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<ラグビー>オールブラックス対フィジー第2テスト,プレビュー

オールブラックス対フィジー、第2テストマッチ

日時:2021年7月17日(土)19:05キックオフ
場所:FMGスタジアム,ハミルトン
レフェリー:アンガス・ガードナー(オーストラリア)
アシスタントレフェリー1:ダーモン・マーフィー(オーストラリア)
アシスタントレフェリー2:ジョーダン・ウェイ(オーストラリア)
TMO:ジェイムズ・レッキー(オーストラリア)

フィジー:
ペニ・ラヴァイ、サム・マタヴェシ、メサケ・ドジェ、テモ・マヤナヴァヌア、レオーネ・ナカラワ(キャプテン代行)、ジョニー・ダイアー、メスラメ・クナヴラ、ペセリ・ヤト、フランク・ロマニ、ベン・ヴォラヴォラ、ネマニ・ナドロ、エネリコ・ブリルアルア、ワイセア・ナヤカレヴ、キニ・ムリムリヴァル
(リザーブ)
メスラメ・ドロコト、エローニ・マウィ、リーロイ・アタリフォ、アルバート・ツイスウ、キチオネ・カミカミカ、モーゼス・ソロヴィ、テチ・テラ、マナサ・マタエレ

オールブラックス:( )内は、キャップ数。
ジョージ・ボウワー(2)、コーディ・テイラー(57)、ネポ・ラウララ(30)、スコット・バレット(41)、サムエル・ホワイトロック(124、キャプテン代行)、アキラ・イオアネ(3)、アーディ・サヴェア(49)、ルーク・ジェイコブソン(4)、アーロン・スミス(98)、リッチー・モウンガ(23)、セヴ・リース(9)、デイヴィット・ハヴィリ(4)、アントン・リエナートブラウン(49)、ウィル・ジョーダン(4)、ダミアン・マッケンジー(29)
(リザーブ)
ダン・コールズ(76)、イーサン・デグルート(1)、アンガス・タアアヴォ(15)、ブロディー・レタリック(82)、シャノン・フリッゼル(14)、ブラッド・ウェバー(8)、ボーデン・バレット(90)、リエコ・イオアネ(35)

プレビュー:
フィジーのNZ人監督ヴァーン・コッターは、キャプテンのCTBレヴァニ・ボチアが、膝の怪我で欠場するため、ヨーロッパで活躍しているLOレオーネ・ナカラワをキャプテン代行に指名した。また、隔離の関係でメンバー外だった、オーストラリアのレッズでプレーする、SHモーゼス・ソロヴィ、BKテチ・トアの2人がリザーブに入っている。なお、クルセイダーズでプレーする23番のマナサ・マタエレは、CTBとバックスリーをカバーする。

コッター監督は、「今週のオールブラックスのFWはさらに強力になっているので、我々がお手上げになるようなプレッシャーをかけてくるだろう。そのため、我々はディフェンスラインを勇気と情熱で確かにしなければならない」と用心している。

オールブラックスのイアン・フォスター監督は、クルセイダーズのスコット・ロバートソン監督がNZ協会と契約延長をしたため、今年相当に良い成績を残さない限りは、任期延長が難しくなったように思われる。そのため、来るザ・ラグビーチャンピオンシップでの、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチンとの世界トップレベルとの戦いに備えて、このフフィジー戦までに、チームを整える必要がある。

注目されたSO争いは、FBジョルディ・バレットがメンバー外となり、FBにダミアン・マッケンジーが戻ったこともあり、リッチー・モウンガが先発し、ボーデン・バレットは22番のリザーブとなった。フォスター監督によれば、日本から戻ってきて、まだチームに十分適合していないとのことだ。

一方、怪我で欠場していたアントン・リエナートブラウンが13番CTBに戻ってきたため、懸案事項であったCTBは、12番でデイヴィット・ハヴィリが良いプレーを見せていることから、ハヴィリ12番リエナートブラウン13番に落ち着きそうだ。そのため、リエコ・イオアネが23番のリザーブになっているが、CTBもできるとはいえキック能力が必要とされるFBまでは無理なので、今後オールブラックスとしての立ち位置が難しくなるだろう。

同じくBKでは、好調のウィル・ジョーダンがWTBに入り、残る1枠は調子が戻らないジョージ・ブリッジに代わってセヴ・リースが入った。昨年活躍したカレブ・クラークは、セヴンズでもサポートメンバーとして東京オリンピックに参加しているが、15人制でもポジションが危くなってきた。NZの次々と生まれる才能には感心してしまう。

なお、SHは、TJ・ペレナラがまだプレーできる状態ではないため、リザーブにブラッド・ウェバーが入ったが、ザ・ラグビーチャンピオンシップに入ってからは、ペレナラとの争いになるだろう。

FWでは、怪我をしていたアーディ・サヴェアが7番FLに戻り、前戦で課題となったブレイクダウンでの戦いに挑む。オールブラックスのオープンサイドFLとしては、キャプテンのサム・ケーンがいるが、今年一杯は胸の怪我でプレーできないため、ブルーズで活躍したダルトン・パパリイが期待された。しかし、ふくらはぎの怪我でプレーできないでいる。そのため、サヴェアの責任がチーム内で大きくなっている。NO.8は、好調のルーク・ジェイコブソンが入った。脳震盪さえなければ、キアラン・リードの後継者に期待された人材なので、ようやくここまで来たという印象だ。今後は、マルチタレントのホスキンス・ソツツとの争いが好影響をもたらすだろう。

ブラインドサイドFLは、リザーブになったシャノン・フリッゼルと先発するアキラ・イオアネ、そして今週は休場するイーサン・ブラカッダーの戦いになっている。アタック力はアキラがトップなので、ここでトライを重ねる活躍をしたい。LOは、ブロディー・レタリックがリザーブになり、大ベテランのサムエル・ホワイトロックと中堅のスコット・バレットになった。先週活躍できなかったパトリック・ツイプロツは一歩後退となった。フロントローは、アンガス・タアアヴォがリザーブに入った以外は、あまり変化はないが、4トライを挙げたHOダン・コールズは、引き続きスーパーサブ的な存在になりそうだ。

なお、先週はHOが複数のトライを挙げる珍しいゲームが多かった。4トライのコールズの他、ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズのジェイミー・ジョージが2トライ、イングランドHOジェイミー・ブレイミアーが3トライ、アイルランドHOローナン・ケラファーが4トライを記録した。

ところで、この試合で、サヴェアとリエナートブラウンは50キャップを迎える。オールブラックスも、1903年のワラビーズ戦以来、テストマッチ600試合目となる。

また、先週のゲームで、SHアーロン・スミスとSOボーデン・バレットは34試合で28勝を記録した。これは、SHジャスティン・マーシャルとSOアンドリュウ・マーテンズが41試合で達成した28勝に並ぶ記録となった。この試合で勝利すれば、マーシャルとマーテンズの記録を抜くことになる。

ゲームは、オールブラックスが課題となったブレイクダウンでの戦いに勝利するとともに、モールから取られたトライを防ぐこと、さらにレフェリングに違和感があったようだが、反則を減らすことがチームとしての目標になる。これらをクリアーできれば、理想的な速いテンポのパス回しでBKがトライを重ねる展開に持ち込めるだろう。もちろん、そのBKの中にHOコールズがかなり絡んでくるようであれば、オールブラックスとしては喜べるはずだ。

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