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ワインが飲みたくなる絵

秋分の日を迎え、すっかり秋ですね。去年は10月まで半袖でも気持ちいい日がありましたが、今年は雨の影響で気温が下がり例年通りの気候です。



秋といえば、収穫の季節。最初に着手されるのはブドウです。ワイン用のもです。



そんなわけで、今日はお酒の神様バッカスを描いた作品をご紹介します。


グイド・レーニ(帰属) 「バッカス」 1595−1610年頃 ピッティ宮殿



バッカスと言えば青年の姿で、宴の真っ只中にいる様な姿で表されることが多いです。



フィレンツェにあるミケランジェロの彫刻やカラヴァッジョの絵も、お酒が入って気持ちよくなっている状態です。お酒臭さが漂ってきそうなくらい。


ミケランジェロ 「バッカス」 1596−97年 バルジェッロ美術館



カラヴァッジョ 「バッカス」 1596−98年 ウフィツィ美術館

ですが、この作品は珍しく少年の姿です。バッカスのアトリビュートである、ブドウの葉や実がなければ彼とわかりにくいです。
いたずらっぽく笑いながら私たちの方へ振り返り、お酒を勧めています。彼も少し酔っていますね。
もう2点珍しいのは、毛皮をまとっていることと手に持つワインが白であることです。


白ワインを勧める男の子のバッカスなんて珍しく目を引きます。呑みたくなってしまいますね。



そしてこの絵を収める額もぜひご覧ください。ブドウの実や葉が額に絡みつくように彫られています。ロココ様式の彫刻に眩い金で塗装され、作品の魅力を引き立てています。
これは、後の時代メディチ家のメンバーがこの作品に合わせて作らせたものです。



87×70cmと小さく、壁の上の方に展示されていますが、素晴らしい作品なので、ぜひご覧になってみてください。

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