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初の書籍制作でこだわったポイント〜執筆編〜

初の著書「仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術」が好評発売中です。人生100年時代、ともに働き、ともに家庭を営む時代に、どのようにしてパートナーと対話して理想のライフキャリアを実現させるかに焦点を置いた本です。

初めての書籍制作は正直大変で、試行錯誤しながらでしたが、制作にあたりこだわったポイントをまとめてみます。

①n=1の事例ではなく、多様な共働き夫婦の事例を入れること

本書を読んだ方の中には「思っていたよりあつたさん夫婦の話が少ないな」と思った方もいるかもしれません。

今日も取材で「あつたさんの個人的なエピソードというよりは、普遍的に使える対話のコツやいろいろな共働き夫婦の例が紹介されていて驚きました」とライターさんから言われました。たしかに、我が家の話は冒頭とあとがきくらいにしか出てきません。

これは私のこだわりで、「私がこんな風にうまくいったんだから、あなたも同じ方法で成功できるよ!」というn=1の自分語りで再現性が明確でない方法を勧めたくないという強い思いがあります。

特に家庭運営においては、夫婦の働き方や性格、年収や子供の有無、住んでいる地域などで状況がかなり変わってきます。

例えば、我が家はモヤモヤする事象が発生したらすぐ相手に伝え、何時間も話し合ってその日中の解決を目指す運用をしていますが、これは我が家が子なし・二人ともフルリモート・片方が自営業という条件があって初めて成り立つ方法です。異なる働き方・家族構成の方にとっては全く参考にならないと思います。

また、我が家は二人ともたまたま言語化が得意な方で、モヤモヤしたらすぐにその場で意見を表明することができますが、言語化が苦手な人や、言語化に時間がかかる夫婦の場合はどうしているのか、そういった情報がないと書籍として意味がないと考えました。

なので、今回の著書では「私がどうしているか」ではなく、「良好なパートナーシップを築いている夫婦にはどのような特徴があるのか」という視点で、多様な共働き夫婦の事例を紹介しながら、認知行動療法やアサーション、ラブランゲージなど、良好なパートナーシップを築くために必要な知識・スキルを詰め込んだ1冊となっています。

②「妻が悪い」「夫が悪い」など、どちらかを悪者にしないこと

本書は、妻の味方でも夫の味方でもなく、フラットに対話をしたいと思っているすべての人の味方です。

夫婦の話になると、どうしても「妻の言い方が悪い」「家事育児をしない夫が悪い」など、「どちらが悪いか」の議論になりがちです。

ですが、「言い方が悪い妻」もずっと我慢してきたのが積りに積もってついキツい言い方になってしまったのかもしれないですし、「家事育児をしない夫」も、家事育児を本当はしたくてもできない事情があって葛藤しているかもしれないですし、相手の背景を見ないまま表面の行動だけを非難しても意味がありません。

自分からは信じられない行動に見えたとしても、相手には相手の事情があるはずで、相手の背景を理解しようとするのが「対話」です。

なので本書では、「こんなひどい夫 or 妻が変わった!」という一方的な視点から見たキャッチーな事例は出てきません。

「タケシさんは◯◯という問題に悩んでいました。一方でミサさんも△△という事情がありました」というように、どちらか一方が悪いというよりは、「どっちの気持ちもわかる……」という例を出すようにしています。

「夫 or 妻にこんなひどいことをされた!」「なんで男 or 女ってみんなこうなんだろうね」というコンテンツは世に溢れているし、実際そっちの方が共感やバズを生み出せるのだと思います。

でも、「どちらか正しいか」を争うスタンスでは対話はできなくなってしまいます。

「相手を強制的に変えさせる本」ではないので、「お互いの違いを受け入れ、どうすればいいか建設的に考える」ことを目指し、妻側にも夫側にも寄らないフラットな本に仕上げました。

③具体的かつ実践的であること

ここは多くの方が言及してくださるポイントなのですが、具体的かつ実践的であることをかなり意識しています。

パートナーシップに関する書籍で素晴らしい本はすでにたくさんあり、「愛するということ(エーリッヒ・フロム)」「愛を伝える5つの方法(ゲーリー・チャップマン) 」「夫婦・カップルのためのアサーション(野末武義) 」など、良好な関係の築き方は意外と体系化されていたりします。(あまり知られていないだけで)

ですが、内容が抽象的だったり、哲学的だったり、学術的だったり、「パートナーシップにそこまで興味ないな……」という方からすると、とっつきづらく感じる部分もあったかもしれません。

そこで本書では「共働き夫婦に落とし込むと、それって具体的にどういうことなの?」ということが分かるように、抽象的な概念を説明をした後は必ず具体例を入れ、さまざまな共働き夫婦の解決例や会話例を盛り込みました。

「話し合いが大事」ということはみんな頭では分かっていると思うんですが、でも実践が難しい。だからこそ、さまざまな具体例を提示することで「こんな方法もあるんだ」「自分たちにはこの方法がいいかも」「明日からこの方法で試してみようかな」と思ってもらえる本を目指しました。

他にも、「対話の本だけど、対話を絶対の正義にせず、対話しない選択肢も提示する」「男性も手に取りやすい本にする」「家族やパートナーシップにも興味がない人にも広く読んでもらえるよう、ビジネス書コーナーに置いてもらえるような本にする」などこだわりを挙げ出したらキリがないのですが、私の強いこだわりに嫌な顔ひとつせず、一緒に作ってくださった編集者の石井さん・ライターのゆいさんに感謝です!

書籍の制作過程におけるチームワークや情報共有の仕方もこだわったので、のちのちnoteにできたらいいな。

読んだ方はぜひAmazonレビューで感想を教えていただけると嬉しいです!



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あつたゆか@「共働きのすごい対話術」著書
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