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<ラグビー>2024年シーズン(2月第二週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 東京に雪が降って良いことは、なによりも子供たちが遊べることで、その次は中高年の暴走族がいなくなることだ。こんなに静かな夜は、ほんとうに久しぶりだった。そういえば、雪国では暴走族が少ないように思う。暴走族撲滅のためには、雪と路面凍結は大歓迎だ。それから、さらに良い実効効率を考えれば、全てのバイクの電動化だ。車よりもバイクを先に強制的に電動化して欲しい。地球環境と騒音公害のために、こんな良いことばかりの政策はない。
 


1.シックスネーションズ第二週結果


スコットランド16-20フランス(HT13-10)

 スコットランドは、不調のFLジェイミー・リッチーがメンバー外となり、ロリー・ダージュが共同キャプテンとして7番FLで先発する。もう一人の共同キャプテンは、SOフィン・ラッセル。フランスは、レッドカードになったポール・ウィルムゼに代わって、キャメロン・ウォキが4番LOで先発する。また、11番WTBヨーアン・モエファナがメンバー外となり、新鋭のルイス・ビエルビアレイが入った。

 試合開始から、スコットランドは得点で先行し、37分にフランスにシンビンが出たこともあり、前半を13-10とリードする。後半に入ってからもPGで16-10とリードを拡げたが、69分にトライを返されて16-17と逆転され、76分にはPGで16-20と4点差に拡げられた。しかし80分に、ゴール前の猛攻でインゴールに入ったが、長いTMOの結果ボールヘルドと判定されてしまい、連勝はならなかった。このTMOについては、トライの判定をすべきだったのではないかという意見が多く出ている。

 スコットランドとしてはあと少しのところで連勝を逃した一方、フランスは不調にあえぎながら勝利したことが大きかった。

イングランド16-14ウェールズ(HT5-14)

 ウェールズは先発7人を代え、13番CTBにベテランのジョージ・ノースが復帰した。SOサム・コステロウの脳震盪による欠場で、イオアン・ロイドがSOで先発する。イングランドはメンバー変更のない構成としてきた。SOマーカス・スミスは引き続き怪我で欠場し、先発SOはジョージ・フォード、リザーブはフィン・スミスとなっている。

 インランドは、11分と16分に続けてシンビンになった他、16分にはペナルティートライ与えるなど大苦戦し、19分に個人技でトライを返したものの、37分にウェールズに二つ目のトライを取られて、前半を5-14で折り返す。後半に入ると、シンビンが終わり15人揃ったことも幸いして、PGとトライを重ねて、62分に13-14と1点差まで迫った。そして、70分にウェールズがシンビンを出した一方、イングランドはPGで16-14と勝ち越して、そのままどうにか逃げ切った。

 ウェールズは、先週に続いて接戦に負けてしまった一方、イングランドは負傷者の多いチーム事情で苦しみながらも、連勝できたのはラッキーだった。

アイルランド36-0イタリア(HT19-0)

 アイルランドは、ピーター・オマーニーの欠場により、7番FLに本来NO.8のケイラン・ドリスが移動しているなど、数ヶ所のポジションチェンジをした。イタリアは、先週病気で欠場したアンジュ・カプオッツォがFBに復帰した他、キャプテンのミケーレ・ラマロがNO.8に移動するなど、先発4人が交代している。

 イタリアは、4分にPGを外した以外得点のチャンスがなかった上に、ラインアウトを5回もミスするなどセットプレーが安定しなかった。さらに、FW戦で劣勢を強いられた上に、56分にはシンビンを出すなど良いところが全くなかった。一方のアイルランドは、終始攻勢を続け、ジョナサン・セクストンの後継者であるSOジャック・クラウリーが、自由自在にアタックをリードして、TMOによる二つのトライ取り消しがあったものの6トライを重ねて圧勝した。

 イタリアは、先週のイングランド戦の惜敗から接戦が期待されたが、アイルランドに歯が立たなかった。一方アイルランドは、RWC準々決勝敗退の影響を感じさせないほどチーム状態が良くなっている。「王様」セクストンが不在となったことで、逆に残りの選手の責任感が増したことが良い結果につながっているのかも知れない。

2.リーグワンクロスボーダーマッチ(第二週)結果

横浜イーグルス22-57ブルーズ(HT5-31)

 両チームともベストに近いメンバーにしてきた。イーグルス19番LOリアタンギ・モリは古巣との対戦になる。
 
 前半13分までは、イーグルスがアタックを繰り返し、ブルーズに攻めるチャンスを与えない形にすることで拮抗した展開となったが、なかなか得点のチャンスはなかった。その後ブルーズがボールを保持するや、チャンスを確実に得点に結びつけ、前半を5-31として、先週のサンゴリアス戦同様に前半で勝負をつけてしまった。

 後半もブルーズが次々と得点し、得意のオフロードパスを重ねるアタックで、面白いようにトライを連取する大勝となった。一方、ブルーズが後半は大幅にメンバー交代したこともあり、イーグルスが3トライできたことは大敗した中での収穫となった。

 イーグルスはスクラムが劣勢だったのが影響した他、FBザーン・サリヴァンとのFB同士の実力差が大きかったこと、11番WTBケイレブ・クラークのハットトリックの決定力、SOスティーヴン・ペロフェタのフレアーに、まったく歯が立たなかった。また、仕事量の多さで80分献身的プレーした7番FLアントン・セグナーは、観客に受けるような目立つプレーはないものの、オールブラックスの6番FLとして活躍できる堅実なプレーをしているのが評価される。一方のイーグルスでは、12番CTB梶村祐介、23番WTB竹澤正祥がアタックで良いプレーを見せていた。特に梶村はスーパーラグビーのどのチームでもプレーできる強さがあった。

クボタスピアーズ船橋東京ベイ30-35チーフス(HT8-21)

 こちらも両チームともにベストに近いメンバーにしているが、スピアーズはHOダン・コールズが欠場したのが残念。

 前半はチーフスが主導権を握り、SOジョシュ・イオアネの調子が上がってきたこともあって、8-21とリードする。スピアーズもときおり良いプレーを見せるが、チーフスのスクラムやFWに負ける部分が多く、得点に結びつかなかった。

 後半に入りチーフスは、イオアネが27分にHIAで退いた他多くのメンバー交代をしたため、スピアーズが59分のトライで23-28まで追い上げる状況となった。しかし、チーフスの交代SOジョシュ・ジェイコムは、経験値が低いながらも才能あるプレーを見せて攻守に貢献し、63分のトライでチーフスが23-35として勝負を決めた。スピアーズも75分にトライを返して5点差まで迫ったが、既にアタックできる余裕はなかった。

 全体の試合ぶりを見ると、チーフスにはノッコンやパスミスなどが多々見られた他、スピアーズに左右に振られた後に大外をアタックされるとそこに穴が開いてしまい、SOからのロングパスでトライを取られるなど、ディフェンスが整備されていない部分が目立っていた。先週ワイルドナイツがチーフスに完勝して、ワイルドナイツのチーム力の素晴らしさを再確認したが、今週のチーフスのプレー振りを見ると、今回のチーフスは弱く、ブルーズは強かったのではないかと思える結果だった。

 なお、チーフスでは特筆すべき選手は見当たらなかったが、スピアーズではWTB根塚洸雅、SH藤原忍が良いプレーを見せており、スタンドで観戦したエディー・ジョーンズも高く評価したのではないか。

3.その他のニュースなど

(1)伝説の名SOバリー・ジョンが逝去


 ウェールズ及びブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズの黄金時代のSOとして活躍したバリー・ジョンが、79歳で逝去した。

 バリー・ジョンは、1971年の有名なNZ遠征を含む1968年から71年までのライオンズのテストマッチ5試合でキャップを得ている。また1966年から72年までにウェールズ代表キャップ25を持っている。地元のラネリー及びカーディフでプレーする一方、有名なSHガレス・エドワーズとコンビを組み、25試合のウェールズのテストマッチ及びライオンズの4試合のオールブラックス戦及び1試合のスプリングボクス戦をプレーした。この間、数々の素晴らしいプレーを見せたラグビー史に残る名SOとして、多くのファンを楽しませた。27歳の若さで引退し、4人の子供と11人の孫がいる。

 同じく黄金期の名FBだったJPR・ウィリアムズが逝去した4週間後に、バリー・ジョンが亡くなったことに、何か因縁を感じさせるものがある。

(2)NRLのスター、ジョセフ・マヌーがオールブラックス入りを目指す


 NRL(13人制のオーストラリアラグビーリーグ)で主にCTBとしてプレーするNZ人ジョセフ・マヌーは、オールブラックス入りを目指して、コードスイッチ(ユニオンへの移籍)を検討している。マヌーは、2022年のリーグのNZ代表キーウィーズのプレーで、同年の最優秀選手賞に輝いた27歳のスター選手であり、また所属のシドニールースターでは、2度のチーム優勝獲得に貢献している。

 関係者によれば、マヌーはルースターとの契約が難航しており、今年12月から来年5月にかけて、短期間日本のクラブチームへ移籍するアイディアが出ている。その後、ルースターに戻るのは契約上難しいと見なされているため、本人としてはNZのクラブチームと契約し、オールブラックス入りを目指したい意向だ。

 最近では、リーグのスターSOロジャー・ツイヴァサシェックがオールブラックス入りしたが、結局ユニオン(15人制)に馴染めずに元のリーグに戻った例がある。一方、CTBソニービル・ウィリアムスのように成功した事例もあるため、一般的に12~15番のポジションであれば成功しやすいと思われる。マヌーは、192cm、98kgとフィジカルもあるので、ユニオンで活躍できる可能性はあるだろう。

(3)南アフリカのコーチ陣が決まり、トニー・ブラウンがアタック担当コーチに就任


 ラッシー・エラスムスが監督に再任した南アフリカ・スプリングボクスの、アシスタントコーチ陣が発表された。注目されるのは、元オールブラックスSOで、日本のワイルドナイツでのプレー及びコーチを経て(先週のゲームでワイルドナイツがチーフスに勝ったのは、ブラウンの遺産があったからだ)、日本代表のアタック担当アシスタントコーチとして、日本代表の躍進を支えた最大の功労者であるトニー・ブラウンが、新たにアタック担当のアシスタントコーチに就任したことだ。

 日本代表躍進の評価は、監督であるエディー・ジョーンズとジェイミー・ジョセフに集中しがちだが、世界的に高い評価を受けている日本代表の創意あふれるアタックを築き上げたのは、元オールブラックスSOのトニー・ブラウンであった。その彼が、伝統的にキッキングゲームとFW戦を柱に据えているスプリングボクスのアタックを、どこまで変えられるかは未知数となっている。

 これまで、スプリングボクスの数人の監督が、オールブラックスのような15人一体になったラグビーを目指した時期もあったが、いずれもチームが弱体化する結果になっているため、ブラウンの斬新なアタックがスプリングボクスに受け入れられる可能性は低いように思われる。そのため、エラスムス監督は良いとしても、チームのプレヤーに受け入れられずにコーチングが難航してしまい、結果的に退任する可能性を残している人選ではないかと思われる。

 なお、このような世界的に高い評価を受けている優れた人材を簡単に手放した、――ありていに言えば、エディー・ジョーンズを再任させるために手放した――日本協会としては、大きな損失であったと言わざるを得ない。もしブラウンをアタックコーチとして起用できる優れた監督を日本代表に迎え入れることができたのなら、選手時代から日本ラグビーと日本代表に尽力してくれたブラウンの才能に、日本代表という最大限に生かせる環境を連続して提供できたことを考えれば、これは日本ラグビーだけでなく、世界ラグビーにとっても大きな損失であったと思う。

(4)リー・ハーフペニーが、大胸筋の怪我で3~4ヶ月の欠場


 今シーズンからクルセイダーズに移籍した、元ウェールズ代表FBリー・ハーフペニーは、先週のマンスターとのプレシーズンマッチに出場したところ、大胸筋を痛めてしまい手術を要することとなった。プレー復帰までには3~4ヶ月かかる見込みで、今シーズンのクルセイダーズのゲームの大半でプレーできないこととなってしまった。なお、シーズンの終わりごろに復帰することが当面の目標ということだ。

(5)NZは、男女セブンズに若手を入れて改善を図る


 昨シーズン男女ともに世界王者となったNZのセブンズは、今シーズンは不振を続けており、オリンピックに向けてチームの立て直しを求められている。そうした中で、女子のブラックファーンズセブンズには、ウェリントンの17歳の高校生ジャスティン・マクレガーをスコッド入りさせ、男子のオールブラックスセブンズには、21歳のジャイダン・キーランをスコッドに加えた。

 セブンズの世界は、ベテランのスキルよりも若手のスピードとフィットネスが優る傾向にあるため、2月23~25日のヴァンクーヴァーセブンズと3月1~3日のロスアンゼルスセブンズでの、NZ勢の復活及び活躍が期待される。

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