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初対面異性異国人の車に乗る

引っ越しを目前に控えた最後の週末、別に用があったわけではないが、どこかに出掛けたい、という理由でわたしはグリーンパークという駅にいた。グリーンパークにはグリーンパークという大きな公園があって、そこを覗いたりしながら散歩してみた。ロンドンにはいたるところに大きな公園があって、どこもきれいに整備されている。イギリス人はお金をかけない楽しみ方が上手だと何かで読んだ気がするが、こういうロンドンじゅうにある大きな公園で日向ぼっこをしたり、本を読んだり、散歩したりという光景を見ると、たしかにそうなんだろうな、と思う。

週末には宿題がなかった。日本の学校を考えると、土日には2日分課されそうな気もするが。オンオフがはっきりしている欧米文化、ということもあるだろうけれど、語学学校は週ごとにクラスが変わったりもするし、毎金曜日には卒業(?)する生徒もいるので、宿題が出せない、という面もあるのだと思う。

しかしわたしのバッグの中にはテキストが入っていた。宿題のない土日にこそ、むしろ何かやっとかないと追いつけないような感覚があった。進める、というよりは、よくわからなかったところを一人で落ち着いてもう一回考えたい、みたいな感じかな。だから結局その日はグリーンパークのスタバにいた。本当にどこに行ってもスタバはあった。スタバを逃しても、すぐに次のスタバがある。山手線かスタバか、というぐらい頻繁にあるのだ。

窓際のカウンター席でコーヒーを飲みながらテキストを読み、そろそろ引き上げるか、と顔を上げると隣の男性と目が合った。軽く挨拶をすると話しかけてきた。何やってるの?んー、まぁ宿題かな、なんてやりとりに始まり、しばらく話をした。彼はトルコ人で、わたしがまだロンドンには詳しくないと知ると、ちょっとその辺案内するよ、と言う。当然最初は断ったが、行ってみることにした。

こういうのって、危ない感じがするでしょ?実際危ないと思う。知らないおじさんについてっちゃダメよ、と小さい頃から言われてるように、本当に危ないし、海外ならもっとだ。でも全てが危険だと避けていたら何の体験もできないし、わたしは何度もこんな風に人の誘いに乗っていろんな貴重な体験をさせてもらった。でも今こうして無事でいるし、危ない目に遭ったことは一度もない。そういう嗅覚や直感はとても働くのだ。ただ、パターンを説明できるわけではないので、おすすめはしない。良い子のみんなは真似しないでね♪

さらに流れはアブナイ展開に。ここからは心配性のお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんは読まないように。トルコ人の彼は自分の家に車があるから一旦そこまで来てくれという。そして、その車に乗って街案内が始まったのだ。さっき初めて会った人の運転する助手席に乗って、れっつらごー!はてさて、どこに連れていかれるんでしょう…?続く。

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