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ブランディングについて考えてみる

こんにちは、yuichiroです。

僕はこれまで3社でブランディングに関わってきました。
特に前職では3年に渡って一つのサービスのリブランディングからその後の運用まで関わり、自分なりに多少の知見がたまったので考えをまとめてみようと思います。

ブランドとは?

みなさんはブランドと聞くとどのようなイメージでしょうか?
多くの方はブランドというとファッションブランドをイメージするのではないでしょうか。
シャネル、ヴィトン、エルメスなどプレミアム感、高級感のあるものをブランドと呼んでいるのではないでしょうか。

もちろんそれらもブランドですが、世の中にある全ての商品、サービスにもブランドが存在します。

そもそもブランドとはアメリカの牧場で牛に付けた焼印が起源と言われているそうです。
自分の牛だよ、という印ですね。
つまり、財布でも椅子でもおもちゃでも野菜でさえ、固有の名称を冠しているものにはブランドがあるということです。
例えば「〇〇さんが育てた大きなニンジン」という商品がスーパーにあれば、それはニンジンの中の一つのブランドということです。
作り手が商品やサービスに込めた想いがあり、それを言語化、ビジュアル化し、顧客へ伝えようとすることでブランドは生まれます。
僕はこれまで有形商材(車)と無形商材(インターネットサービス)のブランドに関わってきました。
有形でも無形でもブランドは存在します。

ブランディングとは?

ではブランディングとはどういうものでしょうか。
ブランドの現在進行形がブランディングですね。
先ほど記載した『想いを言語化、ビジュアル化し、顧客へ伝えようとすること』を現在進行系で行うこと、これがブランディングです。
あるタイミングでブランドは生まれますが、生まれたままでは顧客に認知されません。
成長と共に伝え続ける必要があるのです。

ところで、生まれた後ブランドは誰のものになると思いますか?

一度世の中に生まれたブランドは顧客のものです。
顧客の頭の中にある商品のイメージ、それがブランドになります。
例えば認知の低い商品A(食品)があります。
あなたは友人から商品Aを良い商品だと紹介され購入しました。
そのときあなたにとって商品Aは「友人が良いと言っている商品」というブランドになるのです。

でもその商品を売っている会社は「美味しくて健康的」というイメージを持ってもらいたいとしたら、それは上手く伝わっていませんよね。
「友人が良いと言っている商品」→「美味しくて健康的」というようにイメージを変換させていく作業がブランディングになります。
ちなみにそのようなイメージの変換が起こることをパーセプションチェンジと言います。

ではどのようにイメージの変換を行うかというと、予算などに応じてできる限りの方法を取るということになります。
例えばTVCMやweb広告などでザックリしたイメージを認知してもらい、webページやSPでより詳細のイメージを持ってもらうなどでしょうか。
ただ、余程予算が大きな大企業でない限り短期間でイメージを刷り込むのは難しいです。
そのため中長期でイメージを醸成していくのが一般的です。

またブランディングにはインナーブランディングとアウターブランディングがあります。
インナーは社内などの関係者、アウターは顧客が対象になります。
順序としてはインナー→アウターが一般的です。
まず社内で共通のイメージが醸成されていないと営業、マーケ、デザイナーなどがそれぞれの言葉やビジュアルで情報を発信してしまい思い通りのイメージ醸成ができないからです。

メッセージの作り方

ではそもそも伝えるべきイメージ・メッセージはどのように作るのか。
社長や事業長の強い想いがそのまま形になることもあると思いますし、プロダクトの設計思想がそのままメッセージになることもあるでしょう。
ただ、先述した通りブランディングは社内で一致したイメージを持つことが大切です。
また、関係者それぞれが熱い想いを持って取り組むこともブランディングには欠かせないでしょう。
そのためにはトップダウンよりも複数の関係者の想いを取り込んで作っていく方がいいと思います。
少なくともリーダー層の意思は取り込んだ方がいいでしょう。
その上で創り手の想いや顧客の想い、競合のメッセージなどを調査し、商品の機能、情緒イメージなどを検討し、最終的に一つのメッセージに落とし込んでいきます。

そして出来上がったイメージを言葉、ビジュアル、態度などに変換していき、あらゆるアウトプットをブランドとして統一感のあるものにしていきます。
広告ビジュアルから営業ツール、カスタマーサポートの対応など有形から無形までブランドらしさが出るものにしていきます。
関係者全員で一つの世界観を作っていくイメージです。

そうして出来上がったものを継続して伝え続けることで顧客の中にイメージが作られより良い関係を築くことができます。

強いイメージを作るブランディングをすることで、顧客はより少ない接点で商品の購入意向が高まります
つまりたくさんの広告費をかけて露出を増やさなくても選んでもらえるようになるのです。
例えば高級日本車という言葉を聞くだけでレクサスをイメージするように。
最終的には顧客自身がブランドを広げてくれるようになるのとゴールと言えるかもしれません。

ただ、築くのは長い時間がかかっても崩れるのは一瞬です。
会社が何かしらの不祥事を起こす、商品に大きな問題が見つかる、など負のイメージが一瞬で付いてしまうことがあります。そうするとまた一からイメージ醸成をしなくてはいけません。
ブランディングを一丸となって行うことで商品への愛着もわき、自ら負を生む行いを抑制する効果もあるかもしれません。

ブランディングというとハイブランドをイメージすることから華やかな内容を想像しがちですが、実際は地味で地道な作業の連続です。
とても大変な作業ですが、自分たちの商品やサービス、会社がより良いイメージで広く社会に認知されたときはとても嬉しいものです。

ブランド、ブランディングは特別なものだと思われがちですが、書いてきたようにどんな商品・サービスにも必要なものですし、難しいものでもありません。
多くの人がブランドについて考えるようになり、ますます素敵な商品が増えたら嬉しいなと思います。

つらつらと書いてしまいましたが、ひとまずこのあたりで。

yuichiro


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