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掃除機の使命「吸引」に一点集中。引き算のシンプルさ「ダイソン」の魅力。


以前にも書いた通り、私は掃除が嫌いだ。



だが、汚いのが好きなのではなく、
もちろん綺麗な方が良いに決まっている。

ただ汚れてもいないのに、掃除をすると言う行為が無駄に思えてしかたがないので、ついつい汚れて我慢ならないまで放置してしまうし、

すごく汚いものが、すごくきれいになると、とっても気持ちいいと感じるので、愛機ダイソンで掃除機をかける時はこの世のすべての穢れを吸ってくれるような気になって、とても気持ち良い。

我が家は15年ほど前にダイソンデビューしてからというもの、その徹底した吸引力にほれ込み、他の掃除機に手を熱を出す気になれず、ダイソン一択、3代目だ。

ダイソンを愛する理由は、とにかく、掃除機の使命「吸う」ことに一点集中していることだ。

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CMに偽りなし、吸引力がとにかくすごいのと、その吸引したゴミを「こんだけ取れたで!」とばかりに丸見えにして、やった感、吸った感を味わわせてくれる透明のビン(ごみが溜まる場所)。これがたまらない。

操作もシンプルで、言葉は不要の「オン・オフ」と、吸引の強さを変えるだけ。説明書はほぼいらない。

とにかくシンプルで、「吸う」を全うしている姿勢がたまらない。

日本の掃除機は「やさしすぎて」物足りない

一方、日本製のものは、日本人の気質のせいか、すべて「優しく」できている傾向にあり、吸引も優しすぎて物足りないし、「ダニセンサー」だの「ホコリとれたセンサー」だの「そろそろフィルター交換サイン」だの、余計なお世話な機能がついているものが多い。

わたしはこういう「センサー系」のものは信用していないし、点灯だとダニがいて、点滅したらフィルター交換で、など、その「サインの意味」を覚えるのさえ面倒だし、なんか長く使うとずっとピカピカしてるし、ダニなんか吸えば取れるんだからセンサーいらなくね?と思うのである。

センサーはいらないから、吸ったら取れる掃除機を作ってくれればいい。
ダイソンにはその「吸ったるで」感が半端ないので信用してしまう。

驚いたのは、最近は軽さに特化した商品がどこのメーカーからも出ているが、軽さだけでは足りないとばかりに、自動走行機能がついている掃除機が出ていることだ。

店頭で試させてもらったが、自分のスピードを無視して勝手に掃除機が前に行ってしまう。そしてだいたいの場合、掃除機は前に進むだけでなく前後にかけながら進むものだと思うのだが、前に進んでくれちゃうと、後ろに下がるときには倍の力がいるわけで、これを製品化する前にちゃんとテストしたのかなと不思議に思ってしまう商品だ。

これも余計なお世話だな、と思ってしまう機能である。

フローリングが主流で、カーペット対応のモデルがない



今は、ダイソンの上位機種のコードレスを使っているが、買い替えの際に、ダイソン以外の機種もヨドバシで試したのだが、残念ながらダイソンにかなうものはなかった。

特に日本メーカーは、今の住宅事情がフローリングがメインであることが原因なのか、カーペット敷きの我が家に適合できるようなヘッドのものがなかった。


フローリングであれば髪の毛や小さなゴミもかきだす必要がないのだが、カーペットだと固いブラシで掻き出す必要がある。

ダイソンの日本マーケティングも同様だが、やはりフローリングの家庭が多く、最上位機種にしかカーペットのゴミをかきだす固いブラシが付いておらず、買うとしたらそれ1択だったのだ。

ダイソンの販売員によると、固いブラシでごみを掻き出すにはハイパワーのモデルが必要らしく、最上位機種にしかこのヘッドがついていないのは、そういう理由もあるらしい。

絨毯に細かい小麦粉を巻いて吸って試してみたが、他の機種では吸っても吸っても白い粉が取れなかったのに対し、ダイソンではあっという間に吸い込んだ。

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フローリングがトレンドなようだが、わたしは室内は裸足で過ごしたいのと、フローリングの固くて冷たい感じ、そしてホコリが舞うのが嫌でカーペット敷き込みにしている。

リフォームした時にも迷わずカーペット一択だったが、だが世の中の流れ的に、床材にカーペットを選ぶ人が少ないらしく、色の選択肢が2つぐらいしかなかった。こげ茶かベージュかどちらかだ。汚れが目立たないこげ茶にしたが、快適そのものだ。

とはいえ、掃除機を選ぶにしても、カーペット対応のものがなくて非常に困る。みんな、カーペットいいよ。

世の中の流行に合わせて生活するのではなく、自分の快適さに合わせて選べば良いと思うのだが、なかなかそういうわけにもいかないものだなと思う。

日本人は「お手入れ」のことばかり話す

結局購入したダイソン、今回はコードレスにした。
掃除が嫌いなので「掃除機を出す」時点ですでにハードルが高いのだが、そのハードルを超えてきた。

「部屋に置いとけばカッコイイし、すぐ掃除できるよ」なデザイン。

おそらく日本人より外国の人の方が掃除が嫌いなのだろう。

日本製の家電は、その家電の本来の目的よりも、その家電の「お手入れがラク」みたいなアプローチが多くて嫌になる。

ただでさえ掃除が嫌いなわたしが、楽をするために家電を選ぼうとしているのに、買う前からお手入れの話、つまり掃除機の掃除の話なんかされたくない。

逆に「お手入れ不要」のものが欲しいのだ。

リフォームでキッチンやお風呂のショールームを回ったときも、ふたことめには「お手入れがラク」という話をされる。奥さまは掃除が好き、という大前提で話が進むのがめちゃくちゃ鬱陶しかった。お手入れがラクより、お手入れ不要なものを開発してほしい。

ダイソンはそのあたり、めっちゃよくわかってくれている。

吸ったら吸った分のゴミが「どや!!!」とばかりにバッチリ見えて、すごくキレイになった気がする。そのゴミを捨てるときには、赤の持ち手を下に「ズザっ」と降ろせばバサッとゴミが落ちる。埃が舞うが「気になる方は外でどうぞ」みたいな放置プレイが潔い。簡単さに命を懸けている。

パーツが少なくて、手入れとかなんとかの説明も特になく、まあ、プラスチックのゴミ入れのホコリが気になるなら、水でジャっと洗ってください的な雑さがたまらない。

お手入れとか言われるとむかつくが、この雑さならやってあげてもいいか、とばかりに、このズボラなわたしでもときどきクリアビン(ごみ入れ)を洗う。洗うとわかりやすくキレイになるので嬉しい。やった感があるのだ。

いまは汚め。

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日本製の家電は、全般的にやさしすぎる


私が性格的にその機械はその機械の性能を全うする方が良いと思っているせいもあるが、買い換えるとエアコンでも冷蔵庫でも、余計な機能が付いている割に、その機械の使命を果たしていないような商品に出くわすことが多く、がっかりすることがある。

いまはエコが当たり前の時代だが、CO2排出を配慮し、エコを意識した電力をあまり使わないタイプのものに切り替えると、大抵その分、パワーが落ちる。

省電力で同等のパワーが出るものかと思っていたが、単純に電力を抑えるとパワーが減るのだな、という印象だ。

節水商品もやはり、節水なのだから水の量が減り、水圧が物足りなかったりする。

これは研究して計ったわけでもないのでわからないのだが、明らかに昔のものとは違い、パワーが優しくなっている。

例えば冷蔵庫は、昔の冷蔵庫がキンキンに冷えて、うっかり奥のほうに飲み物を置くとカチカチに凍ってしまうし、キンキンに冷えすぎた麦茶を思い切り飲んでしまってキーンと頭痛がしたものだが、今のエコ冷蔵庫は手前のボトルホルダーにビールを入れた日には、ぬるくて飲めたものではない位冷えが甘い。

エアコンも、なんだかいろんな機能が付いているが、結局27度設定したら27度のままになってしまうので、結局暑くて23度設定とかにしてしまう。昔のガンガンに冷えるエアコンなら、28度設定でも寒かった。なんだかなぁという感じである。

エアコンに関しても、上位機種ほど妙なセンサーが付いていて、人が見えないときは切れるだの、人を見つけて風を出すだの、色々と機能を作ってくれているが、所詮は機械がやることだ。

その人が外出から帰った瞬間と、じっとしているとき、欲しい温度は違うし、暑がりの人、寒がりの人、その人によって快適温度があるのに、そんなのがわかるわけがない。

我が家は私は超絶暑がりで、旦那は寒がりだ。そこまで登録して個別に認識し、わたしにばかり風を直撃してくれたり、温度調節をしてくれるならありがたいが、そこまではできないのだったらあまり意味がないと思う。

エアコンの位置というのはほとんどの場合、部屋の中で端にあるので、リビングの中で冷えムラが出る。うちは旦那の定位置がテレビの前で、そしてテレビの上にエアコンがある。エアコンは設置の場所がほぼ限られてしまうため、旦那は冷房が苦手なのにエアコンの直撃を受けているし、私の場所はダイニングテーブルなのだが、そちら側には風を振ってくれないので、全然風が来なくて私は暑い暑いと言っている。なので、人感センサーなどつけなくてもいいから、部屋中に空気をまわすプロペラでも仕込んでくれたほうが何倍も良いのではないだろうか。

とにかくエアコンの使命を全うし、よりエアコンらしい仕事をして欲しいのだ。



炊飯器も、上位機種から下位機種まで色々とあるが、厚い釜でふっくら焼けるなど、炊飯機能をあげることはすばらしいと思うが、いつも思うのが炊き込みご飯だのお粥だの、果てはパンだのケーキだの、いろんなものが創れるコースがあるのだが、私はこの機能を使ったことがない。

炊き込みご飯も普通に炊飯にするし、お粥はそもそも炊飯器で炊かない。

この機能をつけるのに何の需要があるのだろうかといつも不思議になる。

常に新しいものを出さないといけない強迫観念


日本人は働きすぎであるとよく言われるが、その理由の1つとして、「常に新しいものを作らなくてはいけない」と言う強迫観念のようなものに追われているからだと言う意見がある。

これは「クールジャパン」と言う外国から見た日本についてのトーク番組で言われていたことなのだが、

確かに毎年毎年新しい商品が出るが、例えばエアコンや掃除機、炊飯器、洗濯機等は冷やす、吸う、炊く、洗う、などその機能に特化しているもので、本来は余計な機能はたいして必要ないはずだ。その本来の機能がアップするなら話は別だが、余計なセンサーが付いて余計な優しさがついて新商品として出している。

要はネタ切れだからつける機能がなくて、つけているというのがしぶしぶ新しい余計な機能をつけているというのが本音なのではないだろうか。

対して、海外の製品と言うのはあまりそういう戦略をとっていないようだ。掃除機ならとにかく「吸う」。またはリビングにおいてオシャレ、要は「ラクできまっせ」なアプローチだ。外国の製品もピンキリではあるだろうが、ダイソンのように日本で魅力的に映る製品は、日本製には足りない、「その機能に特化し、それ以外は限りなくシンプルにそぎ落とす」ことができているのだろうと思う。

残念なことに、日本製品が世界を席巻していた時代と違って、最近は家電も外国製品に押されている。我が家も掃除機はすっかりダイソン教にどっぷりだ。

日本人の優しさが詰め込まれた発明品



やさしさが「悪い」というわけではない。
日本人のやさしさを詰め込んだ素晴らしい発明家電がある。

それは「ウォシュレット」。

「お尻を洗う」という余計なお世話の極みだったウォシュレット。さらに自動で蓋が開き、用を足している最中には音消しの音楽が流れ、立ち上がると自動で洗浄される。下手すりゃしゃべる。

しかしこれは外国からも絶賛されている商品で、私もすっかりウォシュレットがないとトイレに入りたくない派だ。こういうところでは日本人の優しさが爆裂に発揮される。日本人の優しさは、こういう方向にもっと生かせばいいと思う。

だが優しさが必要ない部分に関しては、もっとシンプル引き算で作業として行っても良いのではないかと思う。

あれこれのアイディアをいろいろと詰め込む日本製品はとても夢があり、日本人の優しさを表していると思うが、やはり生活家電はできればシンプルに扱いやすく丈夫に、簡単で、その使命を全うする方が良いと思う今日この頃だ。


今日もお読みくださりありがとうございました!

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