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<ラグビー>2024年シーズン(1月第三週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
 
 成人式は不要だと思う。20歳を成人とするのは、現在の社会学的な観点(つまり、長い子供・被扶養者期間)を勘案すれば不適当だと考える上に、そもそも行政が税金を浪費して20歳の市民を祝う意味合いはないと思う。また、参加者の服装について議論することも無意味だと思う。つまり、成人式を他の記念式典や儀式と同類であるとすれば、自ずと服装は決まる。例えば、宮中晩餐会・園遊会・叙勲式などの参加者が、自己主張する服装をすることは論外であり、決まった服装で参加すること自体が儀式の成立要件になっている。成人式は、20歳のためのファッションショーではない。
 
 一方、成人式を単なる祝祭の場、もっといえば日本版ハロウィーンのような無礼講の乱痴気騒ぎを許可されたものと理解すれば、自ずと服装の規定は緩くなる。しかし、祝祭の代表である日本古来の祭りでは、参加者は法被などの服装を要求されている。例えば、神輿を担ぐ者が、伝統的な服装を拒否して自分勝手な服装をすることは許されない。そこにはファッション云々と言う概念が入る余地はない。なお、祭りに単純に参加する(観る)だけであれば、当然服装規定はない。どんな自己主張する服装でもOKだ。
 
 従って成人式が、行政が主催する無礼講であれば、当然に服装規定は不要だが、成人式は無礼講ではない。式と名がついていて、しかも行政が税金を使って主催するのであれば、服装規定を成立要件とするのが当然だ。また、そもそも行政が無礼講を主催する必要は無い。20歳と言う年齢の節目を七五三の如く祝いたいのであれば、個人でまたは家庭で祝えば良い。それだけのことだ。それを、あたかも行政の義務であるかのように成人式に過度な期待をかけ、さらに服装を規定していることを声高に批判するのは、論理的に矛盾していると言わざるを得ない。結論、行政は全ての成人式を廃止すべきだ。
 


1.リーグワン第6節結果


 今週は二試合しかない、少し寂しい週。しかも二試合は土曜に集中して、日曜はお休み。そして、豪雨にはならなかったが、冬の氷雨が降る、またもや悪条件下のゲームとなった。屋根付きのスタジアムを一刻も早く整備すべきだ。バスケットボールのプロリーグが成功している背景には、屋内でプレーするため、天候に左右されない強みがあると思う。

相模原ダイナボアーズ34-36東京サンゴリアス


 サンゴリアスがどこまで大勝できるか、ダイナボアーズがどこまで抵抗できるか。ミスマッチにならないでほしいという希望どおり、ダイナボアーズが、前半21分までに4連続トライをして、いきなり29-0のリードをする。ダイナボアーズのトライには、ラッキーなものもあったが、サンゴリアスにボールを渡さずに巧妙なキックパスなどで取ったものがあり、この時点では勝利の予感もあった。

 しかし、27分と36分にサンゴリアスがトライを返して、前半を29-14で終える。こうなると、実力的に劣るダイナボアーズの勝利は大きく後退してしまった。後半に入ると、サンゴリアスが2トライと1PGを決めて、ついに62分に29-31と逆転する。このままサンゴリアスが完勝かと思われた。しかし、残り時間と3点差を考えれば、流れがサンゴリアスにあっても、ダイナボアーズにも一抹の勝機は残っていた。

 そして、72分にダイナボアーズが値千金のトライを挙げて、34-31と再逆転する。しかし、サンゴリアスのアタックには余裕がある一方、ダイナボアーズは怪我人で一人足りなくなるなどの数的不利が生じてしまい、82分にサンゴリアスがトライを挙げて、劇的な再々逆転勝利を決めた。

 この試合では、勝ったサンゴリアスの勝負強さよりも、惜敗したダイナボアーズの大健闘を称えたい。しかし、切り札FWジャクソン・ヘモポが80分通してプレーできないのは、チームとしては大きな弱点になっている。ヘモポと同等の力を持った交代できるFWが一人いれば、勝敗は覆っていた可能性があったと思う。

埼玉ワイルドナイツ70-12三重ホンダヒート


 ワイルドナイツは好調を維持しているので、ここもミスマッチになる可能性が高い。クロウリー監督のヒートが、イタリア代表のような良いラグビーを見せられるかと期待したが、ワイルナイツが強すぎた。前半は31-0、後半は39-12。後半にヒートが2トライを返したが、55-0となってからのものだったので、勝負には全く影響しなかった。

 70点取られたヒートが弱いというよりも、70点取ったワイルドナイツが強すぎるというゲームだった。現時点では、ワイルドナイツの一強状態ではないか。

2.その他のニュースなど


(1)エディー・ジョーンズのガーディアン紙とのインタビュー


 日本代表監督エディー・ジョーンズは、英国の高級紙であるガーディアンのインタビューに応じ、「自分がワラビーズ監督を退任したのは、協会に問題があったからだ」、「2027年までにワラビーズを立て直すため、改革を急ぎすぎた」、「メディアへの露出を願うあまり、対応を誤ってしまった」、「ベテランを起用するのは簡単だが、ワラビーズの将来を考えた結果だった」等と、ワラビーズのRWCプールマッチ敗退の原因に関して、初めて自らの過失に言及したが、基本ラインは変わっていない回答をしている。

(2)ベン・ドナルドソンは、クーパーがいて欲しかった


 先のRWCのワラビーズで、それまでのザラグビーチャンピオンシップの試合で全くプレーしていなかったのにも関わらず、いきなり先発SOにされたベン・ドナルドソンが、現在の心境を語っている。

 それによると、「ワラビーズのキャンプには、10番としてクエード・クーパーとカーター・ゴードンがプレーしており、自分は10番と15番ができるユーティリティーとして練習してきたし、またそれが自分に適任だとずっと思っていた」、「ところが、ある日の練習からクーパーが突然来なくなり、またマイケル・フーパーもいなくなった。特にクーパーは、例え試合に出なくとも、自分にとっては信頼のある良き先輩であったので、RWC期間中はずっといて欲しかった」、「しかし、準備不足だったとはいえ、RWCで10番を経験できたのは良かったと思っている」と述べており、暗にワラビーズ監督を退任したエディー・ジョーンズの采配について批判している。

(3)エディー・ジョーンズの日本代表に関する記者会見


 今シーズンから、二度目の日本代表監督に就任したエディー・ジョーンズは、代表強化のテーマに掲げる「超高速ラグビー」のロールモデルとして、サンゴリアスWTBチェスリン・コルビ、ブルーレヴズFLクワッガ・スミス、ブレイブルーパスSOリッチー・モウンガを挙げている。これらの選手たちは、体格は日本人とあまり変わらないが、リーグワンに加入直後からチームに馴染んでいる上に、自らの力を存分に発揮し、チーム勝利へ大きく貢献している。

(4)ジョー・シュミットがワラビーズ監督に就任


 元アイルランド代表監督で、2023年RWCではオールブラックスのアシスタントコーチを務めたジョー・シュミット、58歳が、退任したエディー・ジョーンズの後任として、3月1日付けでオーストラリア・ワラビーズ監督に就任することをオーストラリア協会が発表した。

 オーストラリアは、これまでロビー・ディーンズとデイヴ・レニーのNZ人をワラビーズ監督にした経緯があるが、いずれも芳しい成果を上げられなかった。しかし、今回のシュミットは、長年停滞していたアイルランドを世界ランクNO.1に押し上げた実績を持つ他、昨年のRWCでも、イアン・フォスター体制下で不調が続いていたオールブラックスを立て直した、世界屈指の名コーチである。そのため、エディー・ジョーンズによって崩壊状態になったワラビーズを、本来の強豪国に立て直すことが大いに期待されている。

 シュミット自身は、難病の子供を抱えているため、長期政権を想定するのは難しいと認識している一方、「ヒットエンドラン(ワンポイントの単発的)の役割は想定してない」と述べていることに加え、「継続性が重要だ」とワラビーズに対するコーチング方針を示しているので、エディー・ジョーンズ体制時のような、ベテランを切り捨て要ることによってチームがバラバラになる心配はなさそうだ。

 また、2025年ライオンズのオーストラリア遠征で監督を務めるアンディ・ファレルは、アイルランド代表監督としてシュミットの後任となる(また、アシスタントコーチとしてシュミットの下で仕事をしていた)ため、ワラビーズとの対戦に際してやり辛さがあると見られている。

(5)ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ女子代表のNZ遠征が決まる


 2027年にライオンズ史上初の女子チームを結成し、NZへ遠征することが決まった。世界王者であるブラックファーンズと3試合のテストマッチを予定しているが、その他のクラブチームとの試合については未定となっている。また2027年には、オーストラリアで男子のRWCが開催されるが、RWCのゲームに影響が出ないようにスケジュールを組む予定とのことだ。

 なお、女子ライオンズを結成した場合、現在の英4ヶ国の女子代表では、イングランドが圧倒的に強く、アイルランド・スコットランド・ウェールズからはライオンズに入れる選手がいないのではないかと言われている。2027年までの3年間に、ライオンズの名にふさわしい合同チームにできるかが、現在の課題となっている。

(6)ルイス・リーザミットがアメリカンフットボールへ転出


 ウェールズ及びブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズのWTBとして、トライゲッターの活躍をしているルイス・リーザミット、22歳は、新たな可能性に挑戦するためとして、NFL(アメリカンフットボール)へ転出することを表明した。NFLのIPP(インターナショナルプレヤーパスウェイ=国際間の選手移籍方法)を利用してのもので、今週中には選考のためフロリダへ渡航する。

 この結果、ウェールズのみならずライオンズとしても、重要な選手を失うこととなったと、英国では話題になっている。一方、リーズザミットは、ハートプリカレッジ及びグロスターに対して、これまでラグビーを学びプレーしてきたことに感謝し、自分の気持ちはいつもキングスホルムの地にあると述べている。

 リーザミットがNFLでプレーした場合、ポジションはオフェンスのワイドレシーバーまたはラニングバックを担当すると思われる。ラグビーで培ったハイボールキャッチ、パスキャッチ及びランニングスキルが生かされることを期待したい。また、個人的には(昔マイアミにいたので)フロリダ・ドルフィンズに加入してくれたら嬉しい(それから、アメリカ共和党大統領候補にはフロリダのデサントスを応援?)。

(7)レフェリーのヤコ・パイパーが引退


 南アフリカ人レフェリーのヤコ・パイパー(日本のメディアではペイパーと表記)が引退した。43歳だった。パイパーは、昨年のRWC準々決勝ウェールズ対アルゼンチンを担当したが、アキレス腱に怪我を負い、レフェリーを続けるのが難しくなったため引退を決めた。

 17年間にわたりトップレベルの試合を担当し、RWCでは3大会14試合(そのうち2回の準々決勝)、5回のカリーカップ決勝、3回のスーパーラグビー決勝、1回のチャンピオンズカップ決勝、10試合のシックスネーションズ、9試合のザラグビーチャンピオンシップ、1試合の2017年ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ対オールブラックスを担当した。

 オールブラックスとの関係では、いくつかの誤審もあったが致命的なものはなく、総じてやりやすかったレフェリーの一人だったと思う。お疲れさまでした。


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