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<ラグビー>2024年シーズン(3月第五週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

〇 2024年は3月31日がイースター(復活祭)で、29日がグッドフライデー(イエスが磔刑になった日)、4月1日がイースターマンデー(イエスが復活・昇天した日)になる。「復活」というのは、キリスト教におけるイエス(ヘブル⦅ヘブライ⦆語の「ヤーウェ」は、救いを意味する「ヨシュア」に関連した、ギリシア語「イエソウス」に由来する言葉で、その意味は「救世主」)の生き返り・再生・復活を祝う祝日だ。
 
 しかし、キリスト教がヨーロッパ世界に浸透する際に、ローマンカソリック教会が、ケルト・ゲルマン由来の(冬を越えて植物が芽吹く)春祭りをイースターに挿げ替えたのが真相だ。そして、再生・復活を象徴する卵がイースターの主役になっている(ただし、卵は極めて神話的な象徴であり、キリスト教以前の古代の諸宗教で重要なイメージである)。ヨーロッパでは、卵型の菓子を子供たちに与えたり、その菓子を庭に隠して探させるゲームをしたりしている。
 
 日本では、クリスマスとハロウィーンに大騒ぎしているが、同じ宗教行事であるイースターは、今のところ大騒ぎする対象になっていない。おそらく季節的に桜の花見とぶつかることがその背景にあると見ている。一時期商業的理由で流行したバレンタインデーとホワイトデーは、最近ようやく下火になったようだが、わざわざ異教徒の風習で大騒ぎするのではなく、日本古来の二十四節気を祝うべきではないか。

 そうすると、バレンタインデーは「雨水・うすい」、ホワイトデーは「春分・しゅんぶん」、イースターは「清明・せいめい」、ハロウィーンは「霜降・そうこう」、クリスマスは「冬至・とうじ」にそれぞれ代えて、日本の素晴らしい季節を迎える喜びを大いに寿ぎたい。
 
〇 タイミングがずれるので、今回書かせてもらうが、朝ドラの最終回は、いささかドラマツルギーとしては片手落ち感があった。つまり、最終回が「歌手スズ子」としてのフィナーレを描いて終わったが、「人間スズ子」としての終わりは描かれていなかった。
 
 もし「歌手スズ子」としてだけのドラマであれば、前半に長々と子供時代を描く必要はなく、梅丸歌劇団に入るところから始めれば十分だった。それを子供時代から始めたのは、(もしかしたら、ストーリーを延ばすためだけかも知れないが)「人間スズ子」を描くためであるはずだ。そして、そうであれば「人間スズ子」としての終わりを描く必要がある。
 
 従って、「人間スズ子」としての大団円となるためには、木曜に引退コンサート(ちなみに、舞台挨拶で作曲家羽鳥に言及して欲しかった)という「歌手スズ子」の終わりを描き、金曜に「人間スズ子」としての晩年の生活を描写した後、すでに成人している娘が、スズ子の死を、実父の形見である懐中時計を握りしめながらみとる場面で終わるべきだったと思う。もちろん、死ぬ少し前に「銭湯に行きたい」と言って、大きな湯船に浸かって子供時代を思い出す場面は必須だ。
 


1.リーグワンのTV中継等について

 今週は、リーグワン(ディビジョン1)の試合がないので、以下に愚痴を書かせていただく。

 スカパーのTVガイド4月分が来たので、ラグビー中継(追加料金なしのものに限定し、ネットのオンデマンドも対象外)をチェックしてみたら、なんと生放送が激減している上に、再放送もプロ野球放送のため、放送時間が確定していないという、酷い有様だった。

 今年はリーグワンのみならず、スーパーラグビーは既に中継がまったくないし、高校の選抜大会も決勝戦のみを再放送するだけだ。まったく、「ラグビーはマイナースポーツで視聴率が取れないから、空いた放送枠の穴埋め的に使えば良い」という扱われ方だ。

 「RWCのときだけ、そして年寄りに人気のある大学ラグビーだけを放送していれば良い」というのが、現在の方針なのだろうか。もとより地上波での放送が皆無に近くなっている現状で、さらにかつては「ラグビー中継専門局」という代名詞もあったスカパーが、こんなことになっているのででは、益々日本中の子供たちがラグビーをやらなくなり、そしてせっかく世界のトップ選手たちが素晴らしいプレーを披露している、リーグワンを頂点とした日本ラグビーが、時間とともに衰退してしまうのではないか。

 それから、ラグビーマガジンに最近、秩父宮建て替えについての記事が連載されている。一時は、「他用途の利用は商業主義なので反対」、「屋根付き反対、ラグビーは雨が降っても槍が降ってもやるものだ」、「人工芝反対」、「客席数減反対」といった極論の声が大きかったが、さすがに時間が経つにつれて冷静になってきたようで、ラグビーマガジンの記事でも、屋根付きであることのメリット、人工芝の進化、他用途で使用することによる経営改善、客席数減少は座席に余裕をもたせるためなどを、きちんと説明するようになった。私としてはまったく期待していなかったが、私の持論である屋根付き・人工芝・多用途利用などの意見が通るようになっていることに安心している。

2.スーパーラグビー第6週結果

クルセイダーズ37-26チーフス

 連敗中のクルセイダーズは、デイヴィット・ハヴィリが怪我で欠場したが、それでもオールブラックスのいる良いメンバーを揃えている。一方のチーフスは、SOダミアン・マッケンジーを休養させ、日本での試合で好プレーをしていた若手のジョシュ・ジェイコブズを先発させ、ジョシュ・イオアネは引き続き22番のリザーブに回った。また、14番WTBにエモニ・ナラワが戻ってきた。

 ようやくクルセイダーズは連敗を止めた。さすがに大黒柱のマッケンジーを欠き若いジェイコブスがリードしたチーフスには無理があった。クルセイダーズは、新鋭SHノア・ホッサムが良い働きをしていたので、これからオールブラックスのSH争いに絡んできそうだ。

ワラターズ21-27レベルズ

 ワラターズのランギ・グレーソンとレベルズのロブ・レオタの両NO.8の当たり合いが注目された。試合は、調子を上げているレベルズが、ワラターズに辛勝した。リードが二転三転するなか、最後にレベルズが良いトライを決めて勝利したが、SHライアン・ローレンスの好プレーが目立っていた。

フィジードルア31-13フォース

 好調のドルアに対し、先週の勝利の立役者であるフォースSHニック・ホワイトのプレーが期待されたが、やっぱり、ドルアは強かった。そして、スコールの下、とてもラグビーをやるような環境ではないことも、ドルアのホームアドバンテージとなった。しかし、これはラグビーではなく、たんなる泥んこ水遊びでしかないように思う。

モアナパシフィカ8-47ブルーズ

 モアナの12番CTBジュリアン・サヴェアのトライ記録更新なるか。ブルーズはオールブラックスを揃えて万全な体制。しかし、サヴェアにトライチャンスはなく、ブルーズが圧勝した。モアナはミスが多く目立っていた一方、ブルーズはWTBマーク・テレアのハットトリックなど、やることなすこと全て上手くいっていた。

ハイランダーズ12-47ハリケーンズ

 ハイランダーズはSOリーズ・パッチェルを中心にうまくプレーしたいが、ハリケーンズは、メンバー編成に嬉しい悲鳴が出るほど若手が成長している。この試合では、FBにルーベン・ラヴが戻ってきた他、SHはキャメロン・ロイガードが先発、リザーブにTJ・ペレナラが入っている。このままオールブラックスの9番と21番になってもおかしくない。

 好調のハリケーンズは6連勝となった。今年は優勝に向けてかなりいけるかも知れない。一方のハイランダーズは意外と大差で負けてしまった上、パッチェルが機能しなかった。ハリケーンズは、0-33と大量リードして勝負を早々に決めた一方、SHロイガードとペレナラがトライするなど、良いプレーを連発していた。ペレナラは60トライとなりジュリアン・サヴェアにスーパーラグビーの記録に迫った一方、ロイガードは左膝を怪我した(おそらく脱臼か?)のが心配される。もしかすると、今シーズンは無理かも知れない。

レッズ19-20ブランビーズ

 レッズのマット・ファエスラーとブランビーズのラクラン・ロナーガンの両HOは今シーズン好調で、このワラビーズへ向けたセレクションとも言えるゲームで、良いプレーを見せたい。ゲームは、FWのレッズ、BKのブランビーズという展開で一進一退となったが、最後にブランビーズSOノア・ノレシオがPGを決めて勝利した。エディー・ジョーンズ前監督によってワラビーズから外されたロレシオだが、今シーズンのブランビーズのプレー振りを見れば、ジョー・シュミット監督がワラビーズに戻すのは確実と思われる。

3.その他のニュースなど


(1)NZヘラルドが選ぶ、現時点でのオールブラックスメンバー

 NZヘラルドのクリストファー・リーヴが、現時点のスーパーラグビーのプレー振りから、オールブラックスの23人を選んでいる。なお、リーグワンのプレーから復帰予定の、サム・ケーン、アーディ・サヴェア、ボーデン・バレットなどの実績ある実力者は対象外にしている。

1.イーサン・デグルート
2.サミソニ・タウケイアホ
3.タイレル・ローマックス
4.スコット・バレット
5.ツポウ・ヴァアイ
6.ルーク・ジェイコブソン
7.ダルトン・パパリイ
8.ホスキンス・ソツツ
9.キャメロン・ロイガード
10.ダミアン・マッケンジー
11.マーク・テレア
12.ジョルディ・バレット
13.リエコ・イオアネ
14.セヴ・リース
15.ショーン・スティーヴンソン

16.ジョージ・ベル
17.オファ・トゥンガファシ
18.フレッチャー・ニュウウェル
19.イザイア・ウォーカーリーウェア
20.ビリー・ハーモン
21.フォラウ・ファカタヴァ
22.アントン・リエナートブラウン
23.ルーベン・ラヴ

 このほか、PRではアイダン・ロス、HOではコーディ・テイラー、アサフォ・アウムア、LOではサムエル・ホワイトロックの一時的復帰、クインティン・ストレンジ、ジョシュ・ロード、ナイトア・アークオイ、ファビアン・ホランド、パリパリ・パーキンソン、FW3列では、日本から戻るサム・ケーンとアーディ・サヴェア、サミソニ・フィナウ、カレン・グレース、カイラム・ボシィアー(日本ではボーシェーと表記)、ピーター・ラカイ、アキラ・イオアネ、

 SHではフィンレイ・クリスティー、コルティス・ラティマー、TJ・ペレナラ、アーロン・スミスの復帰(?)、SOではスティーヴン・ペロフェタ、ブレット・キャメロン、ボーデン・バレット、CTBではデイヴィット・ハヴィリ、ダニエル・ロナ、ツポウ・ヴァアイ、WTBではエテネ・ナナイセツロ、エモニ・ナラワ、ジョシュ・ムービー、キニ・ナホロ、ケイレブ・クラーク、FBでは怪我から復帰予定のウィル・ジョーダン、ジェイコブ・ラツマイタヴキニープケン、ザーン・サリヴァンらが候補となっている。特に、ケーン、サヴェア、ボーデン・バレット、ペレナラ、怪我から戻ったジョーダンらは、かなりの高い確率でオールブラックスに戻ると思われる。

 一方、監督のスコット・ロバートソンが明言していない関係から、ケーンが担っていたキャプテンを誰にするかについては、全く読めない状況になっている。キャプテンは文字通りのチームの中心であるので、7月のイングランド戦に向けて早期に指名することが期待される。なお、ケーンの続投可能性は低いと見られているが、上記23人の中から候補となるのは、スコット・バレット、ジェイコブソン、パパリイの3人ではないかと思われる。また、サヴェアが復帰した場合は、有力候補になるだろう。

(2)アーディ・サヴェアのインタビュー

 日本の神戸スティーラーズで今シーズンのみプレーしている、昨年のWR最優秀選手賞に選ばれた、オールブラックスNO.8アーディ・サヴェアが、日本でのプレーやNZへ復帰後のことなど、インタビューにいろいろと答えている。

 それによると、サヴェアは現在の日本でのプレーや生活をとても楽しんでおり、NZに戻ってからプレーするための良い経験になっている上に、何よりもリフレッシュできていることを喜んでいる。また、足元をすくわれるチョップタックルを多数見舞われるなど、日本ラグビーのレベルは十分に高く、日本でプレーすることは選手としての成長に有効であると見ている。

 また、日本からスーパーラグビーの古巣のハリケーンズのゲームや、兄ジュリアンがプレーするモアナパシフィカのゲームを良く見ていて、ハリケーンズやウェリントンには、新たな選手が入ってきて活気づいているのがわかる。サヴェア自身は長年ハリケーンズとウェリントンでプレーしたことで、自分の役割などがマンネリ化していたが、今回日本でプレーしたことにより、また新たな気持ちでプレーできるのがとても楽しみだと述べている。

 先日のシックスネーションズではアイルランドが優勝し、世界ランク1位を維持したが、サヴェアの見方は、やはりRWCで優勝したスプリングボクスが、現時点では世界のトップチームであり、今年南アフリカでスプリングボクスと2試合を行うことが、オールブラックスの最大の山場だと期待している。

 オールブラックスのスコット・ロバートソン監督とは、何回か連絡を取っており、自分の良い点や改善すべき点などを指導してもらっている。オールブラックスのキャプテンについては、サム・ケーンが怪我をしていることもあり、サヴェアが指名される可能性もあるが、サヴェアとしては、全くキャプテンになることは意識していない、誰がキャプテンになっても自分のプレーをするだけだと述べている。

 さらにサヴェアは、現在日本でともにプレーする、リッチー・モウンガやシャノン・フリッゼル、そしてフランスでプレーするレスター・ファインガアヌクは、オールブラックスでプレーする意志はあるものの、NZ国内でプレーしていない場合はセレクションの対象にならないため、今シーズンのオールブラックス入りが不可能となっていることについて、ラグビーは年々変化し、時代とともに大きく変化しており、RWCで優勝したスプリングボクスは、23人中の半分以上が海外でプレーしていたので、例えばオーストラリアのように海外でプレーする選手も選考対象にするように、近い将来なるのではないかと述べている。


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