ロシア・ウクライナについて思うこと

 ロシアとウクライナの問題は、最近始まったことではない。ロシアはずっと以前から不凍港を求めていたし、ウクライナはソ連の一部だった。
 ウクライナの一部の人々は、今でもロシア語を話すらしい。ロシアと親しくしたい人と、ヨーロッパ側につく人との間で、内部抗争もあった。

 だとすれば、ロシアが南下するのは、必ずしもウクライナ人にとってネガティブではない。ただし、取り込む地域がロシア派の住む地域だけである場合に限られるけれども。

 ここで欧米が反発するのは、NATOが共産主義に反対しているからであり、彼らが支援を行うのも、結局のところ、共産主義圏を増やしたくない、というのが主な理由として存在するのではないかと思われる。

 共産主義は必然的に世界全体を共産化する必要があり、戦争を生むという考え方もあるから、潰したい理由はわからないでもないが、穏便にいきたいところだ。

 国を動かしているのは人間たちであり、ロシアの場合は主にプーチン氏とその周辺の人々、ということになるだろうが、人間という生きものは追い詰められたら反撃したくもなるものだ。
 これまでに旧ソ連の多くの地域をNATOに取り込んできて、クレムリンは危機感で頑なになっているかもしれない。

 もしウクライナの内部に何も問題がなく、ロシアがつけ込む要素がなかったら、状況はもう少しシンプルだ。ウクライナという一つの国家を守ればいい。
 ただ、現実にロシア側につきたい人々が存在する以上、この層が独立するのを止めるのが必ずしも正義なのか、という疑問は湧く。国が分裂したほうが、ウクライナをNATOに加入させたい層の人々も、ロシアも、ロシア派の人々も、みんな幸せなんじゃないだろうか。

 だからといって、軍事的にそれ以外の地域まで手を広げるやり方は決して善良な方法とは言えないわけで、避難支援や一定の領土を守る支援は必要だろう。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?