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アースデイに考えるエシカルファッション

先日の4月22日はアースデイでしたね。
この日をきっかけに環境問題について考えてみたり、何かしらの行動を起こしたりした人も多いのではないでしょうか。

私もその1人です。

ちなみに、アースデイ(Earth Day)とは、地球や環境のことを考え、美しい自然環境に感謝する1日とされています。
50年近い歴史を持つアースデイは、今日では多くの企業がさまざまな環境活動やプロジェクト協賛活動を行うまでになりました。
私が勤める会社もそのうちの1つです。
具体的な行動の例としては、ごみ拾いやフリーマーケット、シンポジウムの開催などが挙げられます。

私は「アースデイ東京2021」のオンライン イベントに参加する形で、地球環境のことや持続可能な社会について考えましたので、その具体的な内容をご紹介します。

皆さんも一緒に考え、取り組んでみませんか?

1.私が参加したオンライン イベントについて
アースデイドキュメンタリー劇場 映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』

私は4月24日(土)の夜に開催されたオンラインイベントに参加しました。
タイトル:アースデイドキュメンタリー劇場
映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』

この映画をZOOMの画面共有機能を使って、参加者みんなで視聴するというものでした。

この映画を見るだけなら、DVDを自分でレンタルしても良かったのですが、イベント参加費(税込1,200円)は、運営経費をのぞいて、あらたにはじまる「アースデイの森づくり」活動への寄付になるとのことでしたので、こちらのイベントに参加することにしました。

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』概要
これは衣服に関する物語。私たちが着る服や衣服をつくる人々、そしてアパレル産業が世界に与える影響の物語だ。貪欲さと恐怖、権力と貧困の物語でもある。全世界へと広がっている複雑な問題だが、私たちが普段身に着けている服についてのシンプルな物語でもある。この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきた。本作は、ファッション業界の闇に焦点を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰?」と問題を提起するドキュメンタリー映画だ。きらびやかなランウェイから鬱々としたスラムまで、世界中で撮影されたもので、ステラ・マッカートニー、リヴィア・ファースなどファッション界でもっとも影響のある人々や、環境活動家として世界的に著名なヴァンダナ・シヴァへのインタビューが含まれている。またフェアトレードブランド 「ピープル・ツリー」代表サフィア・ミニーの活動にも光を当てている。

監督:アンドリュー・モーガン 
プロデューサー:マイケル・ロス 
製作総指揮:リヴィア・ファース、ルーシー・シーゲル
出演:サフィア・ミニー/ヴァンダナ・シヴァ/ステラ・マッカートニー/ティム・キャッサー/リック・リッジウェイ ほか
配給:ユナイテッドピープル 
特別協力:ピープルツリー
2015年/アメリカ/93分

仕事が休みの土曜日の夜でしたので、夫を誘って2人で観ました。
ワイヤレスイヤホンを片耳ずつ刺して、一緒にパソコンでZOOMを見ていたわけです。(仲良し恋人みたいでクスッと笑えました。)

2.ファッション業界の舞台裏/知られざる真実

この映画のメイン舞台は、今世界中の衣類の大半を製造しているバングラデシュです。

ここで働く人々は、ファッション業界で繰り広げられる価格競争の最終的なしわ寄せを負っています。
つまり、非常に低い賃金で、劣悪な環境で、長時間労働をしています。

その事実が世界的に明るみになったのはラナ・プラザ崩落事故ではないでしょうか。

映画の映像は私にとってショッキングなものでした。
興味をもってくださった方は、是非ご自身でこの映画を観てみてください。
百聞は一見に如かず
私の拙い文章力では表現しきれません。

バングラデシュの衣類製造工場で働く女性が語る、ご自身の生活の様子や過去の経験はどれも私の想像をはるかに超える過酷なものでした。

でもこれが、華やかなファッションの舞台裏であり、言い換えると、ファッション業界の真実です。
これは服を着る全ての人が知るべきことだと思います。

この映画を観ながら、夫と一緒に、自分たちのファッションとの向き合い方や消費行動をどんなふうに変えていくべきか話し合いました。
(後程、具体的にご紹介します。)

3.エシカルファッションとは

「エシカル」という言葉を、よく聞くようになりましたね。
エシカル(ethical)は、「倫理的なこと、道徳上であること」という意味の英語です。

この映画に登場するPeaple Treeはエシカルファッションを掲げるブランドの1つです。

「エシカル」には以下に挙げるような意味を内包します。
・環境に配慮する……エコロジー、エコ、グリーン
・健康と環境に配慮し、持続性可能性のあるライフスタイル…… ロハス(lifestyles of health and sustainability)
・途上国でつくられた製品を 適正な価格で継続的な取引をする貿易……フェアトレード

おしゃれな服を買うのは楽しいし、アクセサリーを身につけるのも楽しい。
仕事や学校に着ていく服はたくさん欲しいから、安いものを選びたい。
そんな気持ちは分かります。
しかし、その安さは労働者にきちんとした賃金が支払われていない、
きちんとした労働環境が整っていないということも意味することもあるのです。
2013年4月24日、バングラデシュの首都・ダッカ近郊で1,000人以上の犠牲者を出した、衣料品工場(ラナ・プラザ)の崩落事故が起きました。
この工場では、先進国の複数の大手ファッションメーカーが生産しており、
その安全管理が疑問視されていました。
この事故から1年経った後も、被害者を補償するために必要だとされる4,000万ドル(約42億円)のうち、工場の関係ブランドからは、1,700万ドル(約11億円)しか支払われていません。(2014年4月現在)
安すぎる価格に疑問を持ち、誰がどこでどんなふうにつくったものなのか、
背景を知ろうとすることが「エシカル」への一歩です。

※Peaple Treeのホームページより一部抜粋
https://www.peopletree.co.jp/ethical/index.html

これから服を買うときには、それがどこで作られたものなのか(Made in ○○)、誰がどんなふうに作ったものなのか、生産背景を知る努力をしようと思います。

こんなふうに、ファッションの大量生産・大量消費に疑問を持つ人たちが増え、消費行動が変わりつつある昨今、ファッション業界の生産現場でも意識改革が進んでいるのは遅すぎるとはいえ良いことですね。

4.NO 大量生産! NO 大量廃棄!~私たちにできる3R~

モノが増えるとモノの単価が下がる。
これは経済の基本ですね。
また、大量に生産された衣類の約5~6割は1度も袖を通されることなく廃棄されているというゴミ問題、環境・資源問題の観点からも、私はモノの消費量を減らす取り組みが必要だと思います。

皆さんは3Rをご存知ですか?
Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称です。

Reduce(リデュース)は、製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること。耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫なども取組のひとつです。
Reuse(リユース)は、使用済製品やその部品等を繰り返し使用すること。その実現を可能とする製品の提供、修理・診断技術の開発、リマニュファクチャリングなども取組のひとつです。
Recycle(リサイクル)は、廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。その実現を可能とする製品設計、使用済製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども取組のひとつです。

※3R推進協議会より引用
https://www.3r-suishinkyogikai.jp/intro/3rs/

私たち夫婦はこの3Rとエシカルの観点で、わが家のファッションとの向き合い方と消費行動について見直し、今後の方針を決めました。

5.大人の衣服について考えるエシカルファッション

体がこれ以上大きくならない大人は、成長期の子供と比較して、衣類を長く着られます。

私たち夫婦が決めた、これからのファッションとの向き合い方はこちらです。

①本当に気に入ったものや自分に合うものを丁寧に選んで買う
(衝動買いしない。大量購入しない。安物買いしない。)
②新品よりも、なるべく中古品やリサイクル製品を選ぶ
③エシカルファッションに取り組むブランドで買う
④アニマルフレンドリーな製品を選ぶ
(動物の毛皮などが使われていない。動物実験をしていない。)
⑤今持っているものを、手入れや修理をしながら長く大切に使う
⑥体型を維持する
(体のサイズが大きく変わると、服を買い替えないといけなくなるのでNG)
⑦着なくなった衣類は、捨てるのではなく、なるべく人に譲る。

エシカルファッションを実行するうえで私にとって障害になるのは、サイズの合う服が見つからないということです。

エシカルで、かつ、サイズ展開が幅広いお店が見つからないんです。

私の身長は150cm弱で、服のサイズでいうと3~5号/XXS~XSです。
せめてSサイズじゃないと着こなせません。

小さいサイズの服を取り扱っているブランドが少ないため、私は着れる服を探すのが大変で、悩んでいます。

エシカルな倫理観を大切に作られた服もまた、市場規模としてはまだまだ小さいです。

Sサイズ以下、かつ、エシカルな服を見つけるのは至難の業のようです。

どなたかおすすめの購入方法やブランドをご存知でしたらコメントなど頂けると大変ありがたいです。

その点、夫は少しやせ型ではあるものの、概ね標準体型なので、エシカルファッションの実行が比較的容易そうです。(良かった。)

6.成長期の子供服について考えるエシカルファッション

問題は、どんどん体が大きくなる成長期の子供の衣類です。

わが家には3歳の双子の息子と娘がいますので、子供服の消費量が多いです。
数ヶ月単位で服のサイズが大きくなりますし、保育園に通っていて毎日着替えを持参するので、枚数が多めに必要です。

具体的な枚数は、毎日の着替えや洗い替えを計算に入れて、1人当たりこれだけ必要です。
トップス:6着
ボトム:6本
肌着:6着
靴下:3足

2人分で計42点になります。

これを最低年2回買い替えているなんて、大量消費甚だしいですね。
罪悪感で心が痛みます。

そこで、私たちの考える、子供服についてのエシカルな取り組みをご紹介します。
これまでずっと取り組んできたことや、アースデイをきっかけにいろいろと知って、新しく追加したものです。

①中古品を積極的にいただく
親戚の年上の子供たちの服をいただくだけでなく、子どもプラザなどで不要になった衣類がまとめて置いてあることがあります。
そういったものを積極的に頂くようにしています。

②必要な枚数しか買わない
子供はすぐに大きくなって服がサイズアウトしてしまいます。
可愛いからと言ってオシャレ着を買っていても、ほとんど着せる機会がないままサイズアウトしたことが何度もあります。
これを反省して、今は本当に必要なものを、必要な枚数だけ揃えるように心がけています。

③買うときは、新品ではなくなるべく中古品やリサイクル製品を選ぶ
ただし、これには注意が必要です。
既に着古された中古品は一見汚れていなくても、生地が傷んでいることがあります。
そういう服は破れたり穴があいたりしやすいものです。
穴があいたら繕いますが、生地が全体的に傷んだ中古のボトムなんかには、とても穴があきやすいものがあります。
最低限ちゃんと不自由なく着れるものかどうか目利きが必要ですね。

④サイズアウトした服もすぐには捨てない
少しくらい丈が短くても、まだギリギリ着れる服なら、私は捨てずに予備服として一時保管しています。
これは、保育園の予備の着替えが足りないときなどに活用しています。
予備服があることで、上記②の必要枚数を最低限に絞り込むことができます。

⑤本当に不要になった服も、捨てずに人に譲る
今着ている服の2サイズ下の、本当に着れなくなった服は、手放すしかありませんね。
そんなときも、状態が綺麗でまだ着れる服(もらいもののオシャレ着など)は、捨てずに人に譲るように心がけています。

7.不要になった衣類のエシカルな手放し方

①古着deワクチン
衣類を専用キットに入れて送るもので、その収益で開発途上国の子どもたちにポリオワクチンが届けられるというサービスです。
https://furugidevaccine.etsl.jp/about/

②フリマサイトへの出品
利用者間で不要になったものをリユースし合える仕組みです。
お小遣い稼ぎにもなります。

③リサイクルショップの買い取りサービス
売りたいものがたくさんあるときは、リサイクルショップにまとめて買い取ってもらうのが便利です。

④保育園への提供
園児の着替えが足りないときには、保育園が着替えを貸してくれます。
このために、園によっては不要になった衣類を募集していることがあります。

⑤ママ友に譲る
大人の衣類を身近な人に譲るのはハードルが高いですが、子供服ならわりと気軽に譲り合えると私は感じています。
服に限らず、ベビーカーやチャイルドゲートなどの子供用品全般について、私はいつもなんとなく「そろそろ手放したいものリスト」が念頭にあるので、身近に使ってくれそうな人を見かけたら、声をかけて譲ったりしています。
つい先日も、近所の方にベビーカーをお譲りしました。
使えるものはゴミにしたくない、という強い信念があります。

8.イベントに夫と一緒に参加して良かったこと

さて、今回はアースデイ東京2021のオンラインイベントに参加して、私たち夫婦が考えたこれからのファッションとの向き合い方についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか。

これまでも衣類に限らず様々な激安商品について、
「こんなに安い値段で売って、それでも利益を出せる仕組みってどうなっているの?誰が儲けているの?」と疑問に思うことが度々ありました。

このイベントに夫婦で参加することで、環境問題や貧困問題について話し合うきっかけとなり、結果としてわが家の消費行動が変わりました。

私たち夫婦はお互いの興味の方向性や分野が同じではありません。
他人ですから当たり前ですね。

例えば、私は子供の食育を通じてヴィーガンという生き方に強い関心を持つようになり、いろいろと勉強して、実生活に取り入れています。

一方で、ヴィーガンにそれほど興味のない夫は、私の作る食事の内容がプラントベース(植物性の食品がメイン)になりつつあることをあまり歓迎していません。

興味の差が、知識の差を生み、それが結果的に行動の差になっているわけです。

でも、今回のように一緒に映画を観たり、あるいはセミナーに参加したりして、同じテーマについて考え協議することで、認識を共有したり理解し合ったりすることが出来ると気づけた良い経験になりました。

夫も私と一緒に考えたいテーマがあるそうなので、またこんな機会を定期的に作りたいと思います。

皆さんは、どんなふうにパートナーとそれぞれの興味を共有したり理解し合ったりしていますか?

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