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<ラグビー>トライネーションズ第3戦オールブラックス対アルゼンチン、結果

参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-ian-foster-says-all-blacks-got-rattled-again-in-25-15-loss-to-argentina/E26V7CJUBDDT4COGFBGKCRFT5E/
https://www.nzherald.co.nz/sport/tri-nations-rugby-all-blacks-stunned-by-argentina-for-first-ever-defeat-to-pumas/T7Y7PUIXJTVZTJ2IHWSIC2UK7U/
ビデオハイライト
https://super.rugby/therugbychampionship/
https://www.allblacks.com/videos/highlights-all-blacks-v-argentina-sydney/

オールブラックスのハカは、いつものTJ・ペレナラが不在のため、SHアーロン・スミスが久々にリード。

3分、アルゼンチンSOニコラス・サンチェスが、DG失敗。
6分、サンチェスがPG、0-3。

12分、オールブラックスSOリッチー・モウンガがPG、3-3。
19分、アルゼンチンが、右中間22mラックから左展開。SOサンチェスがショートキックし、アルゼンチン選手の身体に当たるも問題なしとしてスルーされ、サンチェスがボールを再確保して中央にトライ。サンチェスのコンバージョン成功で、3-10。

25分、サンチェスがPG失敗。
27分、サンチェスがPG、3-13。

33分、サンチェスがPG、3-16。

前半、オールブラックス3(1P)-アルゼンチン16(1T1C3P)。
オールブラックスは反則が多く、スクラムも不安定。先週の反省が全く生かされていない模様。

49分、サンチェスがPG、3-19。
53分、オールブラックスが、左ゴール前5mラインアウトでNO.8アーディ・サヴェアがリフティングせずにボールをキャッチ、そこからモール。7番FLサム・ケーンが、左スミにトライ。SOモウンガのコンバージョン成功で、10-19。

58分、サンチェスがPG、10-22。
77分、サンチェスがPG、10-25。

82分、オールブラックスが、ポスト右ゴール前ラックから左展開。11番WTBカレブ・クラークが左中間にトライ。モウンガのコンバージョン失敗で、15-25。

後半、オールブラックス12(2T1C)-アルゼンチン9(3P)。合計、オールブラックス15(2T1C1P)-アルゼンチン25(1T1C6P)。

先週のワラビーズ戦に続き、トライ数で優りながらPGで負ける。チームが逆転できる状態になったときは既に時間切れで、連敗してしまった。アルゼンチンには、30試合目にして初めての敗戦。また連敗するのは、2011年以来となり、この100年間では5回目。

ゲームのスタッツでは、ターンオーバーがアルゼンチン9-3オールブラックス、反則はアルゼンチン8-10オールブラックスで、オールブラックスは自陣での反則を尽く得点に結びつけられた。6番FLシャノン・フリッゼルとHOダン・コールズの不要な反則は、とりわけ得点に影響してしまった。

また、前半終了前には、WTBカレブ・クラークからのトライに繋がるパスを、交代出場のリエコ・イオアネがノッコンしてフイにする。後半も70分頃に、交代出場のホスキンス・ソツツのゴール前でのオフロードパスを、交代出場のダミアン・マッケンジーが取れず、そのままタッチに出てトライをフイにした。この2つのトライ&コンバージョンで14点取っていれば、29-25で勝利していたゲーム。

選手のプレー評価では、NO.8アーディ・サヴェア、SOリッチー・モウンガ、13番CTBアントン・リエナートブラウン、FBボーデン・バレットが低かった。

アルゼンチンがブレイクダウンで良いプレーをしていたが、それは前ワラビーズ監督マイケル・チェイカの指導があったからと思われ、特にキャプテンの6番FLパブロ・マテーラは、重要なポイントでターンオーバーを連発し、勝利の立役者となった。

オールブラックスのキャプテン、サム・ケーンのコメント:
「規律に問題があった」
「前半は反則が多く、フラストレーションを溜めていた」

「今回の教訓は、テストマッチでは、正しい方向性を持って調子を引き上げていくこと、また毎週末に向けて正しい態度で臨むことをしなければ、成果を得られないということだ」

オールブラックス監督イアン・フォスターのコメント:
「アドバンテージでプレーしていたのが、一瞬で反対になってしまったことが、繰り返された」
「今週は、全てが自分たちのやりたいように上手くいかず、その結果を反省することになった2回目となった」
「我々は大きな衝撃を受けているが、アルゼンチンは誇るべきプレーをした。彼らには歴史的なゲームとなった」

【個人的見解】
先週Bチームでワラビーズに惜敗し、その反省を込めて今週はAチームで臨んだのですが、まさかの連敗でしかもアルゼンチンに初勝利を献上するという、まさにオールブラックスが自ら土俵を割ったような、独り相撲で自滅したゲームでした。

こんな無様なオールブラックスは久しぶりに見るものですが、これだけでオールブラックスは弱体化した、既に世界王者ではないと軽々に決めることはできないと思います。それは、豊富なスキルある選手層の厚さで、今回活躍できなかったとはいえ、オールブラックスに選ばれている選手たちは、いずれも世界トップのラグビー選手ですから、メンバーが良くないとは間違っても言えません。

また、先週、今週とノーサイド直前に良いトライを記録していますが、これは勝負が決まったため相手が手を抜いて取らせてくれたものではありません。オールブラックスが最初から正確にプレーできていたら、ゲーム開始直後でも取れたトライです。それが、82分という時間帯にならないとプレーできないことが問題です。たんなるスロースタートとかエンジンのかかりが遅いとかいう問題ではなく、チーム全体の意識の問題です。

それは、反則の多さにも言えるもので、先週のスコット・バレットの反則に続き、今日もサンチェスにPGを蹴らせる不要な反則が多くありました。これらは、避けられないものでなく、ちょっとした意識の持ちようですぐに修正できます。

さらに、リエコの2回目となるゴール前でのノッコンや、マッケンジーも昨年のRWC準決勝を彷彿とさせるゴール前でのミスとなりました。先週のワラビーズ戦でも、こうしたコミュニケーションミスによりボールをターンオーバーされたプレーが、反省材料として記事になっているのを見ましたが、これらは全て、練習不足とリーダーシップの無さに起因するものです。

従って、プレーの質やスキルなど、どうしようもない問題が敗因となっているのではなく、少しの意識改革で簡単に修正できるものが敗因となっています。

しかし、これを改革できないでいるということは、コーチングの問題でしょう。現監督のイアン・フォスターは、前監督のスティーヴ・ハンセンからの継続性を考慮して選出されましたが、生憎とうまく継続できたのは、ハンセン体制後期に出てきた規律の悪さであったようです。そして、こうした問題を想定して、フォスターとは2年契約にしたのですが、既にこの連敗でオールブラックスは緊急事態に入っています。

まずは、今年最後のテストマッチとなるアルゼンチンとの再戦に備えて、前監督のハンセン、元監督のサー・グラハム・ヘンリー、さらに元監督及び名アシスタントコーチであったウェイン・スミスを招集して、現チームへのアドバイスをしてもらうべきです。

そして、フォスター選出のときに惜しくも漏れてしまった現クルセイダーズ監督のスコット・ロバートソンを、オールブラックスの新たな監督に指名し、2023年RWCに向けて、チームに残る悪い空気を一新するべきです。そして、2003年のヘンリー体制から構築してきた現オールブラックスを、今年は刷新・再生(リセット、ルネッサンス)するときにあるのではないでしょうか。

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