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電車で遭遇した若い女の子と、アラサーの妄想劇場


「え??なんなの?!」


10代か20代前半くらいの綺麗に着飾った女の子が
電話をしながら電車に乗り込んできた

さっきまで静かだった車内が一瞬で凍りつき

女の子は私の隣の席に
大きなため息を吐きながらドカッと腰掛けた


「私悪くないよね?もう電話して来ないで!!」


足を組みイライラを抑えつつも
込み上げてくる感情を
そのまま電話の相手にぶつける女の子


(いや、ここ電車よ?穏やかじゃないな・・・)


席を立とうと思ったけれど
私はあと3駅で降りるし
ここで席を立ってしまうのもなんか違う気がして
話を聞いていないフリをしてその場を凌いだ


・・・というふうに見せかけて


実は正直な話をすると
泥沼激情型な恋愛ドラマを
こんな間近で聞けることもないので

女の子には大変申し訳ないけど
70%くらい興味本位で耳をダンボにして
話を聞いていた


それにしても今の時間はまだ13:00


こんな真っ昼間に何があったんだろうか?
デートの途中でなんかあった?


私の頭の中で推理が始まった


女の子の服装は男性が好みそうな
身体のラインがしっかり出るお洋服に
高めのヒールに小さなブランドバッグ


うん・・・
たぶんデートの途中に何かあったと見た


さてここからは
わたしの偏見妄想劇場の開幕だ


「私悪くないよね?」ってことは
おそらく口喧嘩でもしたんだろう

今の時間を鑑みてランチの途中で起きたのか
それとも食べ終わった後か

たぶんお店からの帰り道ではなく
電車に乗り込んだタイミングで
電話が来たということは

ランチの途中で彼女が腹を立て
お店を飛び出してしまい

残された彼が焦ってお会計を済ませ
それから電話して来た可能性が高いな


ほうほう・・・


さぁ電話はどうなる??


「だからさ・・・
そうじゃなくてそっちが振ってきたんじゃん
なんで電話してくんの?」


なんとーーーー!!


『あちゃ〜別れ話でしたか・・・』

『これは熱い展開になってまいりました』

『えぇそうですね、続きを聞いてみましょう』


脳内で恋愛リアリティー番組の実況が始まった


「もういい・・・切るよっ・・・」


うわぁーーー!!


終わった・・・終わってしまったのか・・・


というか彼氏さんよ

別れ話切り出しといてすぐに電話すなよ〜
心の整理というものが女子には必要なのよ?


あんたアレかい?

この子と円満に別れたほうが
もしも寄りを戻すことになった時に
なるべく気まずくならないから
穏便に済ませたいってか?


けしからんやつめー!!


・・・ゴホンッ



女の子は電話を切ったあと
そのまま友人に電話をかけたようだ


「もしもし?ライン見た?ねぇ酷くない?
私悪くないよね?どう思う?」


おぉ・・・質問責めすごいな・・・

よく舌を噛まずに言えるもんだ

そして女の子の貧乏ゆすりは一向に治らない


「もうまじ無理すぎてヤバいんだけど・・・」


若さの象徴を表すような言葉の羅列


「ダメだ・・・ご飯行こ!話聞いて!」


そうだね・・・
おばちゃんもそれがいいと思うわよ(心の声)


さっきまで苛立ちマックスだった女の子が
ちょっと落ち着きを取り戻し

私の一つ前の駅で女の子が降りて
脳内劇場は幕を閉じた



たったの数分間だったけれど
若いって凄いなとヒシヒシ感じる

そもそも私はあの子のように

場所を選ばずあんなに取り乱して
全力で感情を吐き出したことがないので

電車の中なのに迷惑だとか腹立たしいとか以前に
興味津々で話に耳を傾けてしまった


あの子はきっと全力で生きてるんだな・・・


私にもあんな青春時代があったら
可もなく不可もない平坦な日々の中に
ハイライトがたくさん生まれていたんだろう


女の子よ・・・

おばちゃんはそのままで良いと思うわよ?


わがまま言っていいのは若い時だけだから

慎ましさとか謙遜さとか
そういうのはもっと先でも良いのよ

たくさん泣いたり怒ったりして
傷ついた経験があるからこそ
女性は輝けるようになるはずだから



いや〜人間って本当に面白いな・・・


え?私ダレ?





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花崎由佳(はなさきゆか)

『ココロに灯りを、人生に彩りを』をモットーに
私が撮影した写真と、エッセイやコラム、
ラジオ配信をお届けしていますஐ.*+


普段はこんなお話を書いてます↓




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