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5年間のことと、これからのこと

終わった仕事のことを振り返ってみたい。どんなふうに書けばいいのかわからないのだけど、いま書けることを書いておきたいと思う。わたしにとって大切なことだ。

……と書き出してから、言葉は数珠繋ぎのように連なって、単なる覚書のような、自己満足のメモのようになってしまいました。だからここではごく簡単に、大切なことだけを手紙のように書くに留めておこうと思います。

5月末、約5年続けた仕事を辞めました。読書管理のためのサービスを運営する会社での仕事です。ブクログ、と言うと、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。わたしはそこでおもにSNSの運用をしていました。

365日新刊と既刊をチェックし、日に何冊もTwitterで紹介するという業務です。約5年間地道に積み重ねていくあいだにフォロワーの方も15,000人くらい増えました。本を好きなひとたちが、こんなにも新しい本との出会いを求めているんだと、日々のツイートの合間にしみじみ感じたことを思い出します。本を紹介して喜んでくださる方たちの存在がとても心強かったです。

そういう仕事をするなかで、たくさんのイラストレーターの仕事や、著者や翻訳者の言葉、出版社や編集の仕事、書店の仕事に数多く触れることができました。それまでごく個人的なものだった本という存在の輪郭が彩りを増し、はっきりと目に見えるようになりました。と同時に、本というものへの愛着もそれまで以上にわいてきたように思います。

数の論理や、有名無名の枠から離れた場所にある、宝物のような本ともたくさん出会うことができました。いま、この文章を読んでくださっているあなたの本に触れ、Twitterでこっそり紹介したこともあるかもしれません。この本を作ってくれてありがとう、と思う瞬間がたくさんありました。この場を借りて御礼申し上げます。

イラストの仕事とSNSの仕事を両立するのがむずかしくなり、会社からは離れることになりましたが、本が好きということと、これからも本に関わる仕事をしていきたいという気持ちが、いまはっきりと心のなかにあります。

ブクログとも、ブクログのお隣さんの青山ブックセンターとも、たくさんの稀有な時間を過ごせて本当によかったです。新しいひとや場所との出会いのなかで、それまでは知らなかった世界を新しく見る目が開かれたように思います。

これから先、フリーランスとして生きていけるかどうか考えたとき、不安が消えることはありません。すばらしい作品が雨後の筍のようににょきにょきと力強く生まれていくさまを見ていると、清々しく感じる一方で、不安はいっそうつよくなります。

わたしはたくさんのご縁に生かされていると知っているのに、本当に、ときどきどうしようもなく不安がつのってしまう性格なのです。けれど、いままでご縁をいただいたみなさんと、これから新しくつながることのできる方々とゆるやかにつながり、ときには頼りながら進んでいけばいいのだといまは思います。

今年もまた、新しく、楽しい絵の仕事のリリースもいくつか控えています。これからも変わらず、絵や、言葉や、本にかかわって生きていきたいです。そんないまの決意のような気持ちをここに置いておきたいと思います。

とりとめのない手紙になってしまいました。これからもどうぞよろしくお願いいたします!

ブクログ
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この記事を書いていて気がついた、吉田写真館の吉田さんの記事。こういううれしい循環に助けられています。


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