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<ラグビー>トライネーションズ第5戦アルゼンチン対オールブラックス,結果

ビデオハイライト

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オールブラックスは,元アルゼンチンのサッカー代表ディエゴ・マラドーナへの追悼として,キャプテンのサム・ケーンが,ハカ(カパオパンゴ)の前に,マラドーナの名前の入った背番号10のオールブラックスジャージを寄贈した。

6分,オールブラックス14番WTBジョルディ・バレットが,45mのPGを失敗。
10分,オールブラックスFBボーデン・バレットが,アドバンテージが出ている状態でインゴールに入るが,TMOの結果ノッコンしているとしてノートライ。そして,不思議なことに,アドバンテージが解消されていないのにもかかわらず,アルゼンチンボールのスクラムになる。

12分,オールブラックスが,右中間ゴール前5mラックからSOリッチー・モウンガが右へ飛ばしパス。これを受けた,HOダン・コールズが右スミにトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0−7。
17分,モウンガがPG,0−10。

ここまで,オールブラックスは,スクラムで圧倒的に優勢。それがチームに勢いをもたらしている。また,ラインアウトのターゲットとして,6番FLアキラ・イオアネが活躍している。

40分,モウンガがPG失敗。

前半,アルゼンチン0−オールブラックス10(1T1C1P)。
アキラがラインアウトのキャッチャーの他,特にディフェンスで活躍。スクラムは,アルゼンチンを圧倒し,この試合の武器になっている。ただし,40分間のほとんどを攻めていたのにもかかわらず,10点だけというのは物足りない。2〜3回のトライチャンスを逃している。

52分,オールブラックスが,ゴール前左ラインアウトから,ボールを取った4番LOスコット・バレットからのパスを受けたNO.8アーディ・サヴェアが,左中間にトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0−17。
68分,オールブラックス23番WTBウィル・ジョーダンが,アルゼンチンのパスミスを拾い,45m走りきって中央にトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0−24。

70分,オールブラックス23番WTBウィル・ジョーダンが,アルゼンチンのパスをインターセプトして,55mを走りきって右スミにトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0−31。
81分,オールブラックス22番WTBリエコ・イオアネがインゴールに入るが,その前のブレイクダウンで,18番PRタイレル・ローマックスが,アルゼンチン選手の頭に触れてスイープしてシンビン。トライもなし。

85分,オールブラックスが,左中間22mラックから右展開。ラインに参加した19番LOパトリック・ツイプロツが右中間にトライ。モウンガのコンバージョン成功で,0−38。

後半,アルゼンチン0−オールブラックス28(4T4C),合計アルゼンチン0−オールブラックス38(5T5C1P)。

MOMは,スクラムで圧倒した,1番PRジョー・ムーディと3番PRネポ・ラウララ。そして,6番FLアキラ・イオアネがよく頑張った。これでシャノン・フリッゼルとのポジション争いが楽しみになった。BKでは,交代出場のウィル・ジョーダンが,相手ミスにつけ込んでの2トライと精彩を見せた。カレブ・クラークの活躍が注目されていたが,クラークとともにジョーダンも,オールブラックスの先発争いに食い込む逸材であることが証明されたので,来シーズンからのオールブラックスのBKは,大きなリシャッフルがあってもおかしくない。

しかし,後半も取り切れなかったトライが2〜3個はあったので,前半と合わせて最大6個のトライを取り損ねたことは反省材料だ。また,81分にタイレル・ローマックスがシンビンになったように,軽率な反則には引き続き注意せねばならない。本来なら,スクラムを何度もつぶしたアルゼンチンにシンビンが出ても良かった一方,オールブラックスには過度に厳しい判定が下される傾向があることを念頭に置いて,さらに規律の強化が急務となっている。

試合結果からは,本来のオールブラックスとアルゼンチンとの実力差を率直に反映したものとなった。また,前の試合は,ひとえにオールブラックスの反則の多さによる自滅であり,決してアルゼンチンが良い試合をしたわけではなかったことが証明された。

この試合でアルゼンチンは,母国の英雄マラドーナの逝去という,非常に高いモチベーションを持って試合に臨んだ他,オールブラックス戦の勝利に続き,オーストラリア・ワラビーズに引き分けるという最高のコンディションで戦った。一方のオールブラックスは,監督のイアン・フォスターへの解任要求,キャプテンのサム・ケーンとファンとのネットを通じた言い争いなど,非常に大きなプレッシャーを抱えた戦いであった。

そのため,試合前のアドバンテージでは,オールブラックスよりもアルゼンチンがより有利な状況であったため,アルゼンチン連勝の期待を込めて予想する評論家もいるくらいだった。しかし,オールブラックスは,そうした大きなプレッシャーを見事に跳ね返し,個々の選手の持つ素晴らしいスキルとポテンシャルで,アルゼンチンを一蹴して見せた。

NZのみならず,世界中のファンは,オールブラックスのこのような素晴らしいラグビーを見たいのだ。

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