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「家庭学習時間0分」と正直にアンケートを書く中3息子が潔すぎて好きだ。


中3息子は家で勉強をしない。

どこの家もそうだよ、とよく言われるが
息子は本当に、1分も家で勉強をしない。0分だ。

テスト前もそうだ。

中間、期末テスト前は、テストで点を取るためではなく、今まで習ったことを固めるために復習するんだよ。と伝えている。

けれど、しない。

息子の主張は「学校で6時間も勉強してるから、勉強はしてる」だそうで。

たしかにわたしは「家庭学習」について話しているのだが、息子にとっては「学校の授業も勉強」だから、家に帰ってまで勉強したくない、という。

ということで、息子は、基本の勉強時間は0分。

勉強といえば、何もしない息子をさすがに心配しているわたしが、セーフティネットとして通わせている英語塾、週1コマと、テスト前に付け焼き刃的に見てもらう数学2時間のみ。

英語塾は出来が悪いと居残りになるので、居残りしたくない一心で、家を出る15分前に発狂しながらテキストを見ている。なので、それを入れれば1週間で15分がトータルの家庭学習時間だ。


定期テストも、毎回、家庭学習はゼロで、丸腰でテストにふらりと行く。


驚いたことに、テストの時間割も知らないまま学校に行く息子。そのまま当日ホームルームの時間にテスト科目を知り、その場でテストが始まるまで、ペラペラと教科書を見て、そのままテストを受けているらしい。

当日まで何の科目が出てくるか分からないテストって、怖くないのだろうか。

息子曰く「テストは授業じゃないから、勉強しなくていいからラク」だそうだ。テスト期間は早く帰れるので、ゲームがたっぷりできるから良いのだそうだ。あくまで息子個人の感想です。


とりあえず、勉強して、その力を発揮する場とか、習ったことを習得しているかどうかの確認の場、という意識がまったくないことだけは読み取れる。


そんな息子は、息子の学校を含め、私立中学の子たちが一斉に受けると思われる、某ベ〇ッセ主催の外部テストを年に2回ほど学校で受けさせられる。

結果は当然散々なのだが、それは当然のこととして、そのときに取られる生活アンケートの内容に笑ってしまった。

成績返却の際に、そのアンケートの内容も、コメントを付けて一緒に返される。

すると息子は「毎日の学習時間」に、正直に「0分」と書いていた。思わず爆笑してしまった。


もちろんベ〇ッセからのコメントは「もう少し計画を立てて頑張ろう」的な月並みの内容だ。

それよりも、アンケートにも格好つけずに正直に「0分」と書いちゃう息子がなんだか頼もしく見えてしまったのだ。

わたしもあまり見栄を張らないほうだとは思うが、中学時代の自分なら、もう少し要領よく、家庭学習時間がたとえ実際にゼロだったとしても、見栄を張って1時間、とか書くと思う。周りだってきっと、多少盛ってるだろうに。

あまりに面白いので爆笑しながら、「なんでこんなアンケート、正直に書いたの?多少ウソを書いてもバレないのに、盛らなかったの?」と聞いた。

すると、「別に盛る必要ないし」と息子。誰に何と思われても、0分なんだからいいじゃん。ということらしい。

そんな息子が、なんだか清々しい。

いや、中3で勉強時間0分はまずいだろうというのはあるけど、それを置いといて、その他人の目を気にしない爽快な感じに「なかなか見どころのある息子だ」と思ってしまった。

いまは学校、集団行動に合わせるのが疲れちゃって面倒、なんて言いながら行ってるけれど、なんとなく、この子の未来は頼もしいものになるんじゃないかという予感にワクワクする。

ちなみに、さすがに「0分」と堂々と答える子はほとんどいなかったらしく、0分と書いた息子に周りがざわついたらしい。

ざわつこうが、何しようが、0分なんだもん、いいじゃん。というマイペースさ。このマイペースさって、同調圧力で生きにくい世の中を生きるのに必要なスキルなんじゃないかなぁって思った。

そういえば前回だかの同様のテストでは、確か勉強時間30分になっていた気がしたので、息子に「前回の30分、というのは盛ったの??」と聞いてみた。

すると、「塾の宿題で10分くらいやった日があったから、10分と答えたかったけれど、選択肢が0分か30分しかなかったから、とりあえず0じゃないから30分にした。とのこと。

ベ〇ッセさん、ぜひ生活アンケートの「毎日の勉強時間」の選択肢に「10分~15分」も付け加えていただけると、息子が答えやすくて助かります。(笑)


ちなみに、私立中学受験をしているので、なんだかんだいって勉強させてるんでしょ?と思っているそこのあなた、甘い甘い。

中学受験のときは、これまた特殊な塾に入れていたおかげで、家庭学習ほぼゼロ分のまま受験に臨んだ。

家庭学習をすると身体がかゆくなる、まさに「勉強アレルギー」な息子を持つ私が困り果て、探し回って見つけた「完全丸投げ塾」にお世話になったのだ。

マイペースな息子は高校受験を回避したほうが良いと思っての受験だったので、特に高みを目指さない受験だった。

本人が順当に行けそうな学校で、雰囲気が良さそう、あんまり勉強にうるさくなさそうな、のびのびした学校を、と選んだのが今の学校。

塾は能力別だったが、いちばん下のクラスで、縁の下の力持ち的な、やる気のない子を楽しく、かつビシビシとお勉強させてくれる腕の良いベテラン先生と、息子と同じくらいお勉強をしない仲間とともに、毎日楽しく監禁されて勉強していた(させられていた)。

わたしはわたしで、同じような仲間のママと、長時間監禁を良いことに飲み会をしていた。塾が終わるとすぐに塾仲間とオンラインゲームをしていて、家庭学習時間はほぼゼロだった。

と、そんな生活のまま無事受験が終了し、受験終了後も家で勉強する習慣は当然なく、中学生になった。そしてその年はコロナ禍スタートで休校つづきで、その間ずっとゲーム漬けだった。

勉強しない人を丸投げ塾にぶち込んで、家で勉強しないまま中学生になったのだから、当然勉強しないのだが、とはいえ中学3年にもなると内容も難しくなってくるし、この先どうなるのだろうと、定期テストのたびに心配になる。

心配になるんだけど、別に勉強しなさいと言ってもきかないし、ケンカする元気もないし、そもそも叱られてする勉強ほど効率の悪いものはないと思っているし、不毛なケンカで家庭内がギスギスするより、明るく楽しくいたほうが、息子のスイッチが入りやすいのではないかという希望的観測だ。

いちおう学生という身分なので、成績が悪くて肩たたきに遭うとか、留年するとかそういうのは避けていただきたいが、勉強ができればいいってもんでもないよな、と思う。

自分のやりたいことに熱中して、のんびり過ごさせたいというのも中高一貫に入れた理由の一つなので、ヤキモキするけれども、望んでいたことでもあるということだ。

とりあえず、いまはゲームで集中力を養っていただいている。いつかスイッチが入ったときには、その集中力で自分の人生を見つけてくれるだろう、という希望的観測。

スイッチは入るかも、ついているかもわからない。子育ては、操縦不可能、予測不可能な目の前の子どもに、できる限りのことをする、ハイリスクローリターンな人生の一大業務だ。

そんなこんなで、勉強しない息子にヤキモキするときもあれば、しれっと「家庭学習0分です」とアンケートに書いちゃう息子を清々しいなと笑ったり、子ども一人を相手に揺れる親心。

でもひとつ願うのは、子どもは子ども自身の人生をできるだけ楽しく過ごしてほしいということ。

そのためにはある程度の図太さを身に着けておいたほうが良いなと思っている。新しいことが苦手、という繊細さも持ち、人に合わせるのが苦手、という性分の息子だから、彼が彼らしく生きられるように、時にハラハラ、時に笑いながら見守っていけたらいいなと思う今日この頃だ。


今日もお読みくださりありがとうございました!




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