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苦手な食べ物を、克服してまで食べる必要はあるのか?という疑問。


NHKの朝の番組で、苦手な野菜「セロリ」を克服できるか?という特集をやっていた。


その、クセが強くて苦手な人が多い「セロリ」を克服しようという主旨の番組、つまり「苦手を克服してまで食べようとしている」こと自体に驚愕したので、そのことについて書いてみようと思う。

1.そもそも「苦手を克服する」という概念に疑問。


わたしもセロリは苦手。独特の香りがダメ。

けれど、苦手だったらそれでいいじゃない、という感じだ。わざわざ苦手を克服してまで食べる意味を感じない。

じゃがいもやにんじんのように、ないと夜のおかずに困る頻出野菜でもなければ、セロリでしか取れない栄養があるわけでもない。

セロリ農家さんには申し訳ないが、それくらい「マニアック」な野菜かなと思う。

そもそも、世の中にあるあらゆる食材で「絶対にこれを食べなくてはならない」というものは存在しないと思っているし、

たとえ偏食であっても、人間の身体は、体内に取り込まれた食物の中から、できるだけ必要な栄養分を吸い取ろうと頑張っていると考えている。

たとえばセロリが繊維質が豊富といっても、繊維質だけで構成されているわけではなく、ビタミンだったり、あと何かわかんないけど、ちょっとずついろいろ栄養が含まれている。

それは他の食物でも同様で、肉=たんぱく質100%かといえばそうでもないし、果物=ビタミンC100%かというと、そうでもない。それぞれメインの栄養素はあれど、他の栄養素も含んでいる。だから身体に入ってきたものから、身体が必要な栄養を選んで吸収していくのだろうと思っている。

科学の知識はないけれど、自然てけっこううまくできているので、たぶん人間の身体も上手に作ってあるだろう。という自然界への信頼だ。雑ですいません。

だから、苦手な野菜を克服しようという目標自体が、的はずれに思えてしまう。

2.苦手を克服して、普通になろう。という考えに疑問。


とりあえず、子育てをしていても常に窮屈なのが「普通になりましょう」「人並みになりましょう」の呪縛だ。

ほぼ日本人の「呪い」といってもいい。

わたし自身もうっかりすると、その「とりあえず平均を目指す」呪いに囚われてしまうときがあるくらい強力だ。

だが、好き嫌いの何が悪いのだろう??

好き嫌いというのは感情であり、個性だ。
みんな仲良くしましょう。は無理ゲーだけど、理想の目標として学校に掲げられる。

それで得られるものは何だろう?

それと同じで、食べ物の好き嫌いをなくしましょう。を達成して得られるものって何なのだろう??と疑問に思う。

結局「みんなと同じである安心感」しか得られないのではないかと思う。

バランスの良い食事が、健康を維持するのに必要だというのはわかる。だが、自分が食べられる野菜の中で、バランスを取ればよいだけではないだろうか??

わたしは「好き嫌い」こそが個性であり、それを潰して「普通」になることが一番危険だと思う。だって、好きなことがわからないって、つまらなくない??

嫌いなものを我慢して克服して、いくら栄養のバランスが取れた食事をしたとしても、心は健康にならないと思うのだが、どうだろう。

3.食材の良さを殺してまで、その食べ物を食べる必要があるのか?


給食なんかで「嫌いなものを食べるまで帰れない」みたいなのがあったりするが、

そこまでされたら、食事自体が嫌いになってしまう。

食べるということは、楽しみのひとつだ。それを苦痛に変えて何になるのだろう。

たとえばセロリ。
セロリの味をまろやかにするレシピ。なんてのがあるが、

せっかく、独特の香りがあるセロリなのに、本来の香りを殺してまでセロリを食べさせる必要があるのだろうか?

そんなことをしたら、セロリ好きには物足りないし、セロリ嫌いには嫌だしで、お互い嫌なのじゃないかなと思う。

なによりセロリに申し訳ないと思う。

小さい子の野菜嫌いあるあるで、「分からないように小さく刻んで食べさせる」という手法があるが、そこまでして食べさせなくてはならない野菜って、あるのだろうか??

ピーマンと人参はダメだけど、玉ねぎとジャガイモは大丈夫。だったら、玉ねぎとジャガイモを食べさせておけば大丈夫じゃないか?と思ってしまうけど、ダメなのかな?

息子は偏食ではあるが、嫌いなものを強制したことはない。強制すればするほど食べたくなくなるし、大人になればなんとなく大丈夫になる気がするから。という、また科学的根拠がゼロみたいな話で申し訳ない。

わたし自身、小さいころはなすとピーマンが大嫌いだったし、シソもネギも大嫌いだったのだが、大人になったらすべて大好物になった。そんなもんだ。

でも、無理やり食べさせられていたら、今も嫌いだったかもしれない。そんなもんだ。

だから自分の好みを第一にして、その中でバランスが取れる食事をしていけばいいんじゃないかな、と思う。

なにより、素材の特徴を活かす食べ方が、一番その食材に敬意を払った食べ方なのではないかなと思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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