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ホップの力で、みんなの希望を創る。

ホップと聞けばビールを思い浮かべますよね?
実はホップが健康にいいというのは知っていましたか?

はじめまして。金子裕司と申します。ビールの原料である「ホップ」のポテンシャルを引き出し、皆さまにお届けしていくINHOPという会社の代表をしています。

このnoteでは、ビールだけではないホップの魅力と、INHOPは何をする会社で、どんなことを目指しているのか、をお伝えしていければと思います。

ホップって何がスゴイの?

ホップと聞くと「ビールに入っている苦いもの」と思われる方が多いかと思います。前に2000人くらいの方にインタビューした際、半分くらいの方がビールを連想されていました(残りの方は、ヒップホップとかホップステップジャンプとか、ビール以外のホップを連想されていました)。実際、ホップの抗菌性はビールに欠かすことができませんし、ホップ特有の香りや苦味がビールに豊かな味わいをもたらします。さすが「ビールの魂」とも言われる存在です。

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ただ、歴史を紐解いていくと、その出自はビールではありません。
ホップは伝統的なハーブなのです。世界最古の医学書に掲載されるほど、ホップの健康機能は古くから活用されています。インドの伝統医学アーユルヴェーダではリラックス効果や抗菌効果がある植物として、ネイティブアメリカンではヒーリングプランツとして知られています。また、世界最大の産地であるドイツでは、ホップの健康効果を活かした商品が写真のように多数販売されています。まさに生活に根付いたハーブです。その健康効果は多くの研究者をも魅了し、多数の研究が行われています(臨床試験だけで1500件実施されています)。

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それだけの素材なのに、ビール以外の食品に使われることは殆どありません。苦すぎるとか、食品への使い勝手が悪いとか、技術的な問題は勿論ありますが、「ホップと言えばビール」の壁は高く、ビール以外に使われても中々定着しません。「なんでホップ入ってるの?」って思いますよね。

健康機能のポテンシャルはあるけれど、ビールの壁に阻まれ広がりきっていない。みんなが知っているけど、みんなに知られていないハーブ。それがホップです。

INHOPは何をする会社?

そんなホップのポテンシャルを一番に考え、その魅力をお客様に伝え、お届けし続ける事業体、それがINHOPです。2019年に、キリンの社内ベンチャーとして立ち上がりました。生活の中にHOPをINしていく、そんな想いを社名に込めています。

INHOPはこれを実現するために大きく3つの活動を行います。

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1つ目は、Product(モノの開発/販売)。

ホップがどんなに良いものであっても、その価値を試せるモノがないと、何も始まりません。ホップと皆さまの接点を創り出すために、ニーズに沿ったホップを使った様々な商品を提供していきます。

そのフックとするのが熟成ホップ。苦味を抑え手軽にホップを楽しんでいただけるキリン独自の健康素材です。ホップならではの美味しさと手軽さにこだわり、ミシュランガイド2020掲載店シェフなど、多くの方と共創しながら、毎日気軽に摂っていただけるような商品を創り続けます。

また、日本産ホップを活用した商品や素材の開発も進めていきます。日本産ホップの特徴は「華やかな香り」ですので、食品に限らず、アロマや生活雑貨など、様々な生活シーンでホップを楽しめる商品を目指していきます。

2つ目は、Partner(仲間づくり)。

どんなに良いものだと言っても、私たちだけの取組には限界があります。ホップの面を広げていくために、そのポテンシャルに共感いただける仲間をつくり、共創を進めます。

日本産ホップの生産地との連携は勿論、料理人、教育業界、アカデミア、観光、労働、スポーツ、エンタメなど、ジャンルは絞りません。勿論、単なるマーケティング施策ではなく、その方/その業界にとってホップのポテンシャルがお役に立てる、という大前提でコラボレーションを進めていきます。

3つ目は、Research & Media(情報開発&発信)。

とは言え、現状の認知は「ホップと言えばビール」です。なので、ホップの奥行きを広げていくために、ビールに限定されないホップの魅力を情報として開発・発信していきます。

伝承的な情報や最新の研究成果、国内外のホップに関する企画や取組、各社の商品情報、ホップのご家庭での育て方・使い方など、ホップを身近に感じていただける情報をわかりやすくお伝えします。

何故INHOPを立ち上げたのか?

一番の理由は、私自身がホップの可能性に魅せられた研究者であるから、です。

自己紹介が遅れました。私は、INHOPを立ち上げる前は、キリンで10年間健康食品の研究開発に携わってきました。トクホや機能性表示食品等の商品開発や、新しい健康素材の研究開発をしてきました。商品としては、お茶、コーヒー、炭酸、ノンアルコールビール等、一通りの飲料を担当し、今でもメッツプラスレモンスカッシュやキリンカラダフリー等が発売されています(ご愛顧いただけ、ホントに嬉しい限りです)。

また、健康素材も、紅茶、麦、乳酸菌、アロマ、食物繊維、と幅広く開発してきました。中でも一番長かったのが、ホップです。ホップの香り成分のリラックス効果や冷涼感、苦味成分の健康機能の探索など、入社以来10年間、何かしらの形でホップの研究開発に携わり続けてました。その中で、キリン独自素材「熟成ホップ」を開発し、量産体制も確立(研究員では珍しく、工場に通いっぱなしでした)。その結果が、熟成ホップを搭載したキリンカラダフリーの発売に繋がります。自分(自分たち)で研究開発した素材が、全国販売される商品に搭載され、多くのお客様の手元に届いている。研究者冥利に尽きる瞬間ですし、研究開発としては一つのゴールです。

なので、本来であれば次の研究の種を探し、新しい開発を進めていくはずでした。しかし、研究者としての道を進むことはありませんでした。

INHOPを立ち上げた理由は大きく3つです。

1.ホップのポテンシャルの高さを実感してきた
2.そんなホップの魅力をお客様にお届けし続ける体制を作りたい
3.持続可能な社会創りに貢献する

前述の通り、入社以来10年間、ホップの研究開発に携わり続けてました。そんな私がホップを推さない理由はありません。ビールとしてですが、世界中で物凄い量使われているハーブなのに、全くハーブと認識されていない(ホップの栽培量は代表的なハーブであるスペアミントの20倍以上)。このギャップの大きさ、情報の非対称さも、ホップのポテンシャルです。認識を変えられた時のインパクトは、非常に大きいはずです。

そんなホップのポテンシャルをお客様にお届けし、お客様の健康維持のお役に立つには、長期間商品を販売し続けることが不可欠です。なので、研究者としては少しでも長く発売し続けてほしい。市場規模が小さくても、求めるお客様がいらっしゃるなら発売し続けたい。なので、自分が良いと思うものを、長期間市場に出し続けるために、自分で商品を提供できる環境(=自分たちの会社)を創り出していくことが必要、と考えました。

さらに、ホップを広げ、手軽に摂っていただける環境を創り出せれば、皆様の健康維持に繋げられる。そして「元気があれば何でもできる」じゃないですが、健康だからこそ新しいことにチャレンジでき、それが次のイノベーションになり、持続可能な社会に繋がっていく。そんな流れを少しでも創っていきたいと考えています。勿論、医療費削減や健康寿命延伸などの社会課題にも寄与できれば最高です。

加えて、ホップが注目され、その用途を広げられれば、ホップ農家や地域産業の活性化にも繋げていけると考えています。東北地方を中心に、70年以上にわたり日本でもホップは栽培されていますが、栽培面積・生産者共に減り続け、ピーク時から6分の1程度まで落ち込んでいます。もし日本でも、ドイツのようにホップが活躍できるビール以外の市場を創り出せればー。ホップの用途が増え、ホップ栽培が持続可能なものになり、ホップ農家やホップ生産地の産業活性化に繋げられるはず、私はそう考えています。

目指す未来:ホップで希望を創りだす

HOP for HOPE ~ホップで希望を創る~
これが私のミッションでもあり、INHOP社のミッションです。

ホップは、古くから人々の生活を支え続けてきたハーブです。
ここに、現代のサイエンスを掛け合わせることで、ホップの新たな可能性を拡張し、健康課題を中心とした社会課題に希望を与えていきます。

例えば、未来に向かって学び続ける、子どもたちの希望に。
例えば、考え抜くことで、日本を担うビジネスパーソンの希望に。
例えば、人生100年時代を楽しく生きたいと願う、大人たちの希望に。

こうした思いは、同じ志を持ったホップ生産者や、パートナーにとっての希望に、ひいては、地域社会や未来への希望にも繋がると信じています。

ホップの花言葉の一つに「希望」があります。
ただ、実際に希望のシンボルになっているか、と聞かれるとそんなことはありません。ビールのシンボルです。

ビールのためのホップではなく、希望のためのホップにする。
そのために、ホップの価値を広げ、ホップの力で多くの方や未来への希望を創り出していく。

その想いを胸に、これからも走り続けます。

とは言え、まだまだ発展途上な取り組みです。
皆様にもっとホップのことを知っていただき、身近な存在に思っていただけるよう、このnoteでホップやINHOPの情報発信を行っていきます(2週に1回くらいは更新していきたいです)。
また、twitterも始めましたので、是非フォローいただけると嬉しいです。

最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました!

(写真提供:blowup / 「早稲田理工 by AERA 2018」朝日新聞出版)


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