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第一回 ゴーストバスター世界会議

私は少しだけ
海外で語学学校に通っていた事があって


その期間は、寮に住んでいました。



同じスペースの部屋がずらーっと並び

1人部屋、2人部屋、4人部屋があって

1人部屋以外は、2段ベッドが左右にあって
ベッド以外のスペースがほぼない広さの部屋。

リビング、キッチン、シャワー、トイレは
共用。


平日は授業が13時?くらいまであって、

そのあとスーパーに行って、買い出しして

ご飯作って、食べて。


夜はギター弾いてる子がいたり、ビール飲んで
恋の話をしたり。。


週末は海や離島に行ったり
遊びに行く子が多く、


寮にあまり人がいなかった。


そこで事件はおこったのだ。



私は1人部屋だったので、
部屋でのんびりお休みを過ごしていたら、


私の部屋のドアをドンドン!! もはや壊れる勢いで誰かが叩いてきて、泣き叫んでいた。

ユイ!ヘルプ!ギャァァァァ!

な、な、なに!? と部屋を開けると


4人部屋に住む モンゴル人の女の子
ゴウ(名前)がすごい顔をして、泣き叫んでいた。


私はとりあえず抱きしめて、
どうしたの? 虫?!と聞いたら

私の部屋にゴーストがいる!

え⁈ ご、ゴースト!?... ど、ど、どんな?、、
(私はお化け屋敷大の苦手。)

『2段ベッドの下から、槍でドンドンしてきてそのあと首をしめにきた!』


私は小さな声で、OMG...。

(なぜ数ある中から私の部屋にきた…?)

『怖いからユイの部屋にいたい!』



ゴウ、それは全然いいけど、あと何ヶ月もどうするの?ルームメイトも週末はいないけど帰ってきたらゴーストの事は黙っておくの?


『ユイ…どうしよう…』



そして私は考えた。


今寮にいる人をリビングに集めて…



第1回
ゴーストバスター...サミット!!!?


(お化け退治世界会議)?

を開催する事にしたのだ。



ゴウが事を全て話して、

みんなで、
どうゴーストに出て行ってもらうか意見を
出すことになった。


日本人は、

『塩まいて、盛り塩しよう!』


そうすると違う国の子達は、


『は?! 塩が何になるの?塩盛り付けてなんになるの?そんなので退治できないよ!』

日本人は、し、塩!じょ、浄化!としか言えず誰一人詳しく説明ができなかった。

なぜ塩が浄化なのかを…笑。。



違う国の子が、

『ドアにオニオンとガーリックを釘で刺す!!』


ん?それはさ、ドラキュラだけじゃない....?


違う!ゴーストだ!と彼女は言うけど、

日本人からしたら、ドラキュラ退治なのだ。


そもそも、ドラキュラは幽霊ではなくない?
なんて話になると

また誰かが

『ナイフでドアに魔除けのマークをかいて葉っぱを…』

『太陽の光と十字架で!』

『いや、それ悪魔にするやつじゃない?』


だんだんと、お互い文化の理解ができず
喧嘩になってきた…笑。。


そこで私は手をあげた。。。


ヘイヘイヘイ!



『ゴーストだってどの国出身の人かわからない。だから全部しよう。』


無言でみんなで見つめ合い、頷いた。



そしてゴーストの部屋に行き、


1, 塩を部屋にまきたおし謎の浄化作業

2, 木で十字架をつくり窓にはりつけ

3, 紙に書いた魔除けマークをドアに貼り

4, 釘をさして、ガーリックをぶら下げ

5, 両端に盛り塩を


その夜...


私の部屋に泊まったゴウは、怖くて夜中に

『ユイ、頭が痛い。』

『頭痛薬のむ?日本のだけど』

『ゴーストの呪いだ!』

よっぽど怖かったんだなと思った私は

ゴウに謎の自作鼻歌歌いながら、
ヘッドマッサージをしたら、


ゴウは、のび太くんかのようにすぐ寝た。

(怖かったんちゃうんかい!!と、突っ込みたかったけど、突っ込む英語がわからずやるせなかった…笑)


そして夜があけ、
その日にルームメイト達が帰ってきて



部屋を見て、大爆笑。


撒き散らかされた塩に、

謎の魔法陣と、十字架、ガーリックに盛り塩


いったいなんの呪いの儀式かと、

大爆笑だったのだ。



すると、ゴウは元気になり

何事もなかったかのように部屋に戻り日々がすぎた。




それから、ゴウとは
寮の廊下でファッションショーしたり、


モンゴル=遊牧民だと思ってたので、
それを言って、

『ハァ? ハイシティや!!ビルいっぱい!』と
ブチ切れられたり←


そんなこんなで、私が日本へ帰国する前日になった。


『ユイ!手紙をかいたの。寂しい。』と日本語で話してくれました。

私の母国語で伝えようとしてくれたことが
とても心に響きました。


部屋に帰って、手紙を読むと

ユイへ

あなたはハンサムな人。
そしてすごく楽しい人。

怖がる私を抱きしめて、

みんなが悩む中、ユイは
ゴーストバスターズの会議を開いてくれた。

眠れない夜は、歌いながらヘッドマッサージをしてくれた。

とってもハッピーな曲だった。

ユイは将来人気者になると思う。
ハンサムだから。



人気になっても忘れないでね。
モンゴルはハイシティだよ。


大好き。

ゴウより


私は忘れない。


モンゴルはハイシティだと。←



なんの話かって?



一歩外に出たら、当たり前ではなくなる事が
たくさんあるのだということ。


お化けの倒し方は、世界で違うってこと。


今いる場所が全てではないということ。



たわいもないそんな

私の昔話。









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