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「初めての人生の歩き方。――毎晩彼女と君にラブレターを」第406話:人に優しくなりたい。

「叱ると一時的には効果がある。しかし、本質的な解決にはならない。むしろ相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなるだろう」アルフレッド・アドラー

 人に優しく。
 そう思いながら目を覚まし、頭の中で何回もその言葉を繰り返し、それでも例えば人が人を傷つけつような場面に出くわしたとき、果たしてどんな態度をとれば人に優しいのかをふと考えるときがある。

 スイミングの授業で、ある子供が僕の号令を無視して勝手にスタートし、別の子に追突しそうになった。その子はいつも遊んでいるいわゆる問題児で、でも普段は怒ったりはしないのだけど、今回は被害者がいたので僕は頭に来てしまった。

「上がりなさい」

 その子は泣いて嫌がったが、僕は半ば強引にプールから上げた。他の子供たちが一斉に静かになる。僕はその問題児をプールサイドに座らせると、何事もなかったかのように練習を再開した。
 その間、その子は肩を震わせていた。
 ほんの三分ぐらいだったと思う。最後の子がスタートを切ったので、僕はその子の元に近寄った。

「どうする?」

 その子は謝りながら、

「もうしない」

 と言った。

「もう二度しないねんな?」

 泣きながら頷いている。

「また誰かに迷惑をかける?」

 その子は頷いていたもんだから、そのままの流れで頷いた。

「迷惑かけるんかい!」

 と突っ込んだらようやくそこで気がついたみたいで、歯を見せて少し笑った。

「おいで」

 その子は最後からスタートして泳ぎ出した。
 練習が終わり、みんなでジャグジーにはいっているとき、その子はすでに何事もなかったかのように僕の膝の上に座りながら遊んでいた。

 子供はこれでいい。
 ただ、果たして僕のしたことはよかったのだろうか、と家に帰った今でも少し心が痛むのだ。
 叱るとか怒るとか、いったいどういうことだろか。

 今夜も冷えそうだった。
 彼女がゴミを捨てに行ってくれた。
 僕はあの子のあの笑顔を思い出して、胸が少し痛むを隠しながら、今夜はきっと眠りにつく。

仕事が終わって、

すぐきみに電話をする。

その瞬間の

きみが出るまでの時間で

僕はきみのことが好きだと

いつも思うんだ。

心から愛を込めて。

初めての人生、なにが起こるか分からない。

お金が余るときもあれば、借金を背負うときもある。

それが人生かもしれないし、それでいいのかしれない。

一つ言えることは、

安心はいつどこでもできるけど、

安定はどこを探しても見つからないってこと。

きみは将来、

どんな苦労をする?

今年も、残り309日。

またね。

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