【D2Cのブランド名とロゴのあり方】FABRIC TOKYOのブランド名やロゴをどうやって作ったかご紹介
みなさんこんにちは。
FABRIC TOKYOの森です。
今日も質問をいただいております。
質問「いつも様々な情報発信をありがとうございます。大変参考にさせて頂いております。
ブランド名やロゴなどはどのようにして決められましたか。」
といったご質問でした。
それでは答えていきます。
FABRIC TOKYOのブランド名とロゴは2回変わっている
まず、ぼくがどのぐらいブランド名やロゴを決めてきた経験があるかというと、合計4回です。
まず、FABRIC TOKYOは過去に2回ブランドのリニューアルを行っているため、合計3回ブランド名とロゴを決めていて、もう1回はSTAMPという昨年リリースしたブランドで決めた経験があります。
STAMPはまた次回にして、今回はFABRIC TOKYOのロゴの遍歴を解説していきます。
ブランド初期の1回目はクラウドソーシングでロゴデザインをコンペした
こちらが初期のロゴです。2014年2月にβ版としてローンチした際のブランド名は「LaFabrics」でした。Fabric(ファブリック) = 生地にアパレルブランド的要素を入れたかったことと、女性名詞の冠詞である「La」を入れることでユニセックスにブランドを作っていきたいという想いを込めていました。
ロゴデザインは、クラウドソーシングサイトで、コンペをして決めました。
当時、クラウドソーシングが流行り始めていて、デザインをクラウドソーシングできるdesignclueさん(今は買収されてランサーズグループ)にて、世界中のデザイナーにロゴのデザインをコンペで募集できるというサービスを使いました。クラウドソーシングでロゴデザインを発注したかった理由としては、「極めてインターネットサービス的にブランドロゴを作っていけるのが面白いと思ったこと」と「価格」になります。
結果的に2週間ほどで、100近くのデザインが世界中のデザイナーから上がってきて、最終的にはイタリア人のデザイナーさんの案を採択し5万円程度でぐらいでロゴができたので、コストパフォーマンス高く完成しました。当時は満足していました。
しかし、そのロゴ(とブランド名)には問題がありました。ロゴを見ただけでは筆記体を崩したような文字が読みづらく、ブランド名の想起につながらないという問題を、ブランドリリース後に気づく羽目となります。
このような課題感により、1年経たずしてブランドロゴをリニューアルをすることになりました。
2つ目以降はコンペはせず信頼するデザイナーさん指名で作ることにした
コンペをしたのは1回目のみで、その後は信頼できるデザイナーさんに直接お願いをしてディスカッションしながら作っていきました。
今後もコンペをすることは無いでしょう。
今では明確なのですが、我々は「クリエイティブ」という物事を誤解しているのだと感じています。世の中どんな天才でも、コレ!というデザインをいきなり出すというのは非常に難しく、細かなヒアリングと背景・現地現物などの調査によっていくつも案を作り捨て、ブラッシュアップしていくことにより最終的なアウトプットができていくということを学んだからです。
そもそもブランドの創業者が持っている背景と想い、実現しようとしている世界観、届けたい人のイメージや目的などが複雑に絡み合って、ブランドデザインが作られていくことが絶対的に必要だと今では思っています。
これが2つ目のロゴです。ブランド名もリニューアルし「LaFabric」になったのが2015年1月のことになります。前述した通り、1つめのロゴはわずか1年も経たずに御役御免となってしまいました。
この「LaFabric」のロゴには1つめのロゴで課題としてあった「ロゴを見ただけでは筆記体を崩したような文字が読みづらく、ブランド名の想起につながらないという問題」を払拭するため、力強いゴシック体にしました。マークにはスーツに使われる素材である羊がモチーフに使われています。
周囲や取引先からは、1つめより、より明確になったと良い反応を貰えることが増えました。まずは一旦のリニューアルは成功、、、と思いきや、ビジネスを進めていく上で、またブランド名・ロゴに問題が生じ始めました。「LaFabric」はフランス語の冠詞である「La」と英語の「Fabric」をくっつけた造語だったのですが、日本人には馴染みが薄いフランス語と英語の造語を消費者がGoogleやSNS等で検索する際にスペルがわからない・覚えられないという問題がジワジワと浮上してきました。例えばお客さまとの会話の中で、「LaFabric」という単語が出ることが少なく、「御社のブランド」と言われるシーンが圧倒的に多かったのです。事業が急成長してきた2017年頃のことです。
3年近く使ってきたブランド名とロゴなため、リニューアルをかけるか正直かなり迷いました。ブランドを続けていれば、いつかお客さまも造語とはいえ今よりも覚えてくれるかもしれない、継続が大事という話かもしれない、と。しかしD2Cは顧客に最も近いブランドを目指すべきブランド戦略。やはり今のお客さまとの会話の中でブランド名を発していただけないというのは究極的には顧客に寄り添っていないと判断し、リニューアルを決めました。
3回目はリブランディングのリリースと共に大々的にブランドリニューアルを行った
3回目はさすがにもう失敗できないという焦りがありました。苦笑
ちょうどリブランディングのタイミングも重なったため、友人の紹介で大手広告代理店のクリエイティブ・ディレクターとお会いし、デザインの嗜好性が似ていて、かつ豊富な実績がある方に依頼し、時間をかけて制作していきました。約2週間のインタビューと2週間のアウトプット制作期間、そしてフィードバック・修正に2週間を擁する大プロジェクトになりました。1ヶ月半かかりできたブランドロゴが今のものになります。
力強くわかりやすいゴシック体は前のロゴから踏襲しつつ、ブランド名を「FABRIC TOKYO」にリニューアルしました。2018年1月の話です。
創業のときから変わらず「Fabric」という洋服を連想する単語は残してアイデンティティを紡ぎ、ダイバーシティの象徴である「Tokyo」発のブランドとして世界を目指していきたいという想いを込めています。モチーフは縦の糸と横の糸を組み合わせて「F」と「T」に見えるようなマークを冠しています。
ブランド名はかなり良いものが出来た自負があります。日本人の我々でも一度は発音したことがある「Fabric」「Tokyo」という2つの単語でブランド名を構成することにより、2つめのロゴで問題だった「日本人には馴染みが薄いフランス語と英語の造語を消費者がGoogleやSNS等で検索する際にスペルがわからない・覚えられないという問題」を解決しました。
(おそらく「Fabric」だけだとシンプル過ぎるので逆に駄目だったとも思います)
リニューアル効果は抜群でした。過去2回に比べ、明らかに手応えが違いました。
期待していたことでしたが、お客さまとの会話の中で、「FABRIC TOKYOさんは〜」といった言葉が増え、「御社のブランド」と言われるシーンが明確に減りました。
2018年1月以降はこのロゴを使用していますが、今後も長年に渡り使用していく予定です。2度の失敗を糧に、今は良いものになったという自負があります。苦笑
結局ブランド名は創業メンバーで決めることがオススメ。ロゴデザインはデザイナーさんを指名して依頼することがオススメ。
以上のように、オススメの方法はコンペなどではなく、1人デザインや考え方の嗜好性が近いデザイナーを見つけて、その人と深く話していく。何度も何度もインタビューしてもらい、アウトプットしてもらってフィードバックを繰り返し、最終的に1つに絞っていくようなプロセスがやはり良いものができると思っています。今後もブランドを立ち上げていくと思いますが、そのスタイルは今後も続けていこうと思っています。
D2Cブランドのブランド名とロゴの必要条件
最後にD2Cブランドのブランド名とロゴの必要条件を書きます。
D2Cブランドのブランド名とロゴの必要条件
・発音しやすいブランド名
└できれば短いブランド名で。
└GoogleやSNSで検索してもらいやすい
└口コミ時にブランド名を発言してもらいやすい
・思い出してもらえやすいブランド名
└LTV・リピート獲得に有利
・見てすぐにブランド名が記憶に残りやすいロゴ
└フォントはわかりやすく。
・ブランド設立の想いが込められていると尚可
└ストーリーと共に記憶に定着してもらえやすい
以上です。
参考になれば幸いです。
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