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好きなように働く。

好きなように働く。

それは日系企業の人事部に勤める私が結婚後、第1子を出産し、仕事に復帰してからたどり着いたひとつの命題でした。

今、ワーキングマザーの仕事と育児の両立を巡ってはいろんな人がいろんなことを言っています。それぞれに少しずつ違うバックグラウンドを抱え、少しずつ異なる価値観に基づいて。

ちょっと、正直、お腹いっぱいじゃありませんか。

数あるアドバイスや記事の中でいまだに多いのは、ワーキングマザー自身が仕事と育児の両方をハンドリングしながら、なんなら管理職としてキャリアアップも追求するための工夫を、おそらく親切心からあれこれと指南するタイプのものです。
でも、いつになったらみんなが気づいてくれるんでしょうか、子育ては母親だけでするものではないってこと(もちろん、いろんな事情で子育てに孤軍奮闘しているお母さんやお父さんもいますが)。そして子育ては2年や3年の話じゃなくて10年単位の話だってこと。そんな長期間に渡ってジャグリングのような「両立」を主に母親の側にだけ求め続けるなんてめちゃくちゃで、そんなのは持続可能な暮らし方じゃないってこと。

かく言う私も、企業の人事部という職場で働きながら、自分自身がワーキングマザーとして仕事と育児の両立という課題を抱える立場になって、当初はとても意気込んでいました。つまり、人事部が考えそうなこれからのワーキングマザーの理想のキャリア形成のあり方のひとつを、私自身が体現しようと思っていたのです。幸い、後押ししてくれる上司に恵まれ、またオットも協力的だったので、この環境とやり方ならうまくいくかもしれないと、安易に考えていました。

でも、ことはそんなにうまくいきませんでした。3年ほど試行錯誤しながらあれこれやってみましたが、結果としては少なからぬ挫折感を味わうことになりました。新卒でこの会社に入社し働き始めて11年が経っていましたが、キャリアの面で挫折らしい挫折をしたのはこのときが初めてでした。

それからしばらく鬱々とした半ばやけくそな気持ちで会社に通い、モチベーションなど全く上がらない状況で、それでも表向きはやる気のあるフリをしながら淡々と仕事をする毎日が続きました。

転機となったのは、いくつかのビジネス書でした。
それまでの私にとって、本は仕事疲れした頭を休めるために読むものだったので、もっぱら軽いタッチの小説やエッセイばかり選んで読んでいました。巷に溢れるビジネス書は机上の空論ばかり述べるもので現実のビジネスになんて役に立たないと思っていましたし、そもそもビジネス書を読んで、会社の外でまで仕事のことを考えるのなんかまっぴらごめんだと思っていました。

ですが、壁にぶち当たる経験をしたとき(そういうときはだいたい、近くに有力な助言者やサポーターがいないときなのです)、藁にもすがる思いで手にとったいくつかのビジネス書は、予想外のかたちで私にヒントをくれました。結果として私の中で大きな価値観の転換が起こったのです。

つまり、「思った通りに、好きなように働けばいい」ということです。

それからもうひとつ、その価値観の転換においては、社外の人との出会いも重要な役割を果たしました。会社の中で壁にぶつかり、必要なアドバイスが得られないで悶々としていたとき、その人が声をかけてくれ、背中を押してくれたことで、私はそれまで想像もしなかった働き方に一歩踏み出すことになったのです。

それは、会社員として働き続けながら週末起業をする、パラレルキャリアというスタイルでした。

これから、具体的にどうやってそのような働き方を選ぶに至ったのか、どうしてそれが私にとって「好きなように働く」ことに繋がるのか、また会社員かつワーキングマザーのパラレルワークが実態としてどのようなものかを、人事部で働いているからこそわかる実態も踏まえつつ少しずつ書いていきたいと思います。

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