揺曳(youei)
十四歳の某国に向かう途中、数百の蔦に絡まれて
雨降りの中、慰められる
胡乱に転じてくすぐり運転、交換手を忘れたままで
度重なる葉脈の合図に拍手を送る
コーヒーメーカーが故障する瞬間
目が冴えて敵わない
畳敷きの部屋に煉炭が転がっている
混沌とした思考のなかで叫び声を聞いた
完全に感性は崩れ去り
削ぎ落としたはずの刃の刃先が揺れている
死臭は、現実的でないと銀色の柄が呟いた
深く長い虚のようなものだろう
未就学児のように幼く泣きわめく
反芻する幻聴の蛾や蝶を踊らせるように
ちくしょう、俺は夢を見ているのか
ボードゲームでこっぴどく負けた思い出が燻る
吐き出してしまったピースが滑り光る
野鳥が階段を羽ばたいている!
手すりに傷をつけて
涎を垂らし
羽根を撒き散らしながら……
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