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<ラグビー>関東大学対抗戦開幕戦の結果(9月10日、11日)

 今週はザ・ラグビーチャンピオンシップがない。一方、10年ぶりに日本に帰ってきたので、大学ラグビー中継が見られる環境にある。それで、ちょうど10日にライブ中継をやっていた2試合の感想と、開幕戦4試合の結果を掲載します。

1.明治33-22筑波

 両チームともに、開幕で強豪と対戦するのは調整が難しい上に、また開幕戦に100%というわけにはいかないから、やはりハンドリングエラーなどのイージーミスは出やすい。それに加えて、やはり大学生のラグビーなので、世界のトップレベルに比べれば当然精度が落ちるのは致し方ない。

 という状況ながら、レフェリーがあまりブレイクダウンのターンオーバー(ジャッカル)を取らない傾向もあり、明治はアタックすればボールリテンションとゲインを気持ちよくできて、早々にトライ&コンバージョンで7-0とリードする。

 しかし、筑波も底力はあるので、スクラムで劣勢だったものの明治のミスに付けこんでゴール前に迫れば、FWの短く確実なつなぎでトライ&コンバージョンを返し、20分に7-7の同点とする。筑波の善戦または明治の苦戦と見るかも知れないが、この開幕戦という状況から鑑みれば、このスコアは想定内だと思う。

 その後筑波が攻勢に出るものの、サッカー経験者というゴールキッカーがなぜか不調で、32分までにPGを連続して外してしまい、せっかくのチャンスにリードできない。そういう嫌な流れを断ち切るように、36分にラインアウトから回してトライ(コンバージョン失敗)で7-12とリードし、試合を面白くした。

 逆転された明治は、さすがにミスを連続している流れを修正し、38分にキックカウンターから繋いでトライ&コンバージョンによる14-12として、簡単に再逆転して実力の差を見せつけた。ここまでの明治のアタックでは、6番FLが相手タックルを弾き飛ばす「明治らしい」突進を見せていたのが、楽しみかつ心強い。彼(森山君)は、今シーズンにかなり活躍しそうな予感がする。

 余談だが、FBの安田君の髪型は、今お嬢さんが活躍している元日本代表FB松田選手の髪型に似ているが、彼を真似たのかどうかはわからない。もしかすると松田選手を知らない可能性があるので、むしろオールブラックスCTBジャック・グッドヒュー辺りの真似というのが真相かも知れない。

 こうして前半は明治が2点差でリードしたが、これが少ないと見るか十分と見るかは、筑波の後半のプレー次第だと思った。そして、筑波は期待に応えるように、後半52分にトライ&コンバージョン成功で、19-19と試合を拮抗させた。

 これに対してアタックに余裕のある明治は、自分たちのミスでトライを取られた後にすぐに取り返す。同点とされた後の57分、この日好調のキックカウンターから繋いで、トライ&コンバージョンを返し、再び26-19とリードする。

 再三再四にわたってリードをする明治だが、ここから筑波を圧倒することが出来ない。この日アタックでは良いプレーを連続したSO伊藤君だが、自陣ゴール前でのタッチキックを3回もチャージされるなど、ちょっと心配な面が出ていた。これは修正可能だし、本人が一番わかっていることだから、私などが心配することではないだろうが、この一連のミスから筑波がPGを決めて、59分には26-22と4点差に迫られてしまった。

 この後、私の印象からは、Jスポーツの解説は筑波を応援する雰囲気になっていたが、筑波にもミスが出てアタックを継続できず、逆に明治がアタックを継続して、76分のトライ&コンバージョンで33-22と勝負を決めた。

 明治のFWでは、先に挙げた6番FL森山君が良かったし、SO伊藤君もアタックはかなり切れていた。これに加えて、私としては東福岡時代から高く評価している12番CTB廣瀬君の活躍を称えたい。彼は順調に良い選手になっているので、将来日本代表のCTBに入れるだろうと期待している。

 負けた筑波としては、この点差であれば次の試合につなげられる内容でもあり、満足できたのではないか。一方勝った明治だが、沢山の反省点や修正材料(特に高さがあるのにもかかわらず安定しないラインアウト)が出たが、これらは悪いところがわかりやすいので、修正はさほど難しくないと思う。

2.早稲田38-8青山学院

 筑波と対戦した明治に比べて、青学と対戦する早稲田には、やりやすいゲームであると思われたが、早稲田が十分な体制でなかったのか、または青学が良い状態で臨んだのか、あるいはその両方であったのか、試合開始から青学がかなり健闘した。

 特に青学のディフェンスは見どころが沢山あり、大学ラグビーの良さを多く見せてもらった気がする。実際、ディフェンスが効果を発揮して、15分に早稲田に力ずくでトライをされるまでは0-0で競っていた。早稲田は、この先制トライで悪い流れを断ち切ったかに見えたが、その後のアタックが継続できない。

 一方の青学もディフェンスで健闘する一方、トライまで至るアタックは継続できず、30分にPGで7-3とするのが精一杯だった。そして、そのまま7-3で前半を終える。このスコアは、早稲田としては不満足なものだろうが、青学としては満足いくものであったと思う。

 後半に入ってからは、早稲田の猛攻が予想されたが、青学がかなり奮闘していた。しかし、Jスポーツでも指摘されたように、42分の青学SHのパスを早稲田の選手が邪魔したオフサイドを、レフェリー及びアシスタントレフェリーが見逃したのは、良い試合を期待している側としては残念なことだった。大学ラグビーにTMOを導入する必要性は議論があるところだが、こうして明確なTV映像があるのであれば、これを参考にして第3アシスタントレフェリーからレフェリーに無線で進言できる制度があっても良いのではと思う。

 このレフェリングに助けられたというわけでもないが、その後43分に早稲田は、ラインアウトとモールの攻勢でトライ(コンバージョン失敗)して12-3,52分に同様のモールからのトライで19-3、さらに青学に反則が多くなって、レフェリーの心証が悪化し、64分にはスピアータックルでシンビンになってしまった。Jスポーツでは、シンビンになった選手と実際に持ち上げたタックルをした選手が別であるとの重要な指摘もあったが、劣勢な側がシンビンで数的不利になってしまい、その結果ゲームが壊れてしまったということではあまり重要ではないかも知れない(もっともシンビンの記録が付いてしまった選手には同情するが)。

 この後は、もう早稲田祭りという状況になり、青学がシンビンの間に、それまでアタックが通用しなかったBKでトライ(及びコンバージョン成功)を65分、73分と連取して、31-3と試合を決めた。さらに77分にもトライ&コンバージョン成功して、38-3と早稲田祭りを大いに盛り上げたが、青学もインジュリータイムに入った84分にトライ(コンバージョン失敗)を取ったのは、次の試合につながる良い成果だったと思う。

3.その他の結果

 日体8―43慶應
 慶應も順調なようです。

 帝京88-0立教
 もっと点差が開くと思ったけど、後半に帝京がメンバーを代えて調整したようですね。

 *なお、大学ラグビーについては、まめに投稿する予定はありませんので、悪しからずご了承願います。私の投稿する基準としては、オールブラックスのゲーム>シックスネーションズ>日本代表の試合>スーパーラグビー>セブンズなどの国際大会>大学ラグビー>高校ラグビー(花園)となっています。なんらご参考まで。


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