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<ラグビー>ブレディスローカップ(オールブラックス対ワラビーズ)第1テスト,プレビュー

オールブラックス対ワラビーズ

日時:2021年8月7日(土)19:05キックオフ
場所:イーデンパーク,オークランド
レフェリー:ポール・ウィリアムス(NZ)
アシスタントレフェリー1:マイク・フレイザー(NZ)
アシスタントレフェリー2:ブレンドン・ピッケリル(NZ)
TMO:グレン・ニューマン(NZ)

ワラビーズ:( )内はキャップ数
ジェイムズ・スリッパー(103)、ブランドン・パエンガアモサ(12)、アラン・アラアラトア(46)、ダーシー・スワイン(3)、ラッカン・サラカイアロト(28)、ロブ・ヴァレティニ(7)、マイケル・フーパー(108、キャプテン)、ハリー・ウィルソン(8)、テイト・マクダーモット(5)、ノア・ロレシオ(5)、アンドリュウ・ケラウェイ(2)、ハンター・パイサミ(9)、レン・イキタウ(2)、ジョーダン・ペタイア(8)、トム・バンクス(14)
(リザーブ)
ジョーダン・ウエレーゼ(13)、アンガス・ベル(6)、タニエラ・ツポウ(28)、マット・フィリップ(12)、フレイザー・マクライト(1)、ジェイク・ゴードン(8)、マット・トゥムーア(57)、リース・ホッジ(46)

オールブラックス:( )内はキャップ数
ジョージ・ボウワー(3)、コーディ・テイラー(58)、ネポ・ラウララ(31)、ブロディー・レタリック(83)、サムエル・ホワイトロック(125、キャプテン代行)、アキラ・イオアネ(4)、ダルトン・パパリイ(5)、アーディ・サヴェア(50)、アーロン・スミス(99)、リッチー・モウンガ(24)、リエコ・イオアネ(37)、デイヴィット・ハヴィリ(5)、アントン・リエナートブラウン(50)、セヴ・リース(10)、ダミアン・マッケンジー(30)
(リザーブ)
ダン・コールズ(76)、カール・ツイヌクアフェ(18)、アンガス・タアアヴォ(16)、スコット・バレット(42)、ルーク・ジェイコブソン(5)、ブラッド・ウェバー(9)、ボーデン・バレット(91)、ジョルディ・バレット(25)

プレビュー:
ワラビーズのNZ人監督デイヴ・レニーは、今週チーム規律違反となるトレーニング中の食事と飲酒を行ったとして、WTBマリカ・コロイベテ、NO.8イシ・ナイサラニ、PRポーン・ファアムシリの3人を、メンバー外とした。既に、SOジェイムズ・オコナーを怪我で失っていることもあり、チーム事情に大きく影響することとなった。

コロイベテに代わる14番WTBには、アンドリュウ・ケラウェイが入り、ナイラサニに代わるNO.8には、ハリー・ウィルソンが入る。PRについては特に変更はなく、フランスとの第3テストマッチに勝ったメンバーと同じになっている。なお、6番FLは、ラッチー・スウィントンの怪我により、ロブ・ヴァレティニが先発する。

リザーブには、20番FLにフレイザー・マクライトが、今シーズン初めてメンバー入りした。なお、SHニック・ホワイトが怪我からの復帰が遅れていることから、SHはテイト・マクダーモットが先発、ジェイク・ゴードンがリザーブとなった。

オールブラックスのイアン・フォスター監督は、FW前5人は、フィジーとの第2テストマッチから変更がない。4番LOに、ブロディー・レタリックが先発に復帰し、スコット・バレットが19番LOのリザーブになった。また、3列は、アキラ・イオアネ、ダルトン・パパリイ、アーディ・サヴェアとなり、好調のルーク・ジェイコブソンは20番のリザーブになっている。

BKは、現在の好調さから、SO先発はリッチー・モウンガとし、ボーデン・バレットは22番のリザーブになった。同様に、FBもダミアン・マッケンジーが先発し、ジョルディ・バレットが23番に入っている。ボーデンもジョルディも、10~15番のいずれもプレーできるので、リザーブとしてはかなり有効となる。

11番WTBには、13番CTBだったリエコ・イオアネが入り、好調のウィル・ジョーダンは、ハムストリングスが良くないため、引き続きセヴ・リースが14番WTBに入っている。

怪我から復帰が待たれている、PRジョー・ムーディとオファ・トゥンガファシは、次回以降の復帰予定となった。

SHアーロン・スミスは、この試合で記念すべき100キャップ目となる。また、ワラビーズ戦も通算25試合を経験し、相手を十分知り尽くしている。

両チームの通算対戦成績は、171戦、オールブラックス117勝、ワラビーズ45勝、8引き分けで、ブレディスローカップは、2003年以降オールブラックスが保持している。

オールブラックスは、今シーズンの新ジャージーのお披露目になる予定。

キャップ数を比較すれば歴然だが、明らかにワラビーズは経験値が少なく、オールブラックスは若手からベテランまで万遍なく選手がそろっている。これは選手層の厚さの差でもある。

そして、ワラビーズは、トライゲッターのコロイベテが不在となった他、チームの中心であるSOジェイムズ・オコナーがいないため、フランスとの3連戦で苦戦したように、十分な戦力が整っているとは思えない陣容になっている。

また、スーパーラグビーのNZ対オーストラリアでは、NZ勢が圧勝したように、個々の選手、個々のSRチームを比較すれば、NZが圧倒している。これがそのままテストマッチに比例するとは限らないが、ワラビーズがフランス相手にふがいないゲームを続けたことを見る限り、オールブラックス優勢は動かないだろう。

オールブラックスは、フィジー戦で判明したブレイクダウンの弱さを改善しつつある。また、ラクラン・ボシアーやサム・ケーン不在に代わる、ブレイクダウンでターンオーバーするスキルも、アーディ・サヴェアやルーク・ジェイコブソンが良く発揮しており、当面は大丈夫そうだ。そして、マア・ノヌー不在でチームの穴になっていた12番CTBについては、デイヴィット・ハヴィリが優れたプレーを発揮しており、13番CTBのアントン・リエナートブラウンとともに、オールブラックスのCTBはようやく安定しつつある。

そのため、13番希望のリエコ・イオアネが本来の11番に戻っているが、テストマッチレベルではリエコはWTBの方が良いので、順当な選択と思われる。リザーブに入った、ボーデンとジョルディの兄弟については、現時点ではリッチー・モウンガとダミアン・マッケンジーに負けていると言わざるを得ない。ただし、シーズンが深まるにつれ、逆転する可能性は大いにある。特にジョルディについては、そのフィジカルの強さとロングキックは、厳しいテストマッチになればなるほど必要とされるので、スプリングボクスやアイルランドとのキック主体になりがちなFWのヘビー級バトルでは、重宝な存在になると思う。

昨年は、新型コロナウイルスの影響でテストマッチが不定期なものとなったことや、2019年RWC以降の立て直しがうまくいかなかったこともあり、オールブラックスはワラビーズに1勝1敗1分、アルゼンチンに1勝1敗の不名誉な記録を残してしまった。今年も、もしも負けることがあれば、フォスターの契約更新はされず、来シーズンはスコット・ロバートソン監督になると思われるので、フォスターとしては臨戦態勢のゲームが続く。しかし、可能であれば、ロバートソンとフォスターを共同監督のようにできないかと愚考している。2023年以降のことも考えれば、今から積極的にロバートソンを指導陣に加えるべきではないだろうか。

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