<ラグビー>スーパラグビートランスタスマン,第5週結果
ハリケーンズ43-14レッズ
ハリケーンズは,今シーズンのホーム最終戦かつCTBナガニ・ラウマフィーの最後のゲームとなるため,力が入っている。レッズは,SOジェイムズ・オコナー不在で,プレーメーカーがいない。なお,15番FBの名前を,マック・グレディからマック・グリーディーに訂正。
4分,ハリケーンズ12番CTBナガニ・ラウマフィーがトライ。15番FBジョルディ・バレットのコンバージョン成功で,7-0。
14分,ハリケーンズ12番CTBラウマフィーがインゴールに入るが,TMOの結果ノッコンしていてノートライ。
26分,ハリケーンズ3番PRタイレル・ローマックスが危険なタックルでシンビン。
27分,レッズ9番SHテイト・マクダーモットがトライ。10番SOブライス・ヒガティーのコンバージョン成功で,7-7。
36分,バレットがPG,10-7。
前半,ハリケーンズ10(1T1C1P)-レッズ7(1T1C)。
ハリケーンズ苦戦している。レッズの最終戦としての意地を見せている。
44分,レッズ11番WTBフィリポ・ダウグヌが,オフサイドの位置からのタックルでシンビン。
45分,ハリケーンズ10番SOルーベン・ラヴがハリケーンズで初トライ。バレットのコンバージョン成功で,17-7。
49分,レッズ2番HOブランドン・パエンガアモサがトライ。ヒガティーのコンバージョン成功で,17-14。
60分,ハリケーンズ16番HOダン・コールズがトライ。バレットのコンバージョン失敗で,22-14。
65分,ハリケーンズ12番CTBラウマフィーがFBバレットから蹴り込まれたボールをタッチダウンしようとした際に,レッズSOヒガティーが故意にはたき落としてタッチに出した。TMOの結果ペナルティートライ。また,ヒガティーはシンビン。29-14。
71分,ハリケーンズ20番FLデヴァン・フランダースがトライ。バレットのコンバージョン成功で,36-14。
76分,ハリケーンズ16番HOコールズが2つ目のトライ。バレットのコンバージョン成功で,43-14。
後半,ハリケーンズ33(5T4C)-レッズ7(1T1C)。
合計,ハリケーンズ43(6T5C1P)-レッズ14(2T2C)。
ハリケーンズが後半に順当に実力を発揮して,圧勝した。先週のブランビーズ戦の取りこぼしが悔やまれるが,チームとしてまとまればこれくらいの圧勝ができることを証明した。また,フランスへ旅立つナガニ・ラウマフィーへの良い餞となった。
なお,FLアーディ・サヴェアの膝の状態が思わしくなく,オールブラックスへの影響が心配される。ただし,サム・ケーンに加えてサヴェアが欠場したとしても,オールブラックスのFW3列は潤沢な人材がおり,シャノン・フリッゼル,ダルトン・パパリイ,カレン・グレイス,ホスキンス・ソツツ,アキラ・イオアネ,デュプレッシー・キリフィ,ラクラン・ボシアーらがいるので,メンバーに困ることはなさそうだ。
ブランビーズ12-33ハイランダーズ
ハイランダーズは,決勝進出に向けて圧勝したい。ブランビーズは,先週の辛勝したハリケーンズ戦を再現したい。ブランビーズは,4番LOダーシー・スワインからジェイムズ・タッカーへ,試合前に交代した。なお,両チームのジャージが,ともに白を基調にしたもので色彩がかぶってしまい,どちらのチームか簡単に見分けがつかない。
15分,ブランビーズ13番CTBレン・イキタウがトライ。10番SOベイレイ・クエンツゥルのコンバージョン失敗で,5-0。
20分,ハイランダーズ2番HOアッシュ・ディクソンがトライ。10番SOミッチェル・ハントのコンバージョン成功で,5-7。
29分,ハイランダーズ9番SHアーロン・スミスがトライ。ハントのコンバージョン成功で,5-14。
33分,ブランビーズ2番HOラチアン・ロナーガンがトライ。クエンツゥルのコンバージョン成功で,12-14。
前半,ブランビーズ12(2T1C)-ハイランダーズ14(2T2C)。
ハリケーンズ同様にハイランダーズも,前半は意外と苦戦。後半に引き離したい。
47分,ハイランダーズSHスミスが2つ目のトライ。ハントのコンバージョン成功で,12-21。
57分,ハイランダーズ7番FLビリー・ハーモンがトライ。ハントのコンバージョン失敗で,12-26。
62分,ハイランダーズ14番WTBパテレシオ・トムキンソンがトライ。ハントのコンバージョン成功で,12-33。
後半,ブランビーズ0-ハイランダーズ19(3T2C)。
合計,ブランビーズ12(2T1C)-ハイランダーズ33(5T4C)。
前半苦戦したものの,後半は実力通りにハイランダーズが引き離して,決勝進出へ一歩前進した。ハリケーンズの可能性がほぼなくなり,クルセイダーズは32点以上の得失点差を獲得しないと,ハイランダーズより上に行くことはないため,かなり苦しくなった。なお,ブルーズは勝利さえすれば,決勝が確実となる。
ブランビーズは,先週のハリケーンズ戦のように,相手がシンビンになり,かつロースコアのゲームにならないと,NZ勢には勝てそうもない。
レベルズ26-52クルセイダーズ
レベルズは,キャプテンのSO/CTBマット・トゥムーアが欠場となり,代わりにアンドリュウ・ケラウェイが13番CTBに入り,フランク・ロマニが14番WTBに移動した。リザーブの22番にはヤング・トヌマイペア,23番には21歳のッリケナ・ヴドゴが入り,ともにスーパーラグビーのデビューとなる。
クルセイダーズのスコット・ロバートソン監督は,レギュラーシーズン最後の試合に,主力であるPRジョージ・ボウワー,LOサムエル・ホワイトロック,SOリッチー・モウンガ,WTBセヴ・リースを先発に戻した。また,HOコーディ・タイラーが休養するタイミングで,ブロディー・マカリスターが脳震盪から復帰し,2番で先発する。同じく脳震盪で欠場していたイーサン・ブラカッダーが6番FLに戻り,NO.8カレン・グレイスの欠場により,ウェツカモカモ・ダグラスが8番NO.8に移動した。クルセイダーズと2024年まで契約を延長したSHミッチェル・ドルモンドが9番で先発し,21番のブリン・ホールとローテーションしている。
なお,試合前に12番CTBデイヴィット・ハヴィリが怪我により欠場し,12番には22番のダラス・マクロードが入り,22番にはファーガス・バークが入った。
3分,クルセイダーズ9番SHミッチェル・ドルモンドがトライ。10番SOリッチー・モウンガのコンバージョン成功で,0-7。
5分,クルセイダーズ15番FBウィル・ジョーダンがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0-14。
14分,レベルズ5番LOトレヴァー・ホセアがトライ。10番SOカーター・ゴードンのコンバージョン成功で,7-14。
19分,クルセイダーズ11番WTBレスター・ファインガアヌクがトライ。モウンガのコンバージョン失敗で,7-19。
21分,クルセイダーズ14番WTBセヴ・リースがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,7-26。
27分,クルセイダーズFBウィル・ジョーダンが,故意のノッコンでシンビン。
29分,レベルズ3番PRカボウス・エロフがインゴールに入るが,TMOでノッコンが確認されて,ノートライ。
35分,レベルズ9番SHジョー・パウウェルがトライ。ゴードンのコンバージョン失敗で,12-26。
40分,クルセイダーズ13番CTBブライドン・エンノーが,インゴール近くでディフェンスがいないのにも関わらず,痛恨のノッコン。
前半,レベルズ12(2T1C)-クルセイダーズ26(4T3C)。
開始早々からクルセイダーズがあっさりとトライを重ねて,スクラムで圧倒していることを併せて,一方的なゲームになるかと思ったら,今シーズンのオーストラリアのSHで,ランニングスキルで一番目立っているジョー・パウウェルのトライなどで,レベルズが反撃している。しかし,これまでの戦績から見れば,レベルズの反撃もこれまでか。決勝進出を目指すクルセイダーズとしては,レベルズに32点以上の差を付けて勝利したい。
43分,クルセイダーズFBジョーダンがインゴールに入るが,TMOの結果タッチに出ていてノートライ。レベルズ13番CTBアンドリュウ・ケラウェイのトライセービングタックル。
46分,クルセイダーズ14番WTBリースが2つ目のトライ。モウンガのコンバージョン失敗で,12-31。
56分,レベルズ12番CTBグレン・ヴァイフがトライ。ゴードンのコンバージョン成功で,19-31。
59分,クルセイダーズ14番WTBリースが3つ目(ハットトリック)のトライ。モウンガのコンバージョン成功で,19-38。
63分,レベルズ14番WTBフランク・ロマニがインゴールに入り,TMOの結果トライ。ゴードンのコンバージョン成功で,26-38。
68分,クルセイダーズ18番PRオリヴァー・ヤーガーがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,26-45。
69分,レベルズ19番LOスティーヴ・カミンズが,オフサイドからの故意のプレーでシンビン。
69分,クルセイダーズ17番PRタマイティ・ウィリアムズがインゴールに入るが,ゴールライン手前で止められたことが確認されて,ノートライ。
72分,クルセイダーズ23番WTBマナサ・マタエレがインゴールに入るが,レベルズ11番WTBマリカ・コロイベテと14番WTBフランク・ロマニがタッチに押し出して,トライセービングタックル。
72分,クルセイダーズ13番CTBブライドン・エンノーがトライ。モウンガのコンバージョン成功で,26-52。
75分,クルセイダーズ11番WTBレスター・ファインガアヌクがインゴールに入り,TMOの結果,ダブルムーブメントが確認されてノートライ。
78分,クルセイダーズ21番SHブリン・ホールが,オフサイドの位置から故意にタックルしてシンビン。
後半,レベルズ14(2T2C)-クルセイダーズ26(4T3C)。
合計,レベルズ26(4T3C)-クルセイダーズ52(8T6C)。
クルセイダーズはミスも重なって,後半に点の取り合いになり,ハイランダーズを超えるための32点差以上の点差に6点足りず,決勝進出の可能性がほぼなくなった。また,ウィル・ジョーダンとブリン・ホールの2人のシンビンを出したのは要反省材料。なお,WTBレスター・ファインガアヌクは,オールブラックス入りへ強くアピールできたのではないか。一方のレベルズは,強豪クルセイダーズ相手に良く戦ったことが来シーズンに繋がるだろう。
ブルーズ31-21フォース
フォース監督ティム・サンプソンは,先発3人を交代し,BKラインは新しい組み合わせとなった。スーパーラグビーで100キャップを迎えるイアン・プライアーが,9番SHで先発し,レギュラーだったトマス・クベーリは欠場する。SOのドミンゴ・ミオッティは,22番のリザーブに下がり,ジェイク・マッキンタイヤーが10番で先発する。
元オールブラックスのリチャード・カフィは,14番WTBに移動し,怪我で欠場するトニ・プルに代わって,イギリス人ジョーダン・オロウォフェラが11番WTBに入った。リザーブFL20番には,ティム・アンスティーの怪我により,ベテランのブリンナード・スタンダーが入った。21番SHには,マイケル・マクドナルドが長期の怪我から復帰し,23番には脳震盪から戻ったアイルランド代表ロブ・カーニーが入っている。
サンプソン監督は,「とにかく勝利だ。この週末で願っていることは,大会最後の試合で勝利することだけだ」と述べている。
ブルーズのレオン・マクドナルド監督は,来週の決勝をホームで戦うために,今週のゲームでは,「シンプルなプレー,スマートなプレー,ハードな働きと自分たちを信じること」が重要であり,「激しさ,プライド,正確さ」に集中したいと述べている。
BKラインは変更がない。FWでは,ホスキンス・ソツツが8番NO.8に入り,アキラ・イオアネが20番のリザーブに下がった。PRは,アレックス・ホッジマンとカール・ツイヌクアフェ,ネポ・ラウララとマルセル・レナタでローテーションしている。キャプテンのパトリック・ツイプロツは,5番LOで先発し,4番LOにはジェラルド・カウリーツイオティが入った。6番FLトム・ロビンソン,7番FLダルトン・パパリイと3列も万全だ。リザーブでは,サモア代表HOレイ・ニウアが2020年以来のメンバー入りとなっている。
なお,この試合の前座として,オークランドの強豪高校セイントケンティガンカレッジ対マウントアルバートグラマーとの対戦が行われる。
5分,ブルーズ8番NO.8ホスキンス・ソツツがトライ。10番SOオテレ・ブラックのコンバージョン成功で,7-0。
28分,ブルーズ11番WTBマーク・テレアがトライ。ブラックのコンバージョン成功で,14-0。
34分,ブルーズ7番FLダルトン・パパリイがトライ。ブラックのコンバージョン成功で,21-0。
38分,ブルーズNO.8ソツツが2つ目のトライ。ブラックのコンバージョン成功で,28-0。
前半,ブルーズ28(4T4C)-フォース0。
ブルーズが縦横無尽にトライを重ねる。決勝進出には勝つだけで良いので,プレッシャーは少ない。
48分,フォース2番HOフェレティ・カイツウがトライ。9番SHイアン・プライアーのコンバージョン成功で,28-7。
56分,フォース13番CTBテヴィタ・クリドラニがトライ。プライアーのコンバージョン成功で,28-14。
64分,ブラックがPG,31-14。
69分,ブルーズ11番WTBテレアがインゴールに入り,TMOの結果,ブルーズに反則があった,ノートライ。
70分,ブルーズ16番HOレミ・ヌイアが,ラックで腕が相手の頭に当たって,シンビン。
78分,フォース23番BKロブ・カーニーがトライ。22番SOドミンゴ・ミオッティのコンバージョン成功で,31-21。
後半,ブルーズ3(1P)-フォース21(3T3C)。
合計,ブルーズ31(4T4C1P)-フォース21(3T3C)。
ブルーズは前半に勝負を決めた反動か,後半は1PGのみで終わり,逆に3トライを取られたものの,予定どおりに勝利を収めた。これで,トランスタスマンシリーズ決勝の対戦は,オークランドのブルーズ対ハイランダーズとなった。また,オーストラリア勢は,下位5チームに甘んじることとなった。フォースの元オールブラックスLOジェレミー・スラッシュが,ラインアウトなどで存在感を発揮していた。
ワラターズ7-40チーフス
チーフスのクレイトン・マクミラン監督は,シドニーに移動した最終戦に先発3人を入れ替えた。1番PRアイデン・ロスと18番ルーベン・オニールでローテーションした。HOでは,ブラッドレイ・スレイターとサミソニ・タウケイアホでローテーションした。ザイン・カペリとツポウ・ヴァアイがLOで先発し,ヴィリアミ・タウラニがリザーブに下がった。トム・フローレンスが23番に入っている。
BKでは,キャプテンのSHブラッド・ウェバーが9番に戻り,ザヴィエール・ローは21番のリザーブに下がった。オールブラックスのCTBアントン・リエナートブラウンは22番のリザーブに下がって,負担を軽減させる。マオリ・オールブラックスのショーン・ワイヌイが怪我から戻り11番WTBに復帰した。
ワラターズの監督代行であるクリス・ウィタカーとジェイソン・ギルモアは,先発5人を入れ替えた。キャプテンのSHジェイク・ゴードン(脚),FBジャック・マドックス(手),デイヴ・ポレキ(ふくらはぎ)が,アンガス・ベル,ハリー・ジョンソンホームズ,ベン・ドナルドソンの怪我人メンバーに加わってしまった。そのため,HOトム・ホートンが怪我から戻り,2番で先発する。ジャック・デンプシーは,7番FLでプレーするが,これがワラターズでの最後の試合となる。日本から加入したラーボニ・ウォーレンボスアヤコが,先週のリザーブからのプレーに続き,8番NO.8で先発する。6番FLにはラッチ-・スウィントンが入った。
SHの先発には,ジャック・グランドが久々に先発し,10番SOウィル・ハリソンとHB団を組む。マーク・ナワカニタワセはWTBからFBに移動し,怪我から戻ったジェイムズ・ラムが11番WTBで先発する。リザーブはFW6人+BK2人となり,17番PRペク・カウワンがワラターズのデビューを待つ。
このゲームでワラターズは,ディラン・バーンズがデザインした,最初の代表ジャージ(初期のオーストラリア代表は,ニューサウスウェールズ州が代行していた)を着用する。
2分,チーフス11番WTBショーン・ワイヌイがトライ。10番SOブリン・ゲイトランドのコンバージョン成功で,0-7。
15分,チーフス11番WTBワイヌイが2つ目のトライ。ゲイトランドのコンバージョン成功で,0-14。
28分,チーフス7番FLラクラン・ボシアーが,チームの反則の繰り返しでシンビン。
35分,ワラターズ15番FBマーク・ナワカニタワゼがトライ。10番SOウィル・ハリソンのコンバージョン成功で,7-14。
前半,ワラターズ7(1T1C)-チーフス14(2T2C)。
ボシアーのシンビンが痛い。
46分,チーフス11番WTBワイヌイがハットトリックのトライ。ゲイトランドのコンバージョン成功で,7-21。
50分,チーフス11番WTBワイヌイが4つ目のトライ。ゲイトランドのコンバージョン成功で,7-28。
64分,チーフス5番LOツポウ・ヴァアイが,危険なタックルでシンビン。
65分,ワラターズ11番WTBジェイムズ・ラムがインゴールに入るが,地0フス23番BKチェイス・ティアティアのトライセービングタックルでノートライ。
71分,チーフス20番FLトム・フローレンスがトライ。15番FBカレブ・トラスクのコンバージョン成功で,7-35。
76分,ワラターズ6番FLラクラン・スウィントンが危険なタックルでレッドカード(退場)。
80分,チーフス11番WTBワイヌイが5つ目のトライ。スーパーラグビー史上初の5トライを記録。トラスクのコンバージョン失敗で,7-40。
後半,ワラターズ0-チーフス26(4T3C)。
合計,ワラターズ7(1T1C)-チーフス40(6T5C)。
ワラターズは,後半にシンビンとレッドカードを連発して散々な終わり方となった。チーフスは,ダミアン・マッケンジーのレッドカードで負けたレッズ戦以外は,ほぼ安定した戦い振りで,しかもこの試合は主要メンバーを欠いた中での圧勝となったため,来シーズンにつながる結果となった。特にSOは,ブリン・ゲイトランドとカレブ・トラスクの2人で固定できれば,マッケンジーがFBで常時プレーできるので,影響が大きいと思う。
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