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私の恋は名前を付けて保存

過去の恋愛を女は上書き保存、男は名前を付けて保存、なんてよく耳にするけれど、私の場合はバッチリ名前を付けて保存だ。
名前を付けて保存した上に、へったくそな小説にしたり、自分の気持ちを整理したりするためにnoteに書く。

どうしてこんなことを言い出すかというと、最近Amazonプライムビデオで胸がズキズキ痛む系の邦画(以下参照)を見漁っているから。センチメンタルの過剰摂取で窒息死しそうなのである。だから、呼吸が出来なくなる前に感傷を言葉にして酸素にする。スゥー、ハァ。

南瓜とマヨネーズ 27歳(★★★☆☆)
勝手にふるえてろ 24歳(★★★★☆)
ソラニン 24歳(★★☆☆☆)
ジョゼと虎と魚たち 25歳(★★★☆☆)
メゾン・ド・ヒミコ 24歳(★★★★☆)
それぞれの作品におけるヒロインの年齢、()内の星は私の主観of主観の満足度です。参考までに。

どっちかを選んだら選ばなかった方に情が残るから
ー南瓜とマヨネーズ

この台詞は元彼と今の恋人との間で揺れるヒロイン(本当はちっとも揺れてなんかいない、自分で鈍感になってどっちを好きか分からないと思い込んでいるだけだって私には分かる(と勝手なことを言う))が女友達から言われた言葉だ。『南瓜とマヨネーズ』の臼田あさ美さんが演じるヒロインのツチダは丁度、今の自分と同じ27歳で余計に感情移入してしまった。上の映画のヒロインたちは、ほとんどが私の年齢より若い。
映画を見ている最中、私の周りだけ酸素濃度が低下していく気がして息をするのが苦しくなる。気がする。

昔は恋愛小説も恋愛映画もそれはもう大の苦手だった。
なぜかって?たぶん私が恋愛のレの字も知らなかったからだ。
誰かに恋い焦がれる時のあの心臓の痛みや、いつの間にか食事も喉を通らないこと、ほんの少しのメッセージのやり取りに一喜一憂する心のざわつき。そういうのを一つも、18歳を迎えるまで経験してこなかった。

あれから約10年経った。人並みに誰かを好きになって、誰かに想われて、身勝手に傷付いて、自分の知らぬところで相手を傷付けてきた。

(そもそも人並みな恋愛経験ってなんだ)(そんなものは比較のしようがないし、他人のモノサシではかるなんて馬鹿げている)

だから今の私が邦画の、とくに驚くべきことが起こる訳じゃない、どこにでも、誰にでも、いつでも起こり得る、日常を描いた恋愛映画に痛みと苦しさを覚える。

だってこれは他でもなく私の物語でもあるから。

許してね、幸か不幸か私に惚れられた人たち。これからも昔の男を名前を付けて保存して、勝手に書き綴ってゆくよ。私は私のために。

サポート…!本当にありがとうございます! うれしいです。心から。