「夏越の大祓」で半年分の穢れを祓う。鶴岡八幡宮参拝で久々のひとり時間を味わい心が満たされたひととき
神社が好きになってから、今まで知らなかった慣習を知って行動することが増えた。
たとえば6月の末日は「夏越の大祓」という祭事がある。
要は1年の半年たったタイミングで、穢れを祓ってリフレッシュし、あと半年駆け抜けましょうぜということだ。
数年前から、可能な限りどこかしらの神社に行くようにしている。6月30日だといろんな神社で大祓の儀式をやるので参加するが、30日に行けないときは茅の輪をくぐり、人の形に切った紙で身体を触り、それを流すことで穢れを祓う。今回は6月30日が週末にあたっていて行けないので、ちょい早めのひとり大祓に行くことに。
行く神社を決めているわけではないのだが、今回は迷わず「鶴岡八幡宮」。というのもわたくし、noteに記録を残しそびれてしまったのだが、今年の3月、鶴岡八幡宮に息子を連行してご祈祷をしてもらったのだ。
昨年は学校を休む癖もついてしまい、週1ペースで休まないと「疲れた」というようになっていた息子。特別会いたい友達がいるでもなく、学校のようなお仕着せライフが疲れると言われるとわたしもあまり強く出られないし、何よりわたし自身が強制されることが嫌いなので「なんとかなるべ」とズルズル休んでしまっていた。そして学年末に通知表を見たら欠席が30日超えていた。ちょっとやりすぎたかも、と冷や汗。
学校があまり好きではないし、受験も学内推薦は狙えないだろうとタカをくくっていたのだが、いろいろ調べていると今は大学受験が多様化して、総合型選抜で大学受験する子も増えていると知った。これが高1の終わり。学校の内申書に囚われない探求心を持つ子求むという受験らしく、個性的な息子にはフィットしそうだと思い総合型選抜について調べ始めたのだが、内申は関係ないと言いつつも、欠席が多いと難色を示される(要はご縁がない)場合もあるとのこと。
そりゃあ自分が入試の面接官になったら、欠席が多いのも「ん?」てなるもんね。だって今どき大学も「なんか違う」とかいって辞めちゃう子が多いらしく、大学側も「ちゃんと通える子がほしい」って心の中で思っているのは想像に難くない。
だけどすでに出てしまったこの数字。どうすべきかと考えた。でも1年生で休みが多くても、2年生でちゃんと通っていれば「ほほう、高1では体調を崩しがちだったのかな」で済むだろうし、説明も付く。要は「改善しているストーリー」があれば、まだ総合型選抜の受験もワンチャンあるかもしれない。お勉強になかなか手がつかない息子がはがゆくて仕方がないわたしは、どうにか奥の手をひねり出したく、自分の育て方についても振り返った。
息子は別にいじめられているわけでもなく、クラスはいたって平和なようだ。ただ学校に行くモチベーションが上がらないだけで、あと運動しないので体力がなく、「疲れた」と訴えれば簡単に休めたのでたぶん「休みグセ」がついてしまったのだと思う。だって休ませろとなったらわたしが「うん」ていうまで永遠に言い続けるから疲れたし、高校生だからそれくらい自分で決めてって思ったんだもん。
だけどそもそも先が読めない子だからわたしが息子の未来を案じているのであって、先を読んで「自分は欠席が多いから一般受験を頑張ろう」なんて思える子かと言えばそうではない気がする。ていうかそれを除いても普通に学校通えるなら行ったほうがいいだろ。インドアな息子の刺激になるし。
とりあえず息子にその話もして、4月から頑張って通ったら(受験いいことあるかもしれないから、ちょっと負のループから脱却しよう。と説得した。息子もワンチャンあるならと同意したが、きっとそれでも一度ついた癖は抜けないだろうと覚悟していた。
というかそもそも、学校なんて決意していくもんじゃないよなぁと自分で言いながら思った。勉強のためより、友達がいて楽しいからって理由でみんな学校に行ってるはずだよなぁと考えて、そういえば息子はオクテなところもあるが「クラス運」が圧倒的に悪いことも思い出した。
息子は小学校のときから恐ろしくクラス運が悪い。もともとオクテなので、年度初めはクラスの雰囲気に気圧されて話す人がいないと言い、ものすごーく少しだけ学校で話す相手ができてくるのが学年末だったりする。だからそこからぜひ関係を深めて、というタイミングでクラス替えになるのだが、これがもう見事にクラスが分かれる。しかもその前に仲良くなった子とも一緒にならない。小学校の頃なんて、近所で仲の良かった友達が4人いて、2クラスしかないのにうちの息子だけ違うクラスになったりと、クラス運の悪さがさく裂していたのだ。
そうだ、学校で友達に恵まれたら、無理やり行かせなくたって行くじゃん。ていうか勉強だって、いい先生や友達に刺激を受けたらやるじゃん。なんなら受験だって塾だって縁じゃん。ということで、わたしが全く手が出せないが、彼に必要なものは「良縁」であると気づいた。
縁こそ人間がコントロールできないもの。でもぜひとも学校に行きたくなっちゃうようなご縁ができてほしい。でも何もできない。もうどうしたらいいか分からなくなって、10年以上行っていなかった占いにまで行った。でもピンとこなかった。けれど占い師が「神社はわりかし本気のお願いは聞いてくれるよ」と言っていた。そうだ、神社、いこう。
今まで神社を訪れるのはなんとなく楽しいからで、参拝時にも、自分の頑張りの後押しをお願いしますとか、健康をお願いしますとか、ざっくりしたことしか言っていなかった。だけど今回「まじ神様お願い」ってすがってみようと思った。だってほかにできることないし。
ということで春休み。どうせなら「やった感」を味わいたいと思い、でかい神社でご祈祷をふるまってしまおうと考えた。やっぱりそこまで「やった感」があれば、人間その気になるんじゃないかと思ったのだ。
息子は神社なんか興味ゼロなので嫌がるかと思いきや、行くと言い出したのでめっけもん。行くなら鶴岡八幡宮だなというのはなんとなく浮かんでいた。そういえば息子の七五三もここだったし。
ということで3月に息子を連行し「良縁祈願」のご祈祷をしてもらった。ついでにわたしも付き添ってあやかった。その祈祷の効果なのかわからないが、息子は中高の今までの中で一番楽しそうだ。高2から文理選択クラスということもあって、高1時代に話すようになったお友達で理系選択が数人いるそうで、無事新年度からぼっち状態は避けられた模様。わたしも心を入れ替えて学校に行こうキャンペーンをし、5月の連休明けまではときどき休みたいと泣きごとを言ったが、鉄の意志でGO TO スクールキャンペーンを続けたら、最近は学校が少し楽しくなってきたらしい。
嫌だから行かないとなると、友達とのかかわりも減るので、もっと行きたくなくなる。というループから、しぶしぶ行ってたけど、まぁ友達もいるし行けるかも。になってきた。本人も言っていたが、学校に行くためには楽しまないといけない。楽しむにはどうしたらいいか考えたら、今までのように陰キャのオクテのままでいるわけにはいかないから、勇気を出してみんなに話しかけているらしい。なんちゅーか、「嫌だからやらなくていい」だけじゃ育たないんだなぁとしみじみ。いろんなケースがあるから無理強いしたくなかったけど、少しふんばると見えるものも変わるのかと思っている。
かなーーり脱線したが、4月の新学期からそんな奮闘をして3か月。もう夏休みは目前だが、わたしの中の短期目標として「とにかく夏休みまでは休まず行けるよう後押しする」というのがあって、あともう少しのところまできた。けれどまだもう1か月弱あるので、まだひと踏ん張り。頑張っていただかねばというのもあり、夏越の大祓には息子の良縁のお礼と、引き続きよろしくと言うお願いと、大祓と。結局お礼よりお願いのほうが増えてしまったけれど。今回は本人がいないのでご祈祷はせず、参拝でお礼を伝えてきた。奉納しようとお神酒買ったのに家に忘れるわ、御朱印長も忘れるわ、だけどちゃっかり古いお札は持って行って、まさに「祓い」の日。
と、そんな思いでひとり出かけたのだが、ひとりで鎌倉のような観光地を散策するのはものすごく久しぶりだと気づいた。最近はテレワークでまる1日家にいることも増え、他の用事であっという間に日々が過ぎ、自分ひとりでウロウロする時間と言うのを取っていなかった。
鎌倉駅に降り立って、観光客でにぎわう小町通りを散策する。以前息子と来た時には立ち寄れなかった雑貨屋さんを覗きながらゆっくり歩く。混雑はしていたけれど、最近はもっと混雑している新大久保を見慣れているのでそこまでではない感じ(笑)。
散策途中で気になる「お浄めミュージアム」というのを発見。
さっそく中に入ると、外国人観光客が大喜びしそうな神社関係のグッズやパワーストーンが所せましと並んでいた。
通販もあるようだ。ていうかエスニック雑貨のチャイハネの会社がやっていてびっくり。店舗もあちこちにあるらしい。なんかコンセプト勝ちだわ。
わたしが持っている「日本の神様カード」がおみくじになってた!
日本の神様カードの絵は、スマホケースにもなっててビックリ。天照大神は売り切れ。さすが人気。
あとなぜか神社でもないのに「お守り」も売られていた。中身が和紙だけなのに「お守り」と言っていいのかはちょっとだけ違和感。いちおうお守りって神社ではご祈祷されたものを授与してるし。でも外国の方だとそんなの気にせず袋の可愛さで買うもんねぇ。ていうかラグビー部のマネージャーがフェルトで手作りしたのも綿しか入ってないけど、いちおうお守りだもんねぇ。うん、そのあたりはわかんないけど。
そのほか、お香やアロマオイルなどヒーリンググッズも多数。わたしが好きなヒノキや杉の香りがブレンドされたオイルが売られていて、思わずゲット。寝室で仕事をすると、切り替えが難しくて、香りとかで気分を変えるのがいいかなと思って。
さっそくデスクに置いた。個人的にはめちゃ好きな香り。
あとうっかり、チリーンという心地の良い音に、「おりん」まで買いそうになってしまった。学校のチャイムじゃないけど、鐘の音って気分を変えるのにとても良さそうだなと思って。お値段がけっこうするのでなんとか思いとどまったけど。
そのほか壁に飾れる簡易のお札置きなんかも売ってて、うっかり買いそうになって我慢。でも素敵。
結構ゆっくり見て回り、ちょっと変わったお店を見られて満足。本当に久しぶりに自分のペースで動いてるなーと実感。なんかめちゃ嬉しいよ。
お腹がすいたので何か食べてから参拝しようとぶらぶら。「しらす丼」とかはいまひとつピンとこない。息子は無類の海鮮好きで、口を開けば「はま寿司行こう」と言われて連行されるので、もう酢飯はいいです。そうではなくて家族と一緒のときのような制約なく「ひとりでだからこそ楽しめる何か」を探してぶらぶら神社方面へ。
すると神社手前にありました。これ!ってやつ。
お手頃価格で季節の懐石が食べられるようで、出された看板を見てひとめぼれ。ご飯をつくる身としては、「ちょこちょこ何品も凝ったものが出てくる」ってのがものすごく貴重なんだよねぇ。
さっそく入ったら店内もきれい。店員さんの愛想もよし。通された席も眺め良し。めちゃテンションあがる。
今日は途中駅まで車なのでのんあるビールをいただきながら、お料理をいただく。
めっちゃかわいいーーー!
なんとも品がよく、彩りが美しくて目にも嬉しく、しかも季節ごとにかわる旬のメニュー。お品書きもちゃんとつけてくれている。
もちろんお味も薄味で品がよく、大満足。
息子のお礼参りのはずが、わたしのことりっぷになっているが、わたしだってこの半年めちゃくちゃ頑張ったもんね。こういう機会でもないと。
デザートもいただき、ほっこり。ありがたいことに鶴岡八幡宮はすぐそこ。
大満足でお店を出たらそこには大鳥居。大祓感というよりは、もうすっかり七夕感が満載な鶴岡八幡宮。夏越の大祓で来るのはしばらくぶりで、確か抗がん剤治療中だったきがするので7年ほど前かな。だけど、前ってこんな飾りがあったか記憶がない。色とりどりで華やか!
季節柄、修学旅行生や小学校の遠足の子たちがたくさんいてにぎわっていた。参道にもいくつか出店が並び、小学生の子どもたちが食べ物を買っている。屋台のお兄さんはノリノリで子どもとじゃんけんし、子どもが買ったら2個あげる!なんて盛り上げて集客している。小さいころは田舎のお祭りに出かけていって、屋台であれこれ買い食いしたけれど、いまは新興住宅地に住んでいるのでお祭りらしいものにも行っていない。このにぎやかな出店を見てものすごく懐かしい気持ちになった。
そして修学旅行の学生たちがはしゃいで参道を走り回る。すると引率の先生が「こら、中村!そんなことしたら転ぶぞ!」とか注意してたり、その脇では本殿をバックに子どもたちが集まって写真撮影をしている。
なんかめっちゃ昭和じゃん!とその子たちに自分を重ね、神社が神域と言うよりは昭和の自分の世界みたいになった。タイムスリップだね。
しみじみしながら境内を進む。舞殿も七夕飾りでキレイ!
そして変わらずカッコイイ楼門。ちなみに八幡様のお使いは鳩なので、この八も鳩モチーフ。で、境内も鳩まみれ。そして鳩サブレーが名物。しかしわたしは鳩があんま好きではない。目が怖くない?
しっかりお礼とお願い事をし、お守りと御朱印もいただいて、あとは自分de大祓。
だいたいの神社は、時期になると茅の輪を立てるのだけど、こちらは春休みにもあったので常設っぽい。
茅の輪の写真をとり忘れたのだけれど、この解説詳しいのでこちらをお読みくださいまし。スサノオさん由来の無病息災を願うもの。
茅の輪をくぐったら、人形をおさめる箱がある。
人形についてはこちらを参照。
本来は本人の身体に紙を触れさせて穢れを祓うのだけど、わたしは勝手に家族参拝と名付けて、人形をわたしのスマホの写真につけて、家族分の人形もおさめてきた。これ自己流なのであってるかわからないけど、霊視とかでもよく写真から情報を取るので、これでもある程度は効果があるのではと勝手に思っている。
穢れを移した人形は、ほかの神社だと人形に名前を書いて池に浮かべたりするのだけど、こちらは納め箱があった。数が多いので池に浮かべたら大変なことになるのかも。なんにせよ神道は「穢れを祓う」「禊ぐ(水に流す)」文化なので、水に流すなり、まとめて大祓の日にうまいことやって祓ってくれるはず。
今回、家に返しそびれた古いお札や破魔矢がたまっていたので、それもお返しした。なので何かいただいていこうと思ったが、そういえば年始じゃないと破魔矢って売ってないと言われて気づく。そういえば大祓の儀式に出ると、お札などをいただけるのだけど、鶴岡八幡宮規模の神社なのに事前受付をやっている気配がない。すでに七夕ムードなお守り授与所で尋ねると、社務所で申し込めば事前受付してくれるとのこと。
せっかくなのでお札もいただこうと、家族分の初穂料をおさめてお願いしてきた。大祓のあとにお札を郵送してくれる仕組みだそう。うん、これでばっちり。
鎌倉駅から散策し、境内も含めてけっこうウロウロしたなぁと帰り際。また子どもたちとじゃんけんする屋台のお兄さんの声を聴きながら、大鳥居に向かう。大鳥居のすぐ近くには弁財天さんがいるのでちょっと寄ってみる。
すると橋から見えるハスがなんともぐんぐん育っている!あともう一息で大輪の花を咲かせるだろうに、うーん見たかったなぁ。
そんなこんなで、お礼参り&大祓のための日のはずが、ひさしぶりにわたしの休日を満喫する日になった。それはそれでめちゃくちゃ幸せだ。
家にいることに慣れてしまうと、人と約束がなければわざわざ出かけるのもおっくうになってしまうのだが、家にばかりいるからこそ、ときどき外に出て刺激を受けたほうがいいなぁと思った。ちょこっと洋服見に行くくらいならしていたけど、そういうのと満足度のレベルが別格ですわ。
お土産は、小田原の干物屋さんを見つけたので魚好き一家にアジの干物爆買い(安かった!)と、小町通りで一目ぼれしたハンカチ。
このハンカチ、息子はタコとかイカとかの軟体動物と、賢いカラスが好きなので、息子に持たせたい!と思ったんだよね。作家さんのポエムまでついてて、凝ってるー!!
自分用には色に惹かれて黄色と紫のカエルちゃんをゲット。
そんなこんなで、息子のお礼参り+半年分の穢れを祓う参拝は、アラフィフ主婦のことりっぷになり、すっかりわたしの心が満たされたよき旅となった。
そしてあっという間に2024年も半分過ぎた。いやもう早すぎて記憶がないよ。といいつつ振り返りもしっかりして、穢れも祓ったことだし、よりよき後半に向けて元気に進んでいきたいと思う。
今日もお読みくださりありがとうございました!
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