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本の紹介「頂はいつも遠くに」

こんにちは。自己満足な毎日をすごしたいです。


今日は本の紹介📕
「頂はいつも遠くに〜鹿島アントラーズの30年〜」著:寺野典子

プロ野球に先立ち、Jリーグが開幕しました⚽
今年で1993年の発足から30年。ヨーロッパのリーグに比べれば、歴史はまだまだ浅いのですが、2022年カタールW杯での活躍は記憶に新しいところ。
一歩ずつ進化していっているんでしょう☝️

そんなJリーグですが、鹿島アントラーズは、岩政大樹さんを監督に迎え、今年はどんな戦いを見せてくれるか楽しみですね。

鹿島アントラーズと言えば、ジーコ、秋田豊、小笠原満男、中田浩二、柳沢敦、内田篤人、柴崎岳、植田直通、鈴木優磨などなど、有名選手が次から次へと浮かんでくる🤩
ここ数年、優勝からは遠ざかっているものの、3連覇した時期もあって、鹿島=強いというイメージがある。
強い鹿島であることの象徴がジーコなのだろう。

本の中で、ジーコのこんな言葉が紹介されています。
「アントラーズでは、常に勝利に対する意識やこだわりが求められる。僕は要求や注意されることの意味を伝えられたらと思っている。要求や要望をされるというのは、それができる人だから。できない人にそれを言っても意味がないから、声をかける必要はない。私は現役時代、引退後、そして今と立場は違うけれど、要求されれば、いつもそれに応えたいと頭を働かせる。そうやって要求に応えたいと思うのはプロ意識の高い人間なら当然のことだろう」

さらに、鹿島では、1994年に「スピリット・オブ・ジーコ」が提示され、鹿島のあるべき姿を的確に言語化し、可視化された。これは、「献身・誠実・尊重」という指針にして、心の拠り所とし、自分たちの正しさの規範とした。

ということで…

スピリット・オブ・ジーコでは、個人主義ではなく、組織に忠誠を誓い、仲間とともに力を尽くすというジーコの理念が充分に表現されているそうです。

TRABALHO(献身)
努力のこと。サッカーに限らず、どんな仕事においても、日々一生懸命取り組むということ。一生懸命、全力を尽くすのは、ごく当たり前のことだが、それを当たり前にできるかできないかで、人生が変わってくるし、得られるものにも違いが生まれる。

LEALDADE(誠実)
プロスポーツは目立つ世界であり、華やかな世界。だから、どうしても個人のエゴが生まれやすい環境なのだと思う。しかし、仲間に対して誠実に接すること、誠実さがなければ素晴らしい関係は生まれない。よい空気、雰囲気も作れないし、ましてや歓喜の瞬間を味わうことなどできない。3つのなかでもっとも重要。どこの世界でも、努力する「献身」は、誰もがやること。そして、「尊重」というのも普通に存在している。しかし、いろいろな場所へ行き感じたのは、成功の可否を分けるのは「誠実」だということ。誠実さに欠ける人間がひとりでもいれば、「尊重」や「献身」は崩れ、うまくいかなかったこともあった。外側と内側とで違う顔を見せていれば、やがて大きな問題に発展してしまうだろう。

RESPEITO(尊重)
仲間や対戦相手、レフェリーといった対人だけでなく、さまざまなことに対して非常に重要な姿勢。社会、組織、クラブのルールなど規律を尊重するのも重要。たとえば、自分が試合に出ているうちはよいけれど、ベンチスタートになったり、出場機会が減ったりすることもある。そんなふうに自分の立場が変わったとしても、自分の代わりに出場するメンバーに対して、尊重できる心を持つべきだ。簡単に言えば、人としての道理や礼儀をわきまえるということ。その心を尊重という言葉で表現。

このスピリット・オブ・ジーコの精神によって構築されたプロ意識は、クラブ内の人間同士の絆を築き、脈々と鹿島アントラーズのなかで紡がれた。かつて自身を導いてくれた先達の姿があるからこそ、たすきをつなぐように受け継がれていったのだろう。

プロ意識が高く、試合に出ている選手は1試合でも休んだら次はないという気持ちだったようですし、出られていない選手はポジションを奪う気持ちを紅白戦で表現するということで、良い循環が生まれたようです。

プロクラブはトップから育成まで同じビジョンを描いてサッカーをしていることが多いはずだが、スピリット・オブ・ジーコの精神は、育成でも重要な指針となっているのだとか。

本を読み進めていくと、数々の選手のコメントが掲載されていて、必死でないとやれない、コツコツやること、チームの勝利のため、という言葉が数多く出てくる。
これこそが、スピリット・オブ・ジーコが鹿島の伝統となり血肉となっていることの表れなのかもしれない。


すべては勝利のために。
頂がはるか遠くにあるからこそ、その志が折れることはない。

最後のこの文にすべてが凝縮されているのでしょう。

鹿島アントラーズというサッカークラブを題材にした本ですが、スピリット・オブ・ジーコをはじめ、選手の言葉は社会人としてもたくさんの共通点が見出せる。
アントラーズファン、サッカー好きだけでなく、幅広い方に読んでもらいたい1冊です。

最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m


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