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徒然ゆうじ 「スーツのこと」

某月某日

思い立って スーツを買いに行く。
適当な店に入り、ぶらぶらと物色。

呼んでもないのに店員があらわれ
聞いてもないのに説明をはじめる。

ふんふんと流していると、いつのまにか試着することに。

……小さくないか?これ。

私「なんか きついんですけど」
店「そんなことないでしょ。肩もきちんと乗ってるし、着丈も…」

店員、自信満々の笑み。
そうかなぁと思いつつ、ん万円払って購入。その日は帰る。


某月某日

店の方より、お直しできましたとの連絡あり。
いそいそと受け取りに向かう。

店「どうします?いちおう試着してみます?」
私「はい」

……やっぱり小さくないか?

店「あっ ぴったりですね。かっこいいっすよ」

「ほんとか?おい」と思いつつ、スーツを包んでもらう。
受け取るなり、逃げるように帰宅。


某月翌日

さっそく買ったスーツを着ていく。
出がけに母が私を見て一言。

「あんた、そのスーツ小さくない?」

……おれもそう思う。

いつも通り2分遅刻で出社。
席につくなり、前の娘がつっこむ。

「……小さくない?」

わかってるよ!

普段、話もしないY氏が すりよってくる。

「……小さいんじゃないの?」

わかってるっつってんだろ!!

営業部のS氏に用事ができたので赴く。

私「かくかくしかじかで、至急、対応の方お願いします」
S「……おまえ、そのスーツ小さいぞ」

聞けよ。人の話。

地獄のような一日が終わり、終業とともに音速で帰宅。
鏡の前にダッシュして、自分に誓う。


あの店員ぶっとばす!!

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