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「初めての人生の歩き方。――毎晩彼女と君にラブレターを」第419話:緑道の鳥。

初めまして。小説家と詩人とシンガーソングライターを目指して日々色んなことにチャレンジしている有原悠二と申します。
詳しい自己紹介はこちらからhttps://html.co.jp/yuji_arihara

〇緑道の鳥

 郵便局に行く途中、こぎれいな緑道がある。そこを、彼女と二人で散歩するのが密かな楽しみなのだが、今日は毎月投稿している詩を二編、ポケットにいれ、そしていつものように彼女を誘って、家を出た。
 緑道の土を踏みしめると、ふと上から声が聞こえる。鳥だった。ピピピ、チュンチュン、とかわいく鳴いている。

「楽しそう」

 そう言った彼女の横顔は、髪が伸びてきたのか、いつもより美しく見えた。僕は、つられて、空を見上げた。木漏れ日の隙間から、小鳥の影が見えた。春だった。もう春はそこまで来ていた。なんだか、このまま緑道を抜けるのが惜しいきがしていて、道沿いの家の庭なんかを覗いたりして、そこの犬に手を振ったりする。

「バイバイ」

 もうすぐ、別れの季節だ。人は出会い、そして別れていく。この繰り返しで成長し、衰退し、死を迎えるのなら、どうして人は出会うのだろうか、と中学生のようなことを考えながら、郵便局で詩を出した。
 出会いとは、予期もせず、そして操れない。もし、僕がこれから誰かと出会うことが決まっていたとして、それがなんの意味があるのだろうか。
 鳥が鳴いた。僕たちは帰りに彼女の父母の家により、から揚げを貰って帰った。家では、鳥の鳴き声は聞こえなかったけど、彼女が一輪だけ摘んで帰った黄色い花が、きれいに咲いていた。

 もうすぐ、春がやってくる。

☆彼女にラブレター

この季節になると、

心がむずむずするんだ。

また僕は

君に恋をする。

髪、似合ってるよ。

心より愛を込めて。

★君にラブレター

初めての人生、

君には寂しい思いをさせている。

夜、

枕は遠く、

夢は儚い。

永遠に子供ではいられないから、

せめて君、

愛を受け取ってほしい。

今日もお疲れ様。

今年も、残り296日。

おやすみなさい。

☆今日の名言★

「世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め」ニーチェ

 自分という人間は、世界に一人だけしかいない。
 どんなに似ていようと、性格がそっくりでも、あなたという人間は世界中であなたしかいないのだ。

 だから、あなたにしかできないことがある。
 あなたにしかできない喜びがある。
 あなたにしか与えられない愛がある。

 あなたにしかできない悲しみがあって
 あなたにしかできない苦しさがある。

 あなたは、生きているだけで、あなたという特別な価値観を世界に与えている。

 進もう。
 自信なんていらないよ。

 あなたは、そこにいるだけで、そのままのあなたで、それでいいし、それがいい。

 道は、すでにある。

 あなたが生きている、ということが、道だ。

 あなたが、あなたであって、本当にありがとう。

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