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それ子どもに読ませちゃう!?教団X

今日の本は中村文則の「教団X」です。


もともと評価の高い作品ではありましたが、アメトーークの読書芸人に紹介されてから入手困難になるほど注目を集めた作品です。
番組内でピースの又吉さんとオードリーの若林さんの2名が揃って推薦しました。

人気の芸人さんがおすすめしたということで、私もしっかり購入したんですが、実はこの本一般大衆向けの内容ではありません。
宗教をはじめ量子力学、生物学、物理学、テロリズムとナショナリズム、貧困問題、戦争の経済効果、暗躍する公安、政治史などなど、読書中は膨大な知識の波が押し寄せます。
また、人間関係の把握も困難だし、性描写に嫌悪感を抱く人もいると思います。
というのも、教団Xは「純文学」にあたるのです。
純文学とは、ひと言でいうと芸術性に重きをおいた小説。
たとえば、美術館に展示されている絵画や彫刻のすべてが意味のわかる作品ではないですよね。
人によっては興味を持たなかったり、場合によっては不快に感じる人もいるでしょう。
つまり、純文学は見る人や読む人のことを考えるというより、自分の感性を優先したもの。
その意味で、純文学とは純粋な芸術をめざした文学作品であると定義できます。
一方、読む人のことを優先した大衆性の高い作品が「大衆文学」と呼ばれ、エンターテインメント性が高い作品となっています。
私が好んで読んでいるのは大衆文学なので、教団Xを読むのはなかなか大変でした。
とても難解で、サクサクと読める作品ではありません。
どういった本を求めているかで評価も分かれる作品だと思います。

中村文則の「教団X」の子どもへのおすすめ度は

中学生へのおすすめ度 ☆☆☆☆☆
小学生へのおすすめ度 ☆☆☆☆☆

やはり性描写の多さが気になるので子どもにはおすすめできませんし、内容を理解するには幅広い知識が必要です。

一度読んで全てを理解することはできないと思うので、読書経験を積んで数年後に読み返してみるとおもしろいのではないでしょうか。
読書力と人生経験を積んだ証となると思いますよ。





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