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『総じて人々得手不得手あり』ベースの育成

先日、GOTOを使ってみるために山口県へ旅行しました。
私の好きな高杉晋作巡りをするために松下村塾へ赴いたのですが、松陰神社には松陰先生の名言がいたるところに飾られておりました。
その中で目に留まったものが一つ。

どんな人にも得意不得意はあります。
アインシュタインだって、物理は得意だけど数学が苦手だったそうです。
アインシュタインは、一般相対性理論を考えたとき、数学者の友達に数学的視点からのアドバイスをもらったそうです。
そう、数学を勉強するのではなく、得意な友達に頼ったのです。
今回は、松陰先生の言葉を研修制度に置き換えながら考えてみたいと思います。

よくある研修制度の例

私が研修制度策定を任されたとき、等級に応じて必要になるであろうスキルを書き出し、それに合わせて研修を組み込んでいきました。

例えば、新入社員は社会人基礎力をつけるためにロジカルシンキングやプレゼン能力、交渉術の研修を組み込もう。入社3年したらクリティカルシンキング、中堅になったらマネジメント…という具合です。

この研修制度の作り方には「総じて人々得手不得手あり」の考え方が全く考慮されていません。

会社側で受けてもらう研修を決めてしまったら、その人の得意を伸ばす機会を失うどころか、苦手分野に引きずられて自信喪失させてしまうかもしれないです。

研修の目的が画一的な人材を作り出すことなら手段として間違っていないかもしれないですが、コロナ禍の中で新しい価値観がすごい勢いで吹き込んでいる昨今の日本で、新しい会社の在り方を作っていく人材として育成したいなら、多様化がキーワードになってくることは何となく共感してもらえるのではないでしょうか?

多様な人が介在する会社にするためには、成績表がオール4の人ばかりいるよりも、5もあれば2もある人ようなスキルの尖った人もいた方が良いと考えています。

多様な人を包み込む仕組み

ここまで読んで「何を当たり前のことを言っているんや」と思う方もいるかもしれません。人材の多様化なんていうテーマは少なくとも5年前くらいから見聞きしていると思います。

それでも、今でも画一的な研修をしている会社もあると思います。
そういう価値観もあるので否定するつもりはないのですが、私のテーマが「多様化」(屋号の虹結びの虹は多様性の意味を含む)なので、私はその人の得意を伸ばせるような仕組みを考えていきたいです。

「70:20:10の法則」は聞いたことありますか?

人が成長するときに役立つとされる要素は、70%が経験、20%が薫陶(アドバイス)、10%が研修(書籍含む)という研究結果があります。

私の経験から研修制度を切り口として書いてきましたが、70%は経験から学ぶと役に立つとされています。なので、あえて仕組みと書きました。

仕事でどんな経験をさせてあげられるかは、上司に寄るところがあると思います(特に若手では)。
仕事上の経験で、自分が得意なことなら楽しんで仕事をすることができますし、結果が出せたり感謝されたりすれば自信に繋がります。
さらに、受験と違って仕事はチームでワークするものです。一人で全部をこなす必要はなく、自分の苦手分野は他の人に任せることができ、チームで結果を出せばOKなのです。

自信に繋がることは楽しいから好きになります。好きになったら自分から進んでやるようになります。結果、自走できる人になります!

自走できる人って、コミュニケーション能力がある人並に各企業が欲しい人材なのではないですか?

自走できる人が必要なら『其の得手を知ること』

そもそも、苦手なことを”普通”にするより、得意なことをもっと得意にする方がハードルは低いと思います。

人員配置も、個人にフォーカスしすぎないでチーム全体を見て組み合わせれば、強い組織になるのかなと思います。そのためには社員それぞれの「得手を知ること」が必要ですね。

また、松蔭先生は高杉を育成するために久坂玄瑞というライバルを作って切磋琢磨させました。松陰先生のように、その人がどうしたらやる気になるのかも見越して成長する環境作りをしてあげたいものです。

社員・部下の育成を考えている方は、松蔭先生の考え方も参考にしてみてはいかがでしょうか。

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