に、森永の純ココアを見つけた。そういえば前に、パッケージの裏に、ココアの作り方が書いてあったなあ、と思い出した。
つくりかたを思い出してみると、なんだか面倒だった。でもまあ一人だし、暇だし、めんどくさいってことは、もしかしたら、あのおいしかった喫茶店のココアになるかもしれない、という期待を抱き、文面通りに作ってみたら、おいしかったのです、とても。
ほーっ、と思わずため息の出る、優しくて甘い、ミルキーなホットココア。

(ふと、私の記憶が合っているのか気になって調べてみた。ホットココアのお手本は、概ね合っているようだ)

小鍋に純ココア(5g)と砂糖(7g)、水(10ml)を入れ、泡立て器で混ぜてから弱火にかけ、ペースト状になるまでよく練ります。そこに牛乳(120ml)を少しずつ入れて、混ぜながら温め沸騰直前に火からおろします。

森永製菓のホームページ「純ココアおいしい飲み方」より

そして我が家の定番に

その日以来、私はよくホットココアを飲むようになった。最初に感じたあのホッとした感じ、そして温かい温度と味わいはなんだか体を癒してくれるような気がして、季節が変わって底冷えを感じるようになるといつも、ホットココアが無性に飲みたくなった。

私の扁桃性肥大は、手術をしないまま、大人になったら自然によくなり、ホットココアは「のどいだいよー…」と起きてくる子どもたちにも適用されることになった。今では賢くなった電子レンジのおかげで、小さな鍋もコンロも使わず、毎朝自分用に淹れるコーヒーのついでにマグカップだけで結構おいしくつくれるまで腕も上がった。

マグカップにココアパウダーと砂糖を入れ、コーヒー用に沸かした熱湯を少し垂らしてよく混ぜて、そこに牛乳を注ぐ。この時点では牛乳が冷たいので、まだよく混ざらない(きっとココアの脂分が牛乳の冷たさで固まるんだろうと勝手に思っている)。そのマグカップをレンジで温めて取り出し、よくよく混ぜる。このときココアの脂分が温かい牛乳で溶けて混ざり合い、そしてホットココアができる。

この前、お菓子を焼く時にココアパウダーを使い切ってしまった。もっと寒くなる前に、またココアパウダーを買いに行こう。

即席ホットココア

即席ホットココアのいれ方

①マグカップを用意し、ココアパウダーティースプーンに山盛り2杯、砂糖はココアより少し多めに入れ、よく混ぜ合わせる。
②熱湯を少しだけ(ティースプーン2杯ぐらい)注ぎ、①をよく練ってペースト状にする。
③牛乳をマグカップに注ぎ、全体を混ぜる(ここでちゃんと混ざってなくてOK)
④マグカップを電子レンジに入れ、飲み物の温度設定があればそれを使って温め(その方が吹きこぼれの失敗がない)、取り出したらよく混ぜる。
温度設定できないときは、500Wで1分20秒温め、一度取り出して全体を混ぜ、再度電子レンジで20秒程度。





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