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大企業がWebサービス/アプリを内製化しなければいけない4つの理由



最近、大手企業でも Web サービスやアプリが事業における中核になってきたこともあり、内製化の動きが増えてきています。まず、前提として 全てのサービスを内製化する必要はありません。 では、どのようなケースにおいて Web サービス作りの内製化が必要なのでしょうか。

Web サービスやアプリの売上ボリュームが上がってきている

まず、内製化の動きを取り始めている企業の典型的な動機としては、これまではリアル店舗が中心だった企業も、最近では Web サービスやアプリ経由の売上が増えてきているということが挙げられます。

つまり Web サービスやアプリが周辺ビジネスから中核ビジネスへと成長している、或いは成長させない限り大手企業であっても未来がないという企業が増えてきているようです。

Webサービスやアプリ、AIまわりの技術を内部に持つ必要がある

また、Web サービスやアプリ、さらにはデジタルトランスフォーメーションなど社内改革を含めて、今後事業上の中核となる分野について内部で技術を保有したいという企業も増えてきています。

既に販売チャネルがリアル店舗よりもネットが中心になってきている業界や金融、広告業界などでは、危機感は非常に強く、本社だけではなく戦略子会社などを使ってエンジニア採用や新しい技術の開発を始めている企業も増えてきています。

センサリングなども含めてネット世界とリアル世界が融合してくる中で、リアル世界だけの技術で戦っていくことは難しいのではないでしょうか。

Webサービスやアプリ開発のスピードを上げないと負けてしまうから

また、同じくらい重要な点としてサービス開発のスピードを上げる必要が出てきているということも挙げられるようです。

これはある大企業の現場担当者から聞いたのですが、


自社で内製しているケースと外注先に委託しているケースとでは、開発スピードとコストに約3倍の差がある

という話もありました。

やはり、外注先に委託する場合は、仕様決定から開発までのコミュニケーションコストが大幅に上がること、また社内のスタッフではないためサービスにおける課題感がスムーズに伝わらないことなどが理由として挙げられます。

もちろん、実験的な新規事業やそれほどスピードを問われない社内の業務システムなどはこれまで通り外注しても問題がありませんが、やはり中核事業となると改善のスピードが命になってきます。そうした中で新興企業に対して3倍の時間をかけて改善を進めていると当然、自社でサービスを作っているよりも早く追い上げられてしまいます。

ましてや競合が圧倒的に強い場合は内製化とサービス改善のスピードは必須になるのではないでしょうか。例えば、EC サービスにおいてAmazon や楽天といった大手企業に対抗するためには、フロントエンド側の素早い改善ができない限り、サービスとして成り立たせること自体も難しくなってきそうです。

スタートアップの資金調達規模が大きくなり大企業のライバル化している

スタートアップの資金調達規模が大きくなったというのも大手企業がプロダクトを内製化する動機になっています。これまでのスタートアップは調達できても数億円程度で、プロモーションやサービス作りにおいて大手企業にとってそれほど驚異的な競合になることはありませんでした。

しかしながら、最近ではFinTech系や動画系のサービスで数十億円を超える大規模調達が続いており、大手企業がひとつの事業に投資する投資金額をはるかに上回るスタートアップが現れています。

当然ですが、そうしたスタートアップは優秀なエンジニアやデザイナー、プロマネを採用し、素早いプロダクトの PDCA を回してきます。これまでは資金量で勝ててきた大企業も資金量に加えてスピード感のある改善を求められるようになるのではないでしょうか。

以上大手企業が Web サービスを内製化しなければいけない理由について書いてみました。次回は大企業が Web サービスを内製化する際に起こしてしまっているたくさんの間違いについて書いていきたいと思います。

※デジタルトランスフォーメーション / エンジニア組織づくり / プロダクト内製化文脈でイベントします(2019/7/5追記)