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天才にはなりたくない

天才になりたい。
演者でも作家でもディレクターでも、この業界に身を置いていれば、こんな夢を思い描く時期もあるだろう。

私もそんな時期があったかもしれない。

天才になってみたかったし、天才でありたかったし、天才だと思われてみたかった。

しかし、天才という言葉は、そんな軽々しく使える言葉ではない現実にようやく気がついた。

あの人は天才だから…あんなことできるなんて天才だね…
カジュアルに飛び交いがちな言葉だが、実際はそんな次元で使えるものではない。

実際の天才を見ていると思う。
これは決して幸せな人生ではないと。

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