【気づき】パラダイムシフト/ピョートル・フェリクス・グジバチ
今日は、ピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書『パラダイムシフト』を読んで、個人的にビビッと来た10個のポイント(気づき)と、いくつかの専門用語を自分に向けたメモとしても、noteとして記録に残したいと思います。
なお、気づきとは、私が目指している「個人と組織が最大限にパワーを発揮する」ための人材開発と組織開発の担い手としての姿に活かせるものにフォーカスが当たっています。
1.10の気づき
①「より多くの人が幸せと思える場所をつくる」を中心に、自分が目指す人と組織の在り方に共通するものがあります。「夢に向かっていく人とそのための場(組織)を創りたい」です。
②私は組織づくりの面で、職場でバーチャルオフィスの導入やoffice365の積極活用に取り組んでいます。確かに最初は逐一情報を集めながらやり方を覚えていかなくてはいけませんが、慣れるとめちゃ便利ですよね。スキルという意味で自分の無形財産にもなります。
③誰もがバイアスを持っているため、対話を通じて現状を把握していく必要がある。
④とても素敵な取り組みだと思います。私の会社にも伝統ある素晴らしい企業理念と望ましいコンピテンシー、そして部門ごとのクレドがありますから、それらを日常の行動に落とし込む仕掛けをつくれば、一人一人が望ましい行動をとっている自身の存在意義を実感できてエンゲージメントが向上されるだけでなく、組織としてのベクトルも合って皆が目指す方向性が一緒になり、生産性向上に繋がる効果が期待できそうです。
⑤自分がキャリア開発を通して目指していきたい個人の姿と同じです。
⑥私自身、体調を崩して休職したのをきっかけに自己理解を深め、自分の本当にやりたいことに取り組めるようになってから、毎日の幸福度が違います。この体験を他の人にも届けたいのです。
⑦このパートでは、筆者は日本の教育が抱える問題点について言及しています。私も過去、受験勉強の為だけに勉強してきたため、大学に入ってから何をしたらよいのか分からなくなったことがあります。社会人になってからも自分の軸が持てず、他者の期待に沿って生きることになり、体調を崩して休職に繋がりました。
そのため、自己実現つまり人生において自分は何を達成したいのか、というj自分自身や自分のキャリアについて考える機会・習慣が持てない知識詰込み型の教育に疑問を感じています。
また、職場では夢を語れば周囲からは異質なものとして見られるような雰囲気(私が勝手に思っていただけかも)があり、権力のある上司を中心とした相手が期待する働き方・生き方をしてしまいがちです。
著者も第6章で記述していますが、「目立つことや他人と大胆に違うことを恐れ、同調の安全性を選んでしまう」という人間が抱える恐怖心もあるのかもしれません。
お互いが夢を語り合い、応援し合える関係性が個人をエンゲージしますし、互いの個性を活かした最適配置にもつながって挑戦を促進することができるのではないでしょうか。
⑧その通りだと思います。
ただ、自分の本当にやりたいことを見つけるのが先だと考えます。
実現したい未来と現在とのギャップを埋めるために「正しく努力する」ことが大事であり、むやみやたらに学べばいいというものではありません。ありとあらゆるものを片っ端から学んでいたら徒労に終わる可能性があります。
加えて、「本当にやりたいこと = 夢中になれること」であるため、見つけられれば、学びを続けるための好奇心として力強い原動力になってくれることが期待できます。
⑨ピョートルさんが経営するプロノイア・グループの基本理念の1つである「Play Work」(遊ぶように仕事をしよう)についての説明です。
彼がかつて在籍していたグーグルのオフィスも遊び心満載の空間になっていて通じるものがあるそうです。
実はこれらは生産性を高めるための取り組みです。
自分の世界に閉じこもってばかりいると、自分のポジションが分からなくなります。経験を拡張していくことで、人的資本が蓄積されるだけでなく、気づき・学習の機会が増え、それらをイノベーションや心身の充実につなげていくことができると私も考えます。繋がった人たちと助け合ったり、コラボしたりする可能性も出てきます。
⑩組織をよくしていくためのコミュニティ運営をしていく上で大事な発想だと思いました。
機能が色々とあれば、それだけ多種多様な「みかえり」が得られる機会が増えるため、沢山の人に継続して参画してもらえる可能性が上がりそうです。
2.専門用語
■パラダイムシフト
・当たり前のことと考えられていた認識や思想、社会的価値が劇的に変化すること。思考パターンの変化。
・組織開発における「創造的破壊」と似ている
■止揚(アウフヘーベン)
・ある物事や概念について、一旦否定しても、それを構成する個別の要素は消し去ることなく保存し、より高い段階で活かすこと
・物事についての矛盾や対立をより高次の段階で統一すること
・古いものを否定し、新しいものにする際、古いものに入っているプラスの要素を抽出して高い次元に持っていく
■通約不可能性
・比較できない価値観や思想
・パラダイム間の概念間の対応付けが上手くできない状態
■漸進的進歩
・一度パラダイムシフトが起きると、決して前のパラダイムに戻ることはなく、非直線でありながらも確実に進んでいくこと
■テールリスク
・発生する確率は低いが、発生すると非常に大きな損失を被るリスク
■クネビン・フレームワーク
・問題を①明らかな問題、②込み入った問題、③複雑な問題、④混沌とした問題の4つに分類し、状況に応じて適切な意思決定を行うためのフレームワーク
①明らかな問題…何が問題が分かっている問題。過去の経験に照らし合わせて対策を講じればOK。
②込み入った問題…何が分からないかが分かっている状態。自分では原因が特定できないため、エキスパートの力を借りて分析すれば正解が見つかる。
③複雑な問題…何が分からないか分からない問題。問題の根源を知り、状況を精査して試してみることが大事。仮説検証を繰り返しながら、問題の性質を把握し、対策を打ち立てていく。
④混沌とした問題…分かり様がない、探しても分からないカオスの状態。最優先すべきは行動。問題の整理をして対策を講じるのはその後でよい。
■(非常事態における典型的な認知バイアス)
〇正常性バイアス
・自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりして、正常であると思い込もうとする
〇楽観主義バイアス
・都合の悪い情報を見聞きしても、それを否定して「何とかなる」「自分の身には降りかからない」と信じてしまう
〇確証バイアス
・自分の仮説や信念を反証する情報を無視したり、あえて集めようとしなかったりして、都合のよい情報ばかりを集める
〇悲観主義バイアス
・落ち込んでいるときに、さらに悪いことが起きると感じる。恣意的推論。
〇同調バイアス
・行動を選択する際、他者の行動を観察して同調する
〇現状維持バイアス
・将来の問題を特定したり対策を打ったりすることなく、現状維持を望む傾向がある。
■インフォデミック
・真偽不明の情報やフェイクニュースなどが出回り、大量の情報を浴びることでパニックになること
■(情報に関するバイアス例)
〇真理の錯誤効果
・間違った情報や大げさな情報でも、何度も報道されているうちに本当だと考える効果。日々、メディアで繰り返し報道される情報を聞いているうちに、それを信じる様になってしまう現象。
〇可用性カスケード
・主張を何度も聞いているうちに、それが真理であると信じてしまう傾向。根拠がなくてもそれを真実だと信じてしまうという、一種の洗脳された状態で、とても危険な心理作用。
〇フォーカス効果
・最初に接した情報の範囲に引きずられ、その物事の全体像ではなく一部分しか見ようとしない、あるいはそれ以外を見ることができなくなる傾向
〇アンカリング
・先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向。例としてアラブの商法がある。
〇サンプルサイズに対する鈍感さ
・少数のサンプルを調べただけで「すべてを理解した」という信念が形成される現象。メディアの報道だけを元にして判断しようとするなど、狭い世界の情報ソースに依存している状態。
〇曖昧性効果
・人は曖昧であることより具体的であることを好む傾向があるため、情報が不足している選択肢は避けられる。しかし、そもそも何が不足している状態なのかが分からない状況にあると、そこに目を向けようとしない状態のこと。
■ナイーブ・リアリズム
・認知バイアスの一種で、「自分は他の人たちとは違って、バイアスなどに囚われず外界の現象を冷静に捉えている」と考える心理
■メンタルブロック
・行動を妨げてしまう考えや思い込み
■ラーニング・アジリティ
・学んだことをすぐに活かす資質
■(成功を遠ざけるバイアス例)
〇平均以下効果
・困難なタスクに直面した時、自分の能力を過小評価する効果。主張したり自己開示したりする力を阻害する。
〇社会的望ましさバイアス
・社会的に望ましい側面のみを報告し、望ましくない側面を報告しない傾向。今の自分に求められているステレオタイプに縛られる傾向。
〇センメルヴァイス反射
・通説にそぐわない新事実を拒絶する傾向。常識から説明できない事実を受け入れがたい傾向ともいえる。
〇システム正当化バイアス
・現状のやり方に問題があっても、未知の訳が分からないやり方を選択するより、知っている現状のやり方を選択しようとする傾向。
■経路依存症
・「一度慣れてしまったものを変えたくない」「ずっと続けたい」という人間の習性
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