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【絵本紹介】終戦記念日を迎えて~平和・戦争に関する絵本~


明日は8月15日。
こちらのnoteでもお伝えしているように、「日本人が忘れてはならない4つの日」の、一年間で最後の日です。


毎年6月23日 沖縄慰霊の日
毎年8月6日 広島原爆の日
毎年8月9日 長崎原爆の日
毎年8月15日 終戦記念日

https://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/odemashi/irei.html



今回は終戦記念日にちなんで、「平和・戦争」がテーマの絵本をご紹介します。


読み聞かせは楽しいのが一番だけど、時にはこういう絵本を読んで、子どもたちと一緒に考える時間を持てたらいいなと思っています。

テーマが大きくて絵本はたくさん世に出ているので、まずはロングセラー、有名どころからご紹介しますね。



■かわいそうなぞう(土家由岐雄 文 武部本一郎 絵  金の星社)


太平洋戦争が激しくなり、東京には爆弾が落とされるようになりました。

もし動物園に落ちて動物が逃げ出すことがあったら大変だと、猛獣には毒を飲ませて殺すことになりました。
最後に残ったのはおとなしいゾウたちです。
動物園の人たちは、なんとかしてゾウに生き延びてもらいたいと願うのですが……。


戦争末期に実際に上野動物園であったお話です。
読み手の私たちの方が涙を誘われてしまうのではないでしょうか。
1年生の子どもたちも、しーんお話に聞き入っていました。


1970年初版ですから、もう50年以上前の絵本なのですね。
幼少期にこの絵本を読んだ覚えのある大人もいることでしょう。
絵の感じも少し古いし、記述に現在と合わない部分もありますが、ぜひ子どもたちに読み継いでいきたい絵本だと思っています。



■えんぴつびな(長崎源之助 文 長谷川知子 絵  金の星社)


空襲で家が焼けてしまった「わたし」は、いなかの町に引っ越してきました。
そこでシンペイちゃんというやんちゃな男の子と知り合います。

なかなか馴染めないわたしをシンペイちゃんは何かと気にかけてくれ、
「3月3日にかざるといいよ」
と、小さなえんぴつに顔を描いたおひなさまをくれます。

それが、わたしがシンペイちゃんに会った最後でした……。


先生に怒られることもするけれど、わたしに優しいシンペイちゃんに気持ちがほっこりした矢先の死。
あまりの急展開に子どもたちは「え?」という感じでした。


仲よしのお友だちが急にいなくなる、そんなことがあるのが戦争なのです。




■ちいちゃんのかげおくり(あまんきみこ 文 上野紀子 絵  あかね書房)


「かげおくり」ってあそびをちいちゃんに教えてくれたのは、お父さんでした。
お父さんが出征する前の日、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ちいちゃんの四人は仲よく手をつないでかげおくりをしました。

だんだん戦争が激しくなって、広い空はかげを送る楽しいところではなく、とてもこわいところにかわりました。

ある夏の夜、空襲でお母さん、お兄ちゃんと離れ離れになったちいちゃんは、ひとりで町をさまよいます……。



モノトーンに近い色彩の絵に、淡々とした文。
ページをめくるたびにつらく、切ない思いが増していきます。


国語教科書に採用されていたこともあるお話です。


このお話を読んで、体育なんかで運動場に揃った時に、みんなで手をつないでかげおくりをしているクラスもありました。

ぜひ読んでみてください。




■せかいでいちばんつよい国(デビッド・マッキー 作 光村教育図書)


「我々が世界中を征服すれば、みんなが我々と同じように幸せに暮らせるのだ」
と考えた王様は、周りの国を次々と征服していきます。

最後に残ったのは、ちっぽけな小さい国。

一つだけ残しておくのも気持ち悪いので、王様はそこも征服してしまおうと、大軍を率いて乗り込みます。

ところがその国には軍隊がなく、戦争をしかけるわけにはいきません。
おまけにみんななんだかフレンドリー。
調子が狂ってしまった軍隊と王様は……。


これまでの3冊とは趣の変わった絵本です。
絵の感じからしてユーモラスです。

司書さんが5年生の子どもたちに読んでくださった、とても考えさせられる絵本でした。



■パンプキン! 模擬爆弾の夏(令丈ヒロ子 作  宮尾和孝 絵   講談社)


最初にお断りしておきます。
絵本ではありません。児童書です。
ごめんなさい。



「模擬爆弾」ってご存知ですか?
いわゆる「模擬試験」などに使う「模擬」です。


原爆投下の練習のため、模擬爆弾・通称「パンプキン爆弾」が日本各地に49発も落とされていました。
自分の家の近所にパンプキン爆弾が落とされていたことを初めて知った6年生のヒロカは、自由研究でこのことを報告するべく調べ始めます。


舞台が大阪、それも身近な大阪市内ということで、つい熱が入って、10年ほど前から多くの人に紹介している本です。

図書の時間には司書さんが5年生に紹介してくれました。

「練習」のために犠牲になった多くの人がいることも、ぜひ知ってほしいです。


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電子書籍を出版しています。



子どもたちの心に種をまくように、ちょっと心に響いたり、何か行動してみようと思えたり、そんなきっかけになる絵本を紹介しています。


主に小学校の教科の学習の中で、関連づけて読み聞かせができる絵本を紹介しています。


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子どもたちにも人気の、読み聞かせで鉄板ともいえる絵本を紹介しています。
なぜ小学校で読み聞かせをするのがいいのか、学級づくりにどう役立つのか、そんなことも書いています。


2021年9月に出版した、初めての電子書籍です。
子育て中であり仕事にも忙しかった小学校の先生の私が、少しずつ意識を変え、生活を変え、夢を叶えていったお話を書いています。



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