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薔薇の精に「呼ばれてしまった」話
「絶対やってはいけない」と思うと、
やってしまうのが人の性だ。
今日も
「絶対やらないでおこう」
と思っていたことをやらかした。
でも仕方ない。薔薇の精に呼ばれたのだから。
今年はマンションの修繕年で、ベランダからすべての荷物を出さなくてはいけないことになっている。
すでに鉢を大きくして、棘の多いバラたちを移動するだけでも大変だし、水やりも毎日外の荷物置き場に行って水やりが必要だ。
だから今年は「絶対にバラの鉢を増やすまい」と思っていた。
けれどこの前、横浜イングリッシュガーデンに行き、うっかり白い可憐な薔薇「ボレロ」をお持ち帰りしてしまった。
※イングリッシュガーデンの記事はnote公式に取り上げていただいてます!
家の一番大きなバラは、毎年鉢増しして、10号鉢という、かなり大きなサイズに植え替えたら、見事な薔薇に。
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薔薇は木なので、大きな鉢に植えると、その分株が大きくなる。ゆえに、花数が大きくなる。
損得勘定が激しくて、欲が深い私は、はじめてお迎えしたお気に入りのバラを、大きく育ててしまった。移動どうしよう。
とか思っているものがあるので、逆に、それに比べれば1年目のバラ鉢なんて、移動楽勝じゃん。と思ってしまった。
シーズン外にバラを迎えるときは、花がまったく咲いてない状態で、想像で苗を買うのだが、この時期、バラの蕾がたくさんついた鉢が売られているので、持ち帰ればすぐに咲く。なので、誘惑に負けやすい。
で、負けた。
先日、横浜イングリッシュガーデンで「ボレロ」をお持ち帰りしてしまったのだが
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もうこれ以上は絶対増やすまいと思っていたのに、今日はなんと「バラの精に呼ばれて」やらかしてしまった。
とかいうと、ついに頭がおかしくなったかと思われると思うが、
本当に今日は、
「薔薇の精に呼ばれた」
としか思えないような出会い方だったのだ。
誰に言い訳しているのかもわからないし、なぜ言い訳をしなくてはいけないのかもわからないが、なんか言い訳がましく説明してみる。
先日、イングリッシュガーデンに行ったとき、あまりに可愛くて、気づいたら同じバラを何枚も写真に収めていた。あまりの可愛さに、その根元にある名前の札まで写真にとっておいた。
それがディスタント・ドラムスという薔薇。
ピンクから茶にかけて、アンティークな雰囲気でグラデーションを描いている色味がたまらなくて、「ほへぇ」とフヌケな声を出しながらずっと眺めていた。
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ボレロの苗を買った、イングリッシュガーデン内のショップでも探して見たがなく、これもご縁だろうな、とあきらめた。
そしてあれから1週間ほど経った今日だ。
息子は今日体育祭で、早起きしてお弁当を作った。保護者は観覧不可でネットの配信だったので、わたしは息子と一緒に家を出てフラメンコの自主練をし、レッスンが終わって、クタクタになって駅まで戻ろうとしていた。
以前、はじめてのバラを迎えた花屋さんはその帰り道にあるのだが、今日は荷物が多くてキャリーケースを引いていたし、日差しも強くて、日陰に入ろうと、花屋さんと反対がわの通りに渡って駅までの道を歩いていた。
ちょうど花屋さんの前の向かいを通り過ぎようとしたとき、道の向こう側なのに、なにか薔薇っぽいものがあるような気がした。
その花屋さんは、セレクションがめちゃくちゃ可愛いお店なのだが、間口は一間(180センチ)あるかないかの狭い店だ。
その片隅に、どうも薔薇っぽいものが見える気がする。
うーん、どうしよう、暑いし疲れてるし、わざわざ道を渡って見るか。迷ったけど、ちょうど車も来ていなかったので、観るだけ見ていくか、と道を渡ってその花屋さんの前に立った。
その鉢はやっぱり薔薇で、まさかの「ディスタント・ドラムス」だった。しかも蕾がめちゃくちゃついている。そしてひとつだけポツンと置かれている。値段もついていない。
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今年はもうバラを買わないと思っていたのに、値段を聞かずにはいられない。とりあえずお店の人に声をかけて値段を聞いてみる。
ぶっちゃけ、安かった。イングリッシュガーデンや、楽天の苗より断然安い。そしてものすごく活き活きして元気な苗。
店長さんに聞くと、店長さんは花全般には詳しいが、バラ自体にめちゃくちゃ詳しいわけではないらしく、「とにかく可愛くて、いきいきしていたので仕入れてきました」とのこと。
品種の名前とかそのあたりは、さほど詳しくないみたいだ。しかも今日買いたいバラは、これしかなくて、ひとつだけ仕入れて、さっき店頭に出したところだと。
それがまさかの、わたしが気に入った「ディスタント・ドラムス」だったのだ。
きっと店長さんと「可愛い」の基準が合うのだろう。はじめて薔薇をお迎えして、いまではめちゃくちゃ大株になっている「エンチャッテッド・イブニング」も、わたしの好みのど真ん中の色味で咲いているのを、この店で通りすがりに見つけたものだ。
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当時も店長さんにバラについてあれこれ聞いたのだが、バラマニアという感じではなく、品種名などにこだわらず、「可愛かったから」で仕入れていたようだった。
でもそのバラがデビューのきっかけとなり、そして育ててみたら、強くて挿し木もできるほどしっかりして、株もグイグイ大きくなって、うちのベランダをにぎやかに飾ってくれている。店長さんのカンとセンスが詰まった小さなお店なので、ほかに置かれている植物もめちゃくちゃ可愛い。
そんな感じで、見つけてしまった「ディスタント・ドラムス」レアな一点。「絶対買わない」がぐらぐらゆらぐ。
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店長さんにも、マンション修繕で・・・と言いつつ、なぜか買える理由を探している自分がいる。
店長さんはにっこり「植物は、出会いですから」という。
ほんと、今日は疲れ切った身体で、日陰を歩きたくて、わざわざいつも通る側でない道を通っていたのに、その道を挟んだ向かい側から、このバラがあることが分かってしまった。
この子がわたしを呼んでいたとしか思えない。やっぱヤバイ??
あれこれ悩んだ挙句、お持ち帰りすることになる。修繕もなんとか乗り越えられるように頑張るしかない。
と言うことで、お迎え決定。
片手にキャリーケース、片手にバラを抱えて、電車に乗って帰宅した。
持ち帰ってじっくり咲きかけの花を眺める。可愛すぎでしょ。
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このニュアンスカラーがたまらない。アンティークっぽい色合いに弱いのだ。
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別にスピリチュアルに寄ってるわけではないが、こういう「呼ばれたとしか思えない」みたいなことが、たまに起こる。
薔薇だけでなく、人とか、人生のタイミングとかも、すべて出会いなんだろうな、と思う。
あの日あのときあの場所で君に会えなかったら・・・って小田和正じゃないけど、(古い)本当にひとつひとつのタイミングが、いまの自分を作っているのだなぁと思う。
そしてバラの精がわたしに呼び掛けてくれたおかげで、わたしは「ディスタント・ドラムス」を育てる生活を始めることになった。むふふ、幸せ。
ちなみにこの前迎えたボレロは、蕾だらけだったのに、バンバン咲いて目を楽しませてくれている。
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去年、名前買いしてしまった「クロード・モネ」(印象派画家の名前)も、期待通りにキレイな絞りで咲いている。
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どんなことも出会いと、自分の選択の結果だなぁと思う。特に、好きな薔薇との出会いは喜びでしかない。
あのとき、花屋さんでドストライクな薔薇に出会ったのがきっかけで、いつの間にか家のベランダがバラまみれになった。それも縁だ。
バラの鉢に生えた雑草のことを書いたら、やけにバズった。それも縁。
好きだなぁ、とかやってみたいなぁ、ということを始めるときは、「できるかなぁ」という不安もついてくる。けれど、本当に興味があることなら「なんとかやってみよう」と頑張れるものだし、もし頑張れなくてもそれはそれ。
飽きっぽい自分は、始めることも多いが、続かないことも多い。薔薇は育てがいがあるし、手をかけた分見事な姿に成長してくれるので、自分でも意外と続いているなぁと思う。
それも出会いを活かした結果だ。こういうひとつひとつの出会いを大事に、そして出会ったものや人も大事にしていこう、と思う今日このごろだ。
今日もお読みくださりありがとうございました!
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