見出し画像

セドナで強制断捨離!

朝8時半に起床して、向かったのは4大ボルテックスのベルロック。
アップタウンのパワーストーン屋さんで仲良くなったヒーラーのアツコさんから、「予定を立てずに、朝起きて今日はここに行きたいな!って思ったり、その都度思いついた場所に行ってみてください!1週間もすると、感覚が研ぎ澄まされてきますよ!」とアドバイスをもらった。

昨夜はレッドロックのオーク川に行こうと話していて、朝起きたら体調が良くてやっぱりカセドラルロックにしようかと話し、車に乗ったときには気が変わって、やっぱりベルロックへ行こう!と変更に変更を重ねた。笑
アツコさんの言ってた直感とはそうゆうことか。

そもそもレッドロックやカセドラルロックを選んだ理由は、朝なら空いているだろうという打算からだが、実際にその日私たちに縁があったのは、ベルロック。頭の中で考えた予定なんてそんなもん!ようやく腑に落ちた。頭を使って何時間もガイドブックとにらめっこして予定を練る必要もないし、ただただリラックスしてその時その時、ピンと来たものを素直に受け取ればいいんだ。
わかっているようでなかなかできなかったことを、身をもってセドナに教わった。


そもそもセドナは、セドナに呼ばれた人でなければ行くことができないと言うほど、世界的にも有名なスピリチュアルスポット。その為、機が熟していないと、例えば飛行機が飛ばないとか、航空券を予約していたのに外せない仕事が入って行けなくなったとか、物理的に行けない事態が起きることもしばしば。もちろん、ボルテックスにも当然合う合わないの相性やタイミングがあるのだ。


ベルロックの中腹までは、石のブロックを目印に進めるが、その先から頂上へは自分で登れそうなところを探して行く必要がある。私たちはその人生と同じように、多くの人が見つけたり選んだりする王道ルートから、無意識に外れてしまうようだ。

ぐるぐる中腹を周り、登れそうだと踏んだ場所が全く登れず、後にも先にも身動きが取れない。人気もなく、足はガタガタ震えている。大丈夫だからと手を差し伸べてくるヒロを恨んだ。
「なにが大丈夫なのよ!絶対無理だから。登れても降りられない!もう一人で行って!」
「あんたの大丈夫は私の大丈夫じゃない!」
ヒロに対してイラついているわけではない。行きたいのに怖くて行けない自分に対してイラついていることもわかっている。


そうこうしているうちに、ヒロの姿は見えなくなった。私より好奇心を優先する男だ。薄情者!?いや、同じ立場なら私もそうする。お互い、自分の身は自分で守れる人だという信頼があるが故だ。


ひとまずそこではそれ以上、上に登ることを断念した。
降りた直後、冷や汗と足の震えを噛み締めながら呼吸を整える。いろんな感情が入り混じる。上方では、他の外国人ハイカーが、ワイワイ声を上げて写真を取っている姿が見える。いろんな感情が入り混じる。


どうして私は登れなかったんだろうと自己嫌悪と挫折感にしばらく1人立ち尽くす。ぐるりと中腹を歩けば、360度道はどこかしらにあるはずなのに、そこで必死になりすぎた結果、自分には目の前しか見えていなかったのだ。

道を戻っていると、子供連れの家族が上の方から楽しそうに降りてくるのが見えた。旅に一番必要なのは、お金ではない。今ここにドル札があったところで何の役にも立たない、必要なのは健康な身体とそれを支える健全な精神だ。


今日が人生で1番若い日で今が一番若くて体力がある。幸い膝も腰も痛くないので登れる身体はここにある。あとは自分の気持ちだけ。さぁどうする?
先ほどまで震えていた足が平常に戻るのを感じながら、
「なにびびってんだよ、行けるだろ!」
と自分の中から声が聞こえた。恐怖心に身を委ねたら、一生心残りになるのは目に見えている。どうせなら勇気に身を任せたほうが結果どうであれ、納得行くじゃん。急いで先ほどの声が聞こえる方向へと足を進めた。


行ってみると先ほどより高低差がなく、子供でも登れてしまうような緩やかな岩が続いていた。
「ここだ!」
数分前に、生死の危険すら感じた高さの場所へあっけないくらいに簡単にたどり着いた。
同時に、ベルロックのエネルギーそのものが、
「大丈夫だから登っておいで!素晴らしい景色を見せてあげる」
と背中を押してくれたように感じ、誰かにお尻を持ち上げられているかのように足取りが軽くなった。


先に進めなくなったら、周りをよく見渡して、自分がいけると思うポイントをゆっくり探してみたらいい。先を進んでいる人に、無理やり歩幅を合わせる必要はない。大事なのは、着くこと。ヒロと同じスピードで登っていかなくてもいいってこと。


自分の声より、ヒロの声を優先してそちらのペースに無理やり合わせた為に、周りが見えなくなって必要以上に怖さが増したのだろう。自分がここなら行ける!と見つけだしたルートなら自分で選んでいるから怖くない。ダメなら戻ればいい。自分で行く道を決めて、自分のペースで進めばいい、これがベルロックが教えてくれた「自立」。


そして途中すれ違う人たちが教えてくれた道を進むことで、気づけばヒロのいる場所よりも、はるか上の頂上に私は着いていたのだ。頂上まで登ってくる人は少ない為、独り占めだ。
ふぅ!っと息を吐き、腰を下ろして目の前に広がる遮るもののない広大なセドナのパノラマに目を奪われ、言葉もでないほど心が空っぽになった。
「それでいいの。ちゃんと来れたんだから。」

今までどれだけ自分自身を認めることができずに、人と比べて勝手に自分を痛めつけて苦しんで来たのだろう。ドMにもほどがある。その年月の長さと、ここで気づかせてもらえたという感覚に、ジーンと目頭が熱くなった。


下にいるヒロに手を振る。ヒロも登って来て、2人で頂上からの景色を眺めた。あんなに私の暴言を浴びたにも関わらず、
「よくスニーカーでここまで登って来たね!すごいじゃん!」と。
なんて器がでかいんだ。あそこで登れなかった私を責めていたのは、他の誰でもない自分自身だった。
「何も心配はいらない。自分が気持ちいいこと、好きなことを自分のペースでやったらいい。大丈夫、見守ってるから」
頂上で瞑想していると、そんな言葉を受け取った。心の内側はとても優しい。

道を戻るのは、驚くほど簡単だった。こんな簡単な道なのに、つい数分前まで涙がでるほど怖がっていた自分が、まるで別人のように思えてくる。また、登ってくる時は遠回りして来たのに、戻る時は、たくさんの安全な道がしっかり見えてかなり最短距離で降りてくることができた。一度の経験は、それ以降をとても簡単にしてくれる。経験値が1つ上がったようだ。


ベルロックは、特に人生そのものを凝縮したような経験を味わわせてくれた。自分にとってベストなアドバイスと、その決断を後押してくれる心強い山。 


人のペースに合わせて自分を苦しめる癖、
人と比べて落ち込む癖、
できない自分を認められない癖、
はい、強制断捨離終了!!!おめでとう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?