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140字小説集

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140字小説を新旧問わず置いておきます
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#小説

娘へ 140字小説

夢を追う娘にどんな言葉を掛けよう。

叶えるにはいくつか困難がある。

時間もお金もかかる、女性は結婚し子供を産む、その壁が一番高いだろう。

わたしも同じ女としてその壁を乗り越えられなかった。

明日娘を送り出す日。

潔癖な私だが娘とお風呂に入る。
あなたが赤ん坊の頃以来ね、とても切なくなった。‬

流行りの香水 140字小説

流行りの香水 140字小説

押収した楽園というドラッグ。見た目は香水。

ラブホにて遺体で見つかった女子高生の親。
「娘はそんなの使わない!」
いつまでも純粋であるわけがない、そんな迷信めいたこと信じるのか。

現場検証後、家に帰ると妻が他の男と抱き合ってた。足元には見たことのある香水ボトル。

神様なんてどこにもいない。

悪いこと、それはわかっている③ 140字小説

悪いこと、それはわかっている③ 140字小説

「会えるの楽しみね」
とメール。メールの送り主は部下の由美から。僕の本心はもう別れたい。

しつこい、僕が既婚者だというのに。ほんの火遊びのつもりだった。

「ああ、僕も君と会えること心待ちしている」

妻が屈託のない笑顔で返信する。

由美、待ち合わせ場所に来るな、妻にお前とのことはバレている。

悪いこと、それはわかってる① 140字小説

悪いこと、それはわかってる① 140字小説

清廉とした身のこなし、社内で一番人気者の彼が海外転勤わする。
海外出張も多かった彼だからもう慣れっこだろう。私は花束を渡した。

「頑張ってください」
「ありがとう」

クールに微笑む彼の秘密を私だけが知っている。
飛行機が苦手な彼は飛行機に乗るたびに遺書を書き胸ポケットに入れていることを。‬

選挙

選挙

何十年前に、とあるアイドルが大人数で踊って歌って「選挙行って外食するんだ」と。

外食も好きなように楽しんでできる生活を送れるようになれるのか、この一票は。

とか思いながらも先に外食を済ませて買い物をしてある程度経済回してから選挙に行った。

人それぞれ。

みんな今後も幸せでありますように。

アームカバー

アームカバー

六月というのに肌に照りつく日差し。

そろそろあいつの出番か、アームカバー。

こないだネットで見たなんらかの鉱石が練り込まれていて日除け以外にも腕、二の腕が引き締まるというものがあった。

値段は……そんなの百均でいい。

どこかしらに失くすただの布にそんなお金をかけてられないが何枚無くした?

みたされない 140字小説

みたされない 140字小説

ごゆっくりどうぞ、1人で食べる量ではない。

わかってるのに。とにかくいつもとは違うところで食べたかった。

許して胃袋。

この後絶対胃もたれ。

今も少し胃が受け付けていない。でも気持ちはハッピー。なんでハッピーかわからない。
この後絶対散財するだろうな。

なんで買い物したいかわからないけどさ。