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珍事件on the road②初海外1人旅は運び屋に間違われる

箱入り娘のYUKAです。

これまでの旅行で忘れることのできない珍事件のストーリーをお届け。
今回は初海外1人旅編。

初海外1人旅!

初めての海外1人旅の行き先はアメリカはカリフォルニア、ロサンゼルス。
親友2人と行って以来の海外旅行、そして1人旅。
ものすごい不安はあったものの、好きなバンドのライブも観に行けるし、なんと言ってもあの西海岸のカラッとした天気のもとで過ごすのが最高に楽しみだった。

この時に利用した航空会社は、シンガポール航空。サービスが高評価だと聞いていたので、こちらに乗るのも楽しみにしていた。アメニティもいただき、機内食も美味しく、人気のカクテル「シンガポールスリング」も頼んじゃったりして、最高に順調な旅の出だし。

入国審査後

無事にロサンゼルス空港に到着。10月中旬だったのでバカンスシーズンでもなく、空港内はかなり空いていた。
緊張の入国審査は、スムーズに進んだ。パスポートと帰りの航空券を審査官に見せ、指紋を取って、顔写真を撮影したら、ゲートを通り入国。
税関では申請するものがないので、あとは中央駅まで行くシャトルバス乗り場を目指すだけ。
出口に向かおうとした時、おじさんスタッフに声をかけられた。

荷物を見せろ!

入国審査を終えた20人ほどの日本人乗客が出口に向かう中、
 
「こっちに来なさい。」
 
私だけがおじさんスタッフに声をかけられ、出口とは反対の方へと呼ばれた。
そこには大きなテーブルがあって、

「ここで荷物を開けて中身を見せなさい。」

そう私に指示するおじさん。
突然のことで困惑している私をよそに、私のバックパックをテーブルにあげるおじさん。
ランダムに乗客に声をかけて、簡単な荷物チェックしてるのかなと思いながらバックパックの鍵を開け、隠すものもないので堂々と中身を見せた。
 
「荷物全部出しなさい。」
 
え?何にも怪しいものは持ってないけど?あんなに一生懸命パッキングした荷物を全部出せと?
少し不快には思ったものの、断る理由はないし、逆に断ったら怪しまれるだろうし、渋々少しずつ荷物を出す私。その間は質問攻めのおじさん。
 
「どこに住んでるの?職業は?職場の住所は?東京のどこなのか詳しく!」
 
どう見てもこんな一般観光客をここまで質問攻めにして、荷物全部出させるなんて、いくらなんでもやりすぎでしょ…。
挙句の果てに、メイクポーチの中身まで全部出させられる始末…もう嫌がらせレベル。
 
「もう荷物しまって行っていいよ。」
 
おじさんスタッフはそう告げて立ち去った。何なんだよ、もう…!
また初めからパッキングし直すこと…結局、ここで40分ほど時間を取られ、乗車予定だったシャトルバスを逃してしまった。

荷物が少なすぎる?

納得いかない足止めをくらった私は、怒り気味に出口に向かっていた。
税関エリアでは、スタッフ2人が通り過ぎる乗客たちに目もくれず談笑している。アメリカンな仕事ぶりだなと、私も彼らの横を通り過ぎようとした時だった。
 
「ちょっと!あなた!」
 
女性スタッフが私のことを止めた。なになに?また私だけ足止め??今度は何なのよ!?
 
「荷物、これだけですか?」
 
は?そうですけど?何か?荷物少ないとダメなことってある??
 
「税関で申告するものはありますか?」

もう1人の男性スタッフがそう聞いてきたので、申告するものは何もないと伝えると、なんだか2人とも不思議そうな顔で、私を出口へ向かわせてくれた。
 

運び屋と勘違いされた?

帰国してからは、この税関事件は思い出話になっていたけど、ある時、何故私だけが足止めをくらったのか納得するようなニュースをテレビで見ることに。
ニュースは、気付かないうちに犯罪に加担してしまっている旅行者が急増しているという内容。
巨額の報酬と引き換えに、中身を知らされていないバックパックを国外の目的地まで届けるという仕事があり、その荷物の中身は麻薬などで、結果的に「運び屋」として実際に逮捕されてしまうケースもあるというものだった。
 
もしかしたらあの時、スーツケースではなく、バックパックを持っていた私は、明らかに荷物が少なすぎて、運び屋と間違われて、荷物検査されたのではないかと、このニュースを見て思った。
だから税関でも足止めされたんだと。観光地にスーツケースじゃなく、バックパック1つで来る観光客ってそういなかったのかな、当時は…。
でも1週間だけの滞在だったから、そんなに荷物多くなかったんだよなあ。
 
今でも旅行に行く時はバックパック派です。

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