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大都会の赤坂で神社巡り。都会の威厳と江戸時代のタイムスリップを同時に味わう。

10月に引き続き、くれや萌絵さんの神社ツアーに参加してきた。

今年は息子の旅行に合わせてどこかに行くこともできなかったので、2回も東京で萌絵さんのツアーに参加できてうれしい限り。

萌絵さんと一緒に参拝すると、その歴史とか由緒、はたまたその神社のご祭神から連想されるテーマみたいなものまでお話ししてもらえて、神社や神さま、さらに歴史のことがすごくわかるし、神さまの話や神社そのものもとても身近に感じる。歳をとったせいか、歴史が息づいている土地の話を聞くととても面白いし、自分一人で行くときと全く違いとても楽しいので「わざわざ参加する価値がある」と思っている。

前回の品川神社、荏原神社レポートはこちら。

1.大都会にそびえる鳥居「日枝神社」


今回は大都会赤坂の神社だ。
オフィス街であり、国会議事堂などもすぐそばでまさに「東京のど真ん中」なのだが、いかんせん用事がないので滅多に訪れることがない。昔フラメンコの衣装屋さんが、なぜか赤坂見附にあったのでときどき訪れたけれど、なんだかピカピカの高層ビルばっかりだし、神社ってかんじでもなくすぐに帰宅していたなぁ。

けれど!今回はその赤坂にある「日枝神社」と「赤坂氷川神社」の2社を訪問するという。逆に自分では絶対に行かないのでツアーにもってこいだ。どちらも有名な神社では歩けど、なんでそこ?っていう理由がないとなかなか足を運ばないよね。

待ち合わせはこのビルに囲まれた日枝神社山王鳥居にて。

ドヤ!って感じの近代的な鳥居で、脇にはエスカレーターがついている超今どきの神社。だけれどもその歴史は古くて江戸城築城のために太田道灌が勧請し、それ以来徳川家に崇敬された神社。

昔は江戸城敷地内にあったものが移設され、その後火事などでさらに移設されて現在の場所に至るが、こちらは位置的に皇居の「裏鬼門」に当たる場所(表鬼門は神田明神)で、「皇城の鎮」としても重要な神社。

都会すぎてなんだかなぁと思っていたけれど、実は皇居とか国会議事堂とか国の重要な決めごとをする場所で、土地としてはすごく重要で歴史のある場所なんだなと実感。

その大都会の日枝神社は、中もかなり大きな神社で、この日は12月だというのに七五三参りがたくさん。

人がいっぱいだったので境内を撮影するのは控えたが、小さい子がわちゃわちゃとしていて賑やかだった。

ご祭神は「大山咋神(おおやまくいのかみ)。もともと比叡山の(ひえい)の音から派生したといわれ、比叡山ふもとの「日吉神社」が大元。眷属(神の使いとなる動物)はサルで、中にはおさるさんの像もあったり。

山の神さまでいえば「大山祇命(おおやまつみ)」さんもいるのだけど、職掌をあえて分けるとすれば、おおやまつみさんは土地全体の神さまというのに対し、おおやまくいさんは、「クイ」なだけあって、あるエリアに対してそこを守ってくれるようなイメージ、なんだとか。

日吉神社、日枝神社系は眷属がおさるさんらしいのだけど、さるがフィーチャーされている神社ってあまり見かけないので、お守りは「さる」のお守り。勝(まさる)、魔が去る、などいろいろ意味があるらしい。そして可愛い!!!のでわたしは水色のまさるお守りをいただいた。


賑やかな日枝神社を後にして、休憩をかねてランチ。
赤坂なんて本当に来たことがないので、赤坂サカスを横目に歩いて気分は完全におのぼりさん。

ランチは中華コースで、なんかちゃんとしたコース食べたのなんて久しぶりで美味しかった~。

ふだん町中華ばっかりで、品のいい中華嬉しい。




2.ここはどこ?江戸にタイムスリップ「赤坂氷川神社」

おしゃべりしながらランチを堪能し、少し歩いて赤坂氷川神社へ。
氷川神社は大宮に武蔵一之宮としてあるのは知っていたけど、氷川神社もかなり多く存在していて、赤坂氷川神社も徳川家の信仰が篤い場所だったのだそう。

日本は火災や震災が多い土地柄、文化遺産の多くが木造建築ということもあり、かなりのものが焼失してしまっているなか、こちらの赤坂氷川神社は幾多の災難を免れて江戸時代そのままの姿のお社にお参りすることができる貴重な場所。

神社に向かう途中も、徳川吉宗が名付けた「転坂(ころびざか)」など、昔は足場が悪くてよく転ぶ坂があったのだなぁ、など歴史散歩のような感じで歩いて行くことができる。

そして突如現れる「いきなり江戸」感。
周りがピカピカのビルばかりなので、突然こんなところが出てくると驚くんだよねぇ。

足を踏み入れていくと、昔懐かしい公園や、樹齢1000年越え?な木など古さを感じるものがたくさん。そしてなんだか落ち着く・・。初めての訪問で来たことがないのに、なんだか「懐かしい」という感覚。

ぱっと見で「古い」とわかる漆喰の壁と甕

ずんぐりこまちゃんも、なんか古い(笑)

本殿に入る前に山車が展示されていて、なんとこれ江戸時代にお祭りで使われていたものなんだそうな。山車自体は写真を撮らなかったのだけど、その証拠じゃ!とばかりに絵巻ものにそれが描かれている。おおおー。

この山車、やはり度重なる震災や火災で残っていること自体がレアなんだそう。

本殿は大きくはないけれど、こちらも江戸時代のままの姿を残しており、シンプルで粋。なお江戸の雰囲気がある。

先ほどのピカピカした日枝神社では元気キッズたちが威勢よく七五三の写真撮影していたが、そこから徒歩15分程度のこちらは七五三参拝もまばら。そんななか着物を着ておばあちゃんらしき人に連れられてきた女の子は、抹茶のような色味の渋い着物で歩いてきて、なんとも品がよく見ていて微笑ましかった。

あのピカピカ日枝神社があるのに、あえてここを選ぶってなかなかのセンスよね。参拝者も、渋めの人たち+ときどき港区女子。って感じの構成が面白い。

本殿の横に、何やら可愛い木があると思いきや、これはお願い事をしながらここにぶらさげていくさくらんぼの絵馬的な?ものらしい。
なんだか明るくてめちゃくちゃ可愛いよね。


手水舎にもあしらいがされていて、品が良い。こういうところ好き。


3.ご祭神とか神さまとの付き合い方とは


ちなみにこの氷川神社のメインご祭神はスサノオノミコト。あのヤマタノオロチをブチ倒した暴れん坊で有名な彼。

「氷川」という名の由来も、奥出雲の斐伊川が氾濫した姿が「ヤマタノオロチ」として描かれたのではないかと言われ、その「ヒイカワ」から来ているのではないかと言われているそうだ。そういう語源を知るのも楽しい。

そしてスサノオさんが祀られている神社の御利益は、その荒ぶる強者のイメージから「厄除け」みたいなご利益が謳われているけれど、そもそも「ご利益」ってもん自体が後付けされたものなので、そこをもう少しじっくり読み解いていくと、より神さまのことも知ることができ、自分が受け取るメッセージのバリエーションも増えるのでは、ということだ。

たとえば、暴れん坊で知られるスサノオ。

けれど、そのストーリーをよくよく追って行けば、アマテラスの弟として生まれたものの、はじめは荒くれ物の問題児で困ったちゃんだった彼が、ヤマタノオロチを退治してヒーローになり、最後は奥さんと仲良く過ごしている。

萌絵さんによると、人って置かれる場所によって才能が活かせなかったり、評価が変わったりするよね、って話で。人間の持つ顔はひとつではなく、いる場所によって役割も見える面も変わるわけで。では自分の活かせる場所はどこか?とか、自分が必要な場所で必要な才能を発揮できるか?とか、そういうことに関連するお願いをしてもいいんじゃないかな?

なんて話をされて、なるほどそう考えると、神さまが「リアルな人」として身近に迫ってくるし、自分もいろんな場面で別の人を演じていて、それぞれの場所で才能を発揮できたらいいなぁと思う。合わない場所ではなく、自分に合う場所を見つけたいなぁとも思った。

スサノオさんを祀っている神社には、氷川神社と八坂神社があるが、その2社でも雰囲気が違うので、もし八坂神社に行くことがあれば、その雰囲気の違いを感じるのも面白いかもよ、というアドバイス。

神社ツアーと聞くと「なんかパワーをいただきましょう」という趣旨のツアーを散見するが、萌絵さんのツアーは全く違う。

そもそも神さまは、わたしたちが神社に行かなくたって見守っててくれて、力を貸してくれるはず。だけどわざわざ足を運んで、ご挨拶することで、神さまとの距離が縮まるよね、と。

お願い事も、ただ「なんかちょうだい」ではなく、まず自分の力で日々を頑張りつつ、主要なところでお力を借りるようお願いしようよ、というスタンス。神さまだって、何もしないで「叶えてよ」と言われるより、自分に興味を持って歩み寄ってくれる人に力を貸したいんじゃないかな、と言われると、確かにそりゃそうだ、と思う。

それって神さまに対する態度だけじゃなくて、普段人と接する時でもそうで、いつも頑張っていた李、良くしてくれる人には何かあったら協力したいし、そうでない人にはあんまりそう思わない。

要は、相手が神さまであれ人であれ「まっとうに生きようよ」というのが根源にあるので、いろんな説明も全て腑に落ちるし、心が引き締まる。エイって念力ひとつで何かがどうにかなるわけないし、結局自分がまじめに生きている姿を見て、他人が手を貸してくれたり、神さまの手助けで新たな縁が生まれたりするのだろう。だからまずは「自分がんばれ」なのだ。

そういう、いわゆる「スピリチュアル」とは真逆な方針なのが好きだ。

4.紅葉と勝海舟ゆかりの古い稲荷


午後の神社散歩、最近は日が短いので終了の頃には西日がまぶしい。

もう12月だけれど、暖冬の影響でまだ紅葉も。今年は暖かすぎて赤くならないだってねぇ。銀杏も黄色くてきれい。

こちらはお稲荷さん。4社を合祀し、勝海舟が名付けた「四合稲荷」というものになっていた。

こちらのお社は、荏原神社同様彫刻が素晴らしくて、精巧な龍がお迎えしてくれる。木造だとこういう昔の匠技も見られて楽しいんだよなぁ。

横にあるお社もえらく古くて早速見に行く。もう石づくりの狐がボロボロになってしまっているほど古いお稲荷さん。

たっぷりと江戸へのタイムスリップを堪能して鳥居を見上げると後光が刺したような西日が美しい。うーん、いい時間を過ごせた。

なんだか都会に来た気がしない素敵なタイムスリップツアーは終了。

5.おまけ:八雲氷川神社



この氷川神社の雰囲気、どこかで感じたことがあるなぁと記憶を手繰り寄せてみたら、なんとたまたま都立大学駅に用事があった際に立ち寄った神社だった。調べてみると「目黒八雲氷川神社」同じ氷川神社だった!

ここはここで、都会(といっても住宅地)の中に結構長い参道があって、こんなところに素敵な異空間が!と思った記憶があったんだよなぁ。

創建707年とこちらも古かった。

本殿もなかなか広くて静かな感じ。

奥宮にはスサノオの奥さんのご両親と、ウカノミタマさん。

古木もあったりして、こちらも雰囲気たっぷりだ。

こちらは、赤坂氷川神社を訪れてふと思い出した場所なのだけど、ここも素敵なところなのでついでがあったらぜひ訪れてみていただきたい。

先日訪れた品川神社、日枝神社、赤坂氷川神社は東京十社に数えられる場所で、しっかり解説をしてもらいながら回れたことが嬉しい。前回ついでに寄った芝大神宮を含めたら4社。コンプリートすることが目的ではないけれど、そういうものにピックアップされている神社ってそれなりのいわれがあるので、訪れてみたくなる。

でもやっぱり、お江戸の神社巡りも楽しいのだけれど、どうしても歴史的に江戸時代以降になってしまうので、昨年の奈良とか超ディープで古すぎていつだかわからないようなツアーも行きたくなってしまうなぁ。

九州と奈良和歌山伊勢、あたり、、、いつか行ってみたいものだ。

そんな思いを抱きながら帰路・・・なのだが、これまた眠くて眠くて仕方がない。不眠症で電車で寝ることなんてめったにないわたしだが、乗り過ごさないように起きているのがやっと。

ご神気浴びると眠くなるでーというのは萌絵さん談だが、まぁ寝不足でもあったのだけれど、前回のレポートを見ても眠さが炸裂していたので、もしかしたら萌絵さんの案内と素敵な神社のご神気にやられての眠気かもしれない。

前回もそうだったけど、家に帰って起きていられず寝て、ご飯食べてすぐに寝て、それでも起きられなくて昼まで寝て、、、と現在もまったく眠気が取れない。

神社ツアーに行くときには、翌日に用事を入れないようにしようと心に誓いつつ、年の瀬に充実しすぎていた参拝ができ、来年に向けての気持ちの整理、お願い事をもでき、とても充実した1日だった。

訪れた神社は以下の通り。興味があればぜひ訪れてみていただきたい。

赤坂氷川に似てる!と思った神社はこちら

今日もお読みくださりありがとうございました!

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