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明日、枯れ葉掃かなきゃ。

みなさまこんばんは。「発酵するコミュニティのレシピ」、久しく更新しておりませんでした。そんな折に、このマガジンを端から端まで読み切ってくれた女性と出会う機会があり、再び書く気合いが湧いた次第です。

さて、今夜は掃除についてです。

大家さんに怒られる日々。(感謝)

「結のはじまり」の店舗は、大家さんの住居と一体型になった建物です。かつては大家さんご夫婦が、住居部分と店舗部分とを行ったり来たりしながらスナック喫茶を営まれていたそうです。私は店舗部分のみを賃貸しています。

約4年前にこの物件を貸していただいて以来、最初の1年は大家さんに怒られてばかりいました。理由はいくつかありますが、その中の多くが掃除にまつわることです。この、ちゃんと怒ってくれる大家さんがいてくれたおかげで、「物件を借りるということは掃除するということなんだ(少なくともこの町では)」、と学びました。

建物の外・敷地の中・道路ギワ

掃除といっても、建物の中の掃除と、外の掃除とでは、意味合いが少し異なるかもしれません。

中の掃除は、その建物を維持するための掃除。「人が住まないと家はすぐにダメになる」という言葉をよく聞きますが、それは人が換気と掃除をすることで湿気によるカビの繁殖を防いだり、チリやホコリに群がる害虫を防ぐなどの、その建物を生かし続けるための掃除だと思っています。

外の掃除は、他者の視線を意識した掃除、という側面もあるのではないかと思っています。「他者」のうちの一人は、ご先祖様。もう一人は、氏神様。もう一人は、ご近所様。楢葉町を歩いていると、庭の隅に祠(ほこら)のあるお屋敷も多く、「土地と屋敷の神様」を代々祀ってこられた歴史を感じます。震災で、それを失ってしまわれた方々も多くいるこの町で、さまざまな理由で空き家となっている大切な家をお借りするときは、できる限りこの地域の方々の「家の敬い方」を踏襲したいなと思っています。

と、偉そうなことを言っておりますが、以下に綴るのは、そもそも基本的な掃除すらもできなかった私の失敗履歴でもあります。

落ち葉!草刈り!草むしり!

秋。林に囲まれた当店には、落ち葉が掃いても掃いても降ってきます。恥ずかしながら、当時の私には「落ち葉は掃かなければいけないもの」という意識はなく、積もれば積もるままにしていました。大家さんの奥さんが、朝も夕も竹箒で掃いたり熊手でこそげとったりしてるのを見て、「あ、落ち葉は綺麗にし続けるものなのか」ということを学んだ次第です。

夏。林や道路や田んぼのキワから雑草がグングン生えてきて、それを刈っても刈っても、抜いても抜いても生えてくるのが夏なのですね。夏が草との戦いの季節だとは、当時の私は知りませんでした。店の前をいつもウォーキングしているご夫婦がいて、その人の足元に雑草がウジャウジャ生えていて、「ああ、今あのご夫婦は私の草刈り不精を恨んでいらっしゃるだろうな」と、自分を責めてみたりもするのですが、忙しさにかまけてなかなか手に付かないのです。地元の方々の、綺麗な庭先や道路際の在り様を目の当たりにするたびに、「いつ刈ってんだ!?」と羨望にふけるばかりです。

軒下のクモの巣!

秋から冬にかけて、とにかく大きなクモが庭や軒下に巣を作ります。朝、巣をとったつもりでも、夕、同じ場所に巣がありまんまと引っかかります。

雨が降った翌朝に、庭先に立派な蜘蛛の巣がキラキラ光っていたりします。大家さんの奥さん曰く、「棒で、巣を絡めとりながら、クモ自体も叩いて駆除するのよ!こうやって!えい!」

ここで暮らすには、たくましくならなければいけないなと学んだ次第です。

掃除をするための時間とクセと

福島県内でも温かい気候の楢葉町では、雪がほとんど降らないので、除雪がないだけありがたいと思わなければいけません。地方で一軒家を借りると、自然と隣り合わせであることを享受しながら、生活の中に掃除をするための時間枠を設けないといけないし、日常の動作の中で常に掃除をチョコチョコする癖を付けないと、到底、一軒家を管理することができないんですよね・・・。

大家さんの奥さんや、町で出会った地元の方々は、「掃除しないと気が済まない」という感覚で掃除されているようにも感じます。それが、暮らしを心地よくすることを知っているから。

地域の常識だから、ご近所さんの目があるから、ということもあるけど、

庭先を風がスッと通り抜けて、ホコリひとつない窓枠から家の中へ吹き抜け、淀みないクリアな空気が流れていく。あの心地よさを、私も維持管理できるようになりたいなと、今日も憧れるばかりです。


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